「ストラをサンタかトナカイにデコレーションして、ストライダー配達したら面白んじゃない？」

「いいね！でも、ストラ黄色だからなぁ」

「そうだよね。雰囲気合わないよね」

子どものころ「サンタはいる」と信じていた。

毎年、クリスマスイブの夜は布団の中で、眠い目をこすりながら、サンタが現れるのを今か今かと待ち焦がれ、ついには深い眠りに落ちてしまうわけだけど、翌朝、枕元に置いてあったプレゼントを目にした時の嬉しさと、サンタに会えなかったことに対する寂しさが入り混じった、まるで自分が絵本の中にいるような、あのなんとも言えない感覚を、今でも鮮明に覚えている。

クリスマスプレゼントが枕元に置かれなくなったのは、いつだったろう。

確かにそこにあった空想の世界が消えていったのは、いつだったろう。

一度だけ、現実と夢の境目が曖昧になっていく不思議な世界の中で、サンタクロースに出会えた気がする。

あの不思議な世界行きの切符を、どうすればもう一度手に入れられるだろう。

#サンタはいる
#直前の一瞬編
#ストライダー