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言われたとおりにやれ

職場でのコミュニケーションの難しさを題材に、上司と部下の会話あるあるから、主に上司のあるべき姿を考えてみようというマガジンの12回目です。
【】は心の声、つまり言えないけど心の中でこう思っているという意味で読んで下さい。

あるある#11:

(部下)課長、今回のお客様の課題をよく考えてみたんですが、今まで提案してきた内容より、さらにお客様にとって有効な提案を作ってみました。
(課長)でも、お客様は今までのわれわれの提案を気に入ってくれていて、ほぼ受注できそうなところまで来ているんだよね?
(部下)はい、それはその通りですが・・
(課長)じゃあ余計なことはしないでいい、言われたとおりにやれ
(部下)【”お客様第一”って会社の方針ではないの・・・】

この会話の中に複数の「悪」が入っております。

①行動指針と実際の行動が合わない
”お客様第一”を表明している企業は多く存在します。しかし、実態はどうでしょうか?
社内のわけの分からない論理を優先していませんか?
お客様から見たら、その企業の誰がどの部門でどんなことをしていて、などということはまったくどうでもいいことだし、組織間の論理や人間関係など見たくも聞きたくも無いことが、結構お客様に見えちゃったりすることがあります。
もし、意思決定の論理がお客様第一ではないとしたら、そんな行動指針は即刻下ろすべきです、社員が戸惑いますので。

②提案を見ようともしない
部下の自発的活動は、どんなに工夫してもなかなか引き出せない物です。
「自由にやっていいんだよ」と言っても責任取れないのでなかなかやってくれないし、当事者意識を高めろといくら教育してもなかなか浸透しません。
上記の例では部下の自発的活動を報告してくれているのですが、内容を確認しようともせずに、忙しさを理由に受注間際のお客様に労力を割くより、まだまだ受注には至っていないお客様獲得に意識が行っているわけです。
余計なこと」という言葉にその真意が表れていますよね。

③人材育成の重要性と組織の成果について理解していない
言われたとおりにやれ」という言葉は、自ら考えることを否定する言葉です。これは最悪で、指示待ち人間作成プロセスなのです。
じゃあもういいよ、言われたことだけやっていればいいんですね、となっちゃう。
しかも内容の確認すらやっていないわけなのでさらに強烈です。
上司一人でできることなんてほとんど何も無いということに気付いていないのでこんな発言が出てしまう。
上司の仕事の成果は、「その部や課全体の成果を上げること」なので、あなたが1だとして、部下の数がNの場合、部下の人が自ら考え行動してくれれば、N倍の成果がでるのです。
もっと言うと、会社の人的リソースをNだけ使っているので、あなた一人の成果1では、まったく役に立たない管理職なのです。


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