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短編小説 「ちっちゃな幸せ」


私の名前はサナ。平凡な女性会社員だけど、小さな秘密がある。それはチョコチップクッキーへの深い愛。毎日、お昼前になると、私の心はチョコチップクッキーへと飛んでいく。特に、アイスティーに浸して食べるその味は、私にとって小さな幸せの時間だ。

会社では、そんな私の習慣を知る人はいない。だから、同僚の目を盗んでこっそりとクッキーの時間を楽しんでいる。デスクの引き出しには、いつもチョコチップクッキーの小さな袋が隠れている。アイスティーはオフィスの給湯室でこっそり作る。そんな準備をする時間さえ、私にとってはワクワクするものだ。

時計がお昼前を指すと、私の心はもうクッキーでいっぱい。デスクで仕事をしながら、さりげなく周りを見渡す。誰も気づいていないことを確認すると、私はそっと引き出しを開ける。そこには私の小さな宝物、チョコチップクッキーが待っている。

一枚取り出して、冷たいアイスティーにサッと浸す。ほんの数秒、クッキーがアイスティーを吸い込むのを待つ。そして、口に運ぶ瞬間が私の一番の楽しみだ。アイスティーのほろ苦さとクッキーの甘さが絶妙に混ざり合い、私の心を満たしてくれる。

これはただのおやつの時間ではない。これは、日々の仕事のストレスから解放される、私だけの特別な時間。クッキーを食べ終わると、私はまたいつもの仕事モードに戻る。でも心の中には、小さな幸せが残る。

私はこれからも、同僚の目を盗んで、この小さな幸せを大切にしていく。だって、これが私の日常の中でのちょっとした息抜きなんだから。




時間を割いてくれて、ありがとうございました。
月へ行きます。

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