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詩集 貝拾い

数奇な人生
誰に愛されずとも

怖くはない
琥珀のジャスミンティー



泣きそうな
泣きそうだ
泣く前に
泣いた後 
泣きたかった    ひな鳥



トーテムポール 作り方 
検索
人生を天秤にかけている
つまらない大人たち



空の色
こんなに冷たかったかな



私は誰にも捨てられない
私自身にさえも



なにひとつ失っていない
借りていただけのこと



涙を作る工場
明け方まで
稼働させないつもり



きりが無いね
誰かの言葉に傷つけられるほど
私は間違った生き方をしたか



落ちこぼれた世界から
落ちこぼれた私
幸せは指の間をすり抜けて
足元に散らばった



拾い集める貝殻
欠けたものばかりが
美しく見える



何を選ぶか
選べる場所にいることが
もうすでに恵まれていた
私は何も
選んだわけではなかった



誰かに評価されたい
誰かに認められたい
その誰かが私の嫌いな人だったら
お前なんかに分かってたまるかよ



死にたいと思っていた
なぜ生きなくてはならないのか
考えさせられる場所にいたことが
間違いだった



なぜ私には寄り添ってくれる
誰かがいないのか
みんなには居て私には居ないのか
完全な他者をなぜみんな信じられるのか
受け入れられるとは
どういう感覚なのか
知りたいのに頑張って
近づけば近づくほど
誰からも逃げたくなる
なにがこんなに惨めなのか
私は本当に孤独を望んでいるのか



今あるもので
生きていくことができる
私は心の鍵を
必ず見つけることができる
他人は敵ではない
手と足と口が自由に動かせる幸せを
簡単に忘れそうになる
紛れもなく他人のために
私は生きているわけではない



他人のせいにするな
他人を変えようとするな
他人に期待するな
他人のために生きろ

なんて身勝手なことを
他人は言うのだろう

お前がそんな人間だったのだと
どうせ白状しないくせに



自分が変わらなくちゃ
何も変わらないと
信じているときは辛かった
私が変わるのかどうかさえ
私には分からない
変わりたいと思っているけれど
一生かけたら
変わらなくてよかったのにと
思うのかもしれない
今が足りていないと思うのは
他人と比較しているから
私をさらけ出せる相手はいないのに
比較するための他人なら
いっぱいいる

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