トランスジェンダーは「障害」ではなく「個性」


僕の子供はトランスジェンダーです。
生まれた時は女の子でしたが、この春からホルモン治療を始め、8月に成人したタイミングで名前も変えました。

子供がまだ小さい頃からずっと本人の意思を尊重してきたので、特に相談されたこともなかったのですが、ホルモン治療をしたいという意思表示があり、親として同意しました。
未成年が治療を始めるためには親の同意が必要だからです。

トランスジェンダーというのは医学的に「性同一性障害」と診断されますが、それはあくまでも医学的見解であって、実は「障害」ではなく「個性」なのです。
なぜ「障害」になってしまうのかは正直理解できないのですが、世の中には男と女しか存在しないというのが常識だからでしょう。

男性として生まれたけれども内面的には女性である、もしくはその逆であるという以外にも、中性的な人もたくさんいるし、男性と女性以外にも第三の性みたいなポジションもあっていいと思っています。

だから、子供が治療を始める前に言っておきたいことがあったので、それはちゃんと伝えました。
「性同一性障害」という診断かもしれないけど、障害があるわけじゃないし、ましてや欠陥があると思うなと。
あくまでもそれは「個性」なのだから、隠すことなく引け目を感じることなく、堂々としていなさいと。

音楽の仕事に関わる上で多くのLGBTの方達に接してきましたが、僕自身は当然偏見などないし、むしろクリエイターとしては、その独特の感覚で生み出すものが面白いとさえ思っていました。
だから自分の子供に対しても、ごくごく自然に受け入れることができたのかもしれませんが、もともと偏見とか差別とは無縁なんです。

昔から比べたらカミングアウトするのはかなり容易になった気がしますが、それでもまだまだ偏見を持つ人もいるし、理解してもらうのに時間がかかる人もいます。
だからきっと自分はトランスジェンダーなのだという自覚があっても、なかなか親にも相談できないとか、友人にも話せない人も多いでしょう。
そういう人たちにも言っておきたいのです。
それは決して人に言えないような恥ずかしいことではないし、人として欠陥があるわけではないので、自分に自信を持ってください。

あなたは一人の人間として完璧にできているんですから、医者や世間があなたのことを障害者だと決める権利はないんです。
あなたの人格や今後の人生において、何らの影響も与えることはありませんから、自分らしく生き生きと人生を楽しんでください。

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