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悲しみの祖国



その花の涙は涸れていた...

遠き地のはてに眠る夢のなかで
地を這う嘆きが足裏の砂をさらってゆく

破壊と殺戮のなかで散らされた花は
言葉の届かぬ闇に紛れていった

声を失くした花は千々に散り
風に預けた種をうずめた
彼の地に歌を捧げるように...

言葉を失くした声だけが
棄てられた花の嘆きを生きている
悲しみに沈んだ遠雷のように...

引き裂かれた記憶だけが
木霊となって生きている
夜ごと彷徨う雷鳴のように...









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