マガジン

最近の記事

自覚的病原体発生装置

大切だからこそ 触れられない そっと遠くから見つめるだけ こっちへ来ないで できるだけ離れて 最低1〜2メートル! バイキンになった私 #詩 #インフルエンザ

    • 淡い光の中、 ゆったりと流れる川のほとり 時折聞こえるのは、 とぷん、という水鳥の潜る音 傍らで眠る幼な子の顔が 尊く、 いとしい それでも行かなければならない あの切り立った崖の上に咲く、 小さな黄色い花を どうしても見たいのだ ぼろぼろになって 自分すら失っても まだ誰も見たことがない あの花を見るために #詩 #花

      • 走りながら考える

        毎朝、たった15分。 日が昇る頃、運河沿いを走る。 聞こえるのは自分の足音と、 たまに水鳥が潜る音くらい。 つらつらと考える。 思考はあっちへ行き、こっちへ帰り。 不思議なことに、 決して悲観的にはならない。 早朝のポジティブな瞑想の時間。 #エッセイ #朝活 #ライフハック #ランニング #走る

        • 走りながら考える

          埋立地。 高層マンション。 ショッピングセンター。 建築模型のように整った、清潔な街。 運河沿いを海に向かって走る。 全身で感じる水と空と風は 本物。 #詩 #エッセイ #ランニング #走る

        自覚的病原体発生装置

        マガジン

        • エッセイ
          3本

        記事

          新しい年から始めようと思ったことは、今からやろう。

          新しい年から始めようと思ったことは、今からやろう。

          この分厚いジーンズを食い破って、 脚に突き刺さった鋭い牙は、 彼女の怯え、怒り 天を仰いで腹を差し出し、 けれども、その姿勢のままにいつでも噛みついてやろうと震える筋肉は 彼の憎しみ 脳を侵され、 よたよたと斜めに歩きながらも、 よだれの奥から漏らす低い唸り声は、 年老いた二人からの呪い 真っ直ぐに 自らに向かって進む赤ん坊に向けられた 黒い黒い、濡れた目は 誰のものなのだろう #詩 #犬

          祖母のぬか漬け

          明治生まれの祖母は、昔の人らしく、お彼岸にはおはぎやらいなり寿司やら大量に作っていた。 お正月も、今年の黒豆はやれ、シワが寄ったのだの、甘過ぎただの、叔母や母らとやいのやいのやっていた。 ところがふだんのご飯に関しては、昔の人らしくなく、料理をしていた記憶があまりない。 祖母は東京の下町の外れに、独り身に戻った叔父と二人で住んでいた。 小学生だった私が遊びに行ったときは、たいてい商店街の肉屋で買ったメンチを夕食にしていた。人が集まるときには、明るくて愛すべき威張りんぼの祖母

          祖母のぬか漬け

          離乳食問題

          育児ものは、イデオロギーなのでこうして自分の経験を書くのが酷く恐ろしいのだけど、あまりに離乳食にエネルギーを使っている母たちの姿をみて、もう少し楽に…と言いたくて。 私の娘は6歳、ご飯に興味なし、少食。 ただ、熱などあまり出さず、1歳から保育園だが、最初の半年を超したら、一年に一度、呼び出しがあるかないかの健康体。 こういうことは、本当にそれぞれの子供次第なので、元気だけど、よく熱を出したりとか、たくさん感染症にかかってどんどん丈夫になって、など色々なパターンがあるから、

          離乳食問題

          碧空

          小さな飛行機を降り立つと、頭上に広がる濃い青い空。 ここは、東京の島、八丈島。 黒潮が流れる深い青い海の色が映し出されたような、空。 恋人と大げんかをして、やけっぱちのひとり旅。 あんな奴のことは忘れて、美味しいもの食べて、露天風呂に入って、島を満喫し尽くしてやる。 なのに、くさやの匂いに驚いたり、アシタバの天ぷらに感心したり、真昼間に入った温泉で、海を見おろすその景色に驚嘆したりするたびに、アイツの顔を思い出す。 島へ行ってから、もう10年も経つ。 毎日、会社、保育園、

          8月31日の夜に

          いま、子どもの自分を思い返すと、涙が出るほど可哀想になる。 幼稚園も小学校も中学校も高校も、ものすごく行きたくない場所だったけど、 行かない、なんて選択肢すら思いつかなかった。 毎日、というのは、嫌なもので、嫌だけどやるのが当たり前だと思っていた。 当時は、辛いとすら思っていなかった。それが日常だったから。 高校を卒業した頃、なぜか急に視界が開けた。 好きなようにすればいいんだ。 一人でいたければ一人でいればいい。 働きたければ働いて、旅に出たければ出発して。

          8月31日の夜に