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【虎の巻】請願・陳情の出し方

あなたが住んでいる自治体の議会に、
最速で請願・陳情を出そう!

こんにちは。
STOP!インボイスの新メンバー、安田です。

インボイス制度のスタートが予定されているのは10月。
もうすぐです。
そのぎりぎり1ヶ月前の9月、多くの自治体で議会が開かれます。区議会、市議会、町議会、村議会というやつです。
 
そこで、あなたが住んでいる自治体の議会が、国会へ「インボイス制度の中止・延期を求める意見書」を提出するための請願・陳情を出してみませんか? …… そう、あなたが!

9月といえば、あと、わずか半月(これを書いているのは8月15日。あなたが読んでいる今は、もっと残り時間が少ないだろう)。
でも、施行後に廃止になった制度は過去にもあるし、個人事業主の消費税の確定申告は3月。制度がはじまった10月1日以降だって、どんどん出していこうじゃないですか。請願・陳情は閉会中でも出せると地方自治法に記されています。思い立ったが吉日!
(※誰か議員さんが「議員提出」で議会に提案してくれれば、請願の手続きがいらない場合もあるようです。議会事務局や議員さんに、あなたの地域の慣例や状況をまずは問い合わせてみてください!)


★ここでちょっと解説★💁

【そもそも「陳情」「請願」とは?】
陳情」は、議員紹介なく出せるシンプルなものですが、議会によっては採択に回らず回覧だけで終わってしまう場合もあります。
それに対して「請願」は、その内容に賛同する議員の紹介が必要で、請願書に議員の署名が必須
いずれにしても、議会によって取り扱い方が異なるので、議会事務局や議員にたずねるのがベスト!

「STOP!インボイス」では、全国1700超の自治体のうちの3割強、540前後の自治体でインボイス反対の意見書が採択されることを目標にしています。すでに200を超える自治体でインボイス制度の中止・延期・見直しといった意見書が採択されています。

政治を変えるのは一人一人の行動です。
「もう遅い、決まったことなんだし」と落胆したり冷笑しているだけじゃ、何も変わらない
 
「インボイス制度って最低じゃん!」「こんなの誰も幸せになれない仕組みじゃん!」という怒りを原動力にチャレンジするぞ、と私は心の中で拳を握っています(今回、このnoteを担当している安田も、何を隠そう請願を出すために焦りまくりながら奔走しているところなんですよ。だから、もしあなたがコレを読んで一緒にチャレンジしてくれたら、勇気百倍です!)。 

ということで請願
ズバリ、最速で出す方法を提案します。
(陳情はシンプルな方法なので、あなたの市区町村の議会事務局に問い合わせてみてください!陳情書の見本サンプルなどは、別記事にて紹介しています。)


(1) あなたの区市町村の議会予定をチェック!

まずは、次回議会の日程を確認します。
自治体のwebサイト 議会事務局のページを見ると、だいたい出ています。出ていなかったら、電話して問い合わせれば教えてくれます。

【例】たとえば那須塩原市の場合、令和5年9月定例議会に出すための締切は令和5年8月22日だと議会のホームページでわかります。
https://www.city.nasushiobara.lg.jp/nasushiobarashigikai/shikumi/10890.html

那須塩原市議会の例

(2) 「STOP!インボイス」陳情書の受取をチェック!

2023年5月、反対の声を可視化すべく「インボイス制度を考えるフリーランスの会(STOP!インボイス)」として、インボイス反対の意見書が未採択の【全国1600の地方議会】に陳情書を送りました。 名付けて「全国お手紙リレー大作戦」。1600通も送ったんですよ! きっと、あなたのまちの議会にも届いているはず。

詳しくは↑画像↑をクリック!

この「STOP!インボイス」からの陳情書を受け取った議員がバトンを引き継ぎ、国への意見書が採択された地方議会もあります。それはもう、感動的としか言いようのない連携プレー。動いてくれた議員さん、エライです!
だけど議会事務局が各議員に陳情書を渡し、その後何も動きがなかった議会も多い(これを書いている安田の住む埼玉県所沢市が、まさにソレ)。

というわけで、まず、あなたがすべきは議会事務局への確認。
「5月に送られた陳情書は届いてますか?」と聞いてみることです。
(※都道府県と政令指定都市の議会は2月送付済)
もし議員の誰かが議会に上げてくれて採択されていたら、その議会はミッションコンプリートです。(可能であれば採択の経緯を詳しく聞いて、「STOP!インボイス」にお知らせしてくださったらすごくうれしい)。

(3) これまで同様の陳情・請願がされたかチェック!

