いくら儲かるんだ?

職場でのコミュニケーションの難しさを題材に、上司と部下の会話あるあるから、主に上司のあるべき姿を考えてみようというマガジンの11回目です。
【】は心の声、つまり言えないけど心の中でこう思っているという意味で読んで下さい。

あるある#10:

(部下)部長、今回のこの新技術は、お客様のXXといった問題解決のための画期的な商品を提供できる可能性が高いです。
(部長)なるほど、なかなか優秀な技術のようだね。
(部下)はい。今後ですが、商品化に向けて開発部門と協力し、1年以内の商品化を目指して活動するための予算を確保していただきたく、本日お願いにまいりました。
(部長)予算化・・・それで、その商品はいくら儲かるんだ?
(部下)まったく新しい技術ですので、現時点では算出できません。
(部長)いくら儲かるのかわからないものに、投資はできないんだよ。
(部下)・・・

イノベーションとは何でしょうか?
私は、数々の失敗を繰り返し、そこから学んだナレッジを積み重ねることで、最初は何の効力も認められなかったとしても、ある時世の中に画期的な効力をもたらすものと思っております。

逆を言えば、いくら儲かるのかなんて最初からわかっているものはイノベーションとは呼びません。

この「いくら儲かるんだ?」という質問は、
・まったくナンセンスな
・立場も部下のモチベーションも鑑みない
・イノベーションの芽を摘み取る
本当に酷い質問なのです。

企業文化にもよりますが、役職に就いている方は、このような技術の芽を摘み取らないように発言に注意してほしいと思います。

前回の投稿(もっと検討しなさい)とかぶりますが、この「いくら儲かるんだ」も、ある意味では逆事なかれ主義の一種です。

若い技術者が、目を輝かせて、あらゆる可能性に挑戦し、失敗を繰り返すことでナレッジを蓄積し、ある時画期的な技術を基にした商品開発を実現し、会社の利益に貢献する、・・・これこそメーカーにおいてはあるべき姿です。

「いくら儲かるんだ」を言う人は、即刻退場願いたいものです。


よろしければサポートをお願いします。また、何かコメントがあれば情報交換したいので是非お願いします。