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生命体の幻影

生命体の幻影


今… 青い記憶の幻影が立ち上がる...

太陽が生まれる前に… そこにはひとつの星があった...太陽が惑星を従えているように、その星にも生命に満ちた惑星があったのだろう...そのいのちの欠片で、私たちは… そしてこの世界はできている...

意識の彼方から訪れる幻影のように見えながら、それは不思議な現実感を伴って立ち現れている...幻影の姿を借りていま此処に存在しているという現実感のなかで、何かが蜂起しているという感触が伝わってくる...

今… その姿を借りて言葉が発せられようとしている… という印象を抱かせる感覚… 視えない次元に触れているようなこの感覚は何処から来るのだろうか...

時間という幻が降り積もった、幾つもの現実が重なった世界に私たちは存在しているのかもしれない...幾つもの次元の共振によって言葉以前のメッセージが伝わってくる...

あなた方は決して独りではない… 私たちは此処にいる… と...

それは彼の星に存在した者たちだろうか...或いは太古の地球に生きた者たちだろうか...彼等はいま此処に… 私たちの傍にいるのかもしれない...

次元の重なりのなかで時折り灯る幻影は、時間のなかに生きる私たちの意識には幻に見えても、漂う気配の現実感は、この時間が幻であることを暗示しているようにも思える...

有限に象られた生命は、時間の幻影に咲いた花のようでもあり、それはまた蒼い海に漂う声の如くこの世界に響いている...意識のヴァイブレーションは今… 命がひとつであることを歌っているのだろう...

私のなかに宿るその一滴は、遥かな銀河を旅する意識体の姿であり、いまは無き星に生きたかつての私なのかもしれない...

幻影が漂わせる気配は、私のなかに眠る意識体の種を目覚めさせ、銀河の記憶を蘇らせる...わたしが私だと認識しているこの私は、銀河の旅人である意識体が見せるひとつの夢なのかもしれない...

私のなかにある意識体は、もはや有限ではなく、私を包み込む無限の拡がりをもつ海のような深い蒼を湛えた瞳で在り、わたしはその一滴として生きているのかもしれない...

表でも裏でもないメビウスの輪のように… わたしの内側は外側であるように、この現実は幻影であり、時折り灯るまぼろしが… もう一つの現実なのかもしれない...




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