さて、陳情書がスルーされていた場合は、次の質問を議会事務局に投げてみよう。

・これまでにインボイス制度への陳情・請願がありましたか。
・あったとしたら、いつ、誰が出して、どんな結果でしたか。

例えば、これを書いている安田が住む埼玉県所沢市では、昨年2022年3月に市民の請願に日本共産党議員が紹介議員になったけれど廃案になり、同12月に日本共産党の議員さんの議員提出議案の意見書もやはり廃案になったそうです。今、この国のあらゆる議会には、中身を精査せず、日本共産党が推すものに対して脊髄反射的に拒否する議員が多いらしい。おそらく、所沢と同じようなパターンの地域は少なくないと思われます。

政治的な事情も議会によって異なるでしょうから、会派の異なる複数の議員さんとたくさんコミュニケーションをとって、「どうすれば採択に近づくか?」を探ることが大切だと思います。議会事務局も、議員さんも、聞けば聞くほどいろいろ教えてくれます!(←聞かなければ、教えてくれない。なるべく根掘り葉掘り、質問を変えながら聞くのがよいみたいです)

とにかく大事なのは…
_人人人人人人人人人人人_
> 議員さんと話すこと!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

(4)  「紹介議員」を探そう!

あなたの地域の議会でのこれまでの動向が把握できたら、「紹介議員」になってくれる議員を探そう。
 
たいていの自治体の議会のwebサイトには、氏名、期数、党、会派などがわかる議員名簿が公表されています。事務所の住所、電話番号も掲載されています。
主に、多くの自治体で多数派を占めるのは自民党・公明党。採択のためにもその議会の与党議員にまずは話をしてみるのが近道です。与党議員であっても、インボイス制度に懐疑的な人は少なくありません。自身が兼業議員で当事者であったり、周囲のフリーランスや自営業者から苦境を訴えられている議員もいるはずです。

また「誰なら紹介議員になってくれるかな?」と、どの党でもいいから地元選出の議員や、日頃から市民活動をしていて議員情報に詳しい人がいれば、相談してみるのもいいと思います。一人で悩んでいるより、まずは誰かに話してみて! SNSで呟いてみるのもいいかも。一緒に動いてくれる人が現れるかもしれない。

とにかく大事なのは…
_人人人人人人人人人人人_
> いろんな人と話すこと!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

(5)  ローカル・ルールをチェック!

(4)と並行して、ローカル・ルールを議会事務局に確認しておこう。

①「紹介議員」の条件 ───

・「紹介議員」になれない議員はいますか。

 「紹介議員」の条件について、少し説明をば。
請願は、内容によって担当する委員会でまず審議されてから本会議に出されるようです(審議の方法も自治体によって異なるので一概には言えません)。
例えば、埼玉県所沢市では、内容的に「総務経済常任委員会」だけれど、こと「国への意見書」となると「議会運営委員会」の管轄になるのだそうです。先日、傍聴に行ったお隣の東京都東村山市では「生活文教委員会」で審議されていました。
そして、埼玉県所沢市では、担当委員となる「議会運営委員会」の議員は「紹介議員」にはなれないそうです。

そうした条件は、各自治体のローカル・ルールによるため要チェック!
なれない議員は候補リストから外して、「紹介議員」になってくれる議員を探しましょう。

② 採択の条件 ───

・請願の採択が決まるのは、多数決ですか、それとも全会派(全議員)一致ですか。

これによって請願が通るハードルの高さがわかります。
多数決なら、なんとかなるかも。全会派(全議員)一致ならハードルは高い(これを書いている安田の埼玉県所沢市は後者です💧)。だけど、それも作戦を練るには重要なファクターですよね。

