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詩 私の感情は私にしか守れない

誰かのせいに
しなければならないことがある
私の感情は
私にしか守れない


そんなに辛かったか
と泣かれた
辛かった
そんなにひどいかと
言われた
逃げたかった
私だったらとしか
想像はできない
限りある想像力で
痛みを再現することはできない
死ねばよかった
そうすれば少しくらい
痛みを感じてくれるだろう
死んで
人の人生を壊す選択を
選べない私を
大丈夫だと
人は言う
平気に見えますか
だとしたら
あなたは私ではないのでしょう



死にたい気持ちと
生きてきた
中学生のとき
ホームから落ちそうになった
校舎の窓に
吸い寄せられた
変哲もない日にそれはやってきた
思春期とはやっかいだ
みんな同じだと言う
私は笑っている
みんなも死にたいのだろうと
信じていた
普通ではないのだと言う
今度は



傷ついた
のかもしれない
傷つけられたとは
思わなかった
傷ついているのだと
思い始めて
ようやく
痛いような気がする
血は流れた
私が悪いのか
傷つきやすさが悪いのか
傷つけた言葉が悪いのか
吐いた人が悪いのか
傷つきすぎだと言われれば
そんな気もする
泣き真似をしてみたが
下手にもほどがある



助けてほしい
一人では戦えない
家族は辛い
何度でも起きる
同じことを繰り返す
怒鳴れる人はいい
自分が苦しいと
当たれる人はいい
何で女に生まれたのだろう
なぜこんなに壊れた家族が
幸せに見えるのだろう
話せば話すだけ
辛くなる
相手に何を
まだ伝えろと言うのか
まだ笑う彼らを
家族と呼ぶのか


痛みに慣れて
辛い
孤独に慣れて
辛い
不自由にも
不寛容にも
無理解にも
無視にも
慣れてしまって
辛いことにも
慣れた
ふざけた人間たちに
頭をぶつけている



何もかも失ったわけではない
不幸だ
幸福もある
失う恐怖は
消えることはない
まだ幸せだ
まだ失える
耐えられる気がしない
この先について



私の方が悲しい
と思う
目の前で泣く人に
私だって我慢している
と言われたら
私の悲しみは
どこにも行けない
私の中で
私を消化する
酸性
すっぱさ 
私の方が悲しいのではないか
その証拠に
あなた達は病気にならず
私は頭がおかしくなった
繊細で真面目だと言われる度に
行き場のない怒りが込み上げた
あなたがそれを許さなかったのだ
あなた自身を否定させないために






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