③ 請願の締め切り ───

・請願提出の締め切りはいつですか。

これ、めっちゃ重要です。
埼玉県所沢市では、「開会の5日前が締め切り」と言われました。「訂正とかいろいろあるかもしれないので、10日前なら安心」とも。さあ大変だ。
でも、間に合わなかったとしても次に繋げればいい。9月議会はあきらめて12月議会の提出に向けての準備としてもいいじゃないか。
(と思っていたら、議会事務局に問い合わせたところ、請願提出が間に合わなくても、議員自身が「議員提出議案」として出すなら開会後でもできるとのこと(その締切が8月15日現在、協議中でわからない)
ともかくやるっきゃない! 粘るよ。

請願でも議員提出でもいいので、議会の俎上にのせることが、まずは大事だと思います。もし提出するのが9月議会に間に合わなくても、どういう請願内容であれば賛成できるのか、さまざまな会派の議員から意見を聞きながら内容を検討修正して、全会派一致をめざしたい。

④ 必要書類は何か ───

請願に必要な書類は基本的に2つ。

1)請願書
2)請願内容をまとめた文章
  ※ 資料や図などを添付もできる。

議会によっては、国に出す「意見書(案)」が必要な場合もあるようなので、要確認。議会によって書き方にルールがあるので議会事務局に聞いておこう。

(6) 請願書類を作成する

1)請願書のフォーマットは、それぞれの議会のwebサイトでダウンロードできます。できなかったら議会事務局でもらうか、ファックスしてもらうか。
記入すべきことことはシンプル。
件名、要旨、理由、年月日、議長名、請願者名と住所と電話番号という感じです。

2)請願内容を文章にまとめるのは、ハードル高く感じる人が少なくないかもしれません。でも、大丈夫。
請願内容は「STOP!インボイス」の陳情書をベースにして最速でまとめよう。タイトルその他、要所要所を「請願書」になるよう整えるだけでいい。

✅GoogleDrive「ダウンロードセット(お手紙大作戦)」にある
「参考資料3_STOP!インボイスから送った陳情書の見本.pdfを参考に!
  ⇩ ⇩ ⇩

余裕があれば、あなたの地域に即した産業・経済的な観点を加えてアレンジすれば説得力がアップすると思います。自治体のwebサイトで、近年力を入れている政策や特産品などをチェックする。そしてその背景にいるフリーランスや個人事業主の働きの重要性、地場産業を支える事業者が陥ってしまう問題点などを加えてみよう。

あなた自身が文章をまとめるのが苦手なら、得意そうな人に声をかけてみよう。
得意な人は、苦手な人が1日かけてもできないことをものの1時間でやってくれるかも。「STOP!インボイス」のために何かしたいと密かに思っていた人と巡り合う好機になる可能性も大!!!

(7) 「紹介議員」と内容を詰め、いざ提出!

請願内容は「紹介議員」のチェックのもと、修正が必要になることがあるかもしれません。
大筋の合意で名乗りを上げてくれた「紹介議員」さんの意向を聞きながら請願書類を揃えたら、いざ提出だ!!!
あとは議会が始まり審議が進められるあいだ、できる限りの議員さんと話して意見書採択に力を出してもらう流れをつくっていければ。 

* * * * * *

さて、いかがでしょうか。簡単そう? 難しそう?
これを読んで、「やってみよう!」と動いてくれる人がいたら感涙です。 

これまで35都道府県204自治体で、「インボイス制度」の中止・延期・見直しを求める意見書が採択されています。(2023年6月議会までの速報値)
東京都内では杉並区を皮切りに、渋谷区中野区でも。

考えてみてください、その全ての成果のもとを辿れば、必ず誰かが陳情・請願という種を蒔いていたのです。
その声をもとに議会で議論がなされ、採択されて結実しているのです。
結実に至らず、はかなく不採択になった請願もあまたあるけれど、誰かが陳情・請願を出さなければ、地方議会から国に「STOP!インボイス」の声は届けられないのです。

確実に声は大きく広がってきています。
もっともっと大きく響かせていきましょう!


●「インボイス制度」反対へのオンライン署名

Change.org のサイトから、簡単に署名ができます。ご賛同頂ける方は、ぜひリンク先からご署名ください。10万筆、20万筆と積み重ねることで、国を動かす大きな力になります。

●「STOP! インボイス」を応援する

「STOP!インボイス」は、個人事業主やフリーランス、税理士の仲間が集り、手弁当で行っている活動です。寄付というかたちで私たちの活動をバックアップしていただけたら幸いです。

●参考記事


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