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深呼吸のし過ぎは健康に悪い!?90%の人が知らない呼吸の真実④呼吸機能が低下する原因

 みなさんこんにちは!パーソナルトレーナーの吉田です。

「深呼吸のし過ぎは健康に悪い!?90%の人が知らない呼吸の真実」と題してお送りしてきています。

 今回は「呼吸機能が低下する原因」についてご紹介していきたいと思います。

■前回のおさらい

 前回は「正しい呼吸ができているかのチェック方法」をご紹介してきました。詳しくはぜひ、前回の記事をご参照ください(^-^)

◾️チェック1:「自覚症状の有無のチェック」で1つ以上YESがあった

◾️チェック2:「コントロール・ポーズテスト」が40秒未満だった

◾️チェック3:「横隔膜と体幹のインナーマッスルの機能チェック」で、息を吸った時に「胸→お腹の順に動く」、または「お腹が360度全方向に均等に膨らまない」

◾️チェック4:「ロールアップ&ダウンテスト」でタオルが足に当たってしまう

以上のうち、1つでも当てはまる場合は「正常な安静呼吸(リラックス時の静かな呼吸)が行えず、呼吸機能が低下した状態」であると考えられます。

■呼吸機能が低下する原因

 ここからは「呼吸機能が低下する原因」をいくつかご紹介していきます。

●「深呼吸のようにたくさん息を吸うのは健康に良い」という思い込み

「深呼吸のようにたくさん息を吸うのは健康に良い」という思い込み

 呼吸機能が低下してしまう原因の1つが「深呼吸のようにたくさん息を吸うのが健康に良い」といった思い込みです。

 「深呼吸のし過ぎは健康に悪い」というタイトル通り、またこれまでご紹介してきたように、「多く吸って多く吐く」呼吸が慢性的になっていると、血液中の二酸化炭素が少なくなってしまいます。

 すると、せっかく呼吸で吸った酸素が脳や筋肉などに細胞に行き渡りにくくなります。結果、身体は慢性的に「酸素不足」の状態が続いてしまうのです。

 前回の記事でご紹介した「正しい呼吸ができているかのチェック方法」の1つ、「コントロール・ポーズテスト」は呼吸過多の有無をチェックするテストでした。詳細はぜひ、前回の記事をご参照ください。

◻️「深い呼吸」と「息を多く吸う」は全く別物?

 「呼吸が浅いのが疲れやすい原因だと言われた」というお客様の声をたまにいただきます。

 実際「深い呼吸でカラダに充分な酸素を取り込めるようになります」といった言葉をよく目にしますよね。

しかし、ここで生じやすいのが「深い呼吸=息を多く吸う呼吸」といった誤解です。

 深い呼吸とは「1回の呼吸で充分な空気を酸素を取り込める」呼吸を指します。「多く吸う」「たくさん息をする」ようにしてしまうと、呼吸過多=呼吸のし過ぎに繋がり、かえって酸素が身体に行き届かなくなってしまいます。

●慢性的なストレス

 呼吸機能が低下する原因の1つが「慢性的なストレス」です。

慢性的なストレス

私たちは本来、「リラックスしている時はゆっくり静かな安静呼吸」、「激しい運動や緊張している時は、速くて荒い努力呼吸」といったように、その時々の場面に合わせて自動的に呼吸を変化させています。

 ところが、慢性的にストレスを感じていると、交感神経が過剰に優位になります。すると血圧や心拍数が高くなり、心身が緊張して呼吸量が「努力呼吸」のように多くなるのです。

 一時的にストレスを感じても、すぐにそこから脱却できれば問題はありません。

しかし「ストレス社会」とも呼ばれる現代では、知らず知らずのうちにストレスを抱える人が増えています。そのため、普段の安静呼吸が努力呼吸に近い「多く吸って吐く呼吸」の呼吸過多に陥る人も多くなっているのです。

●食生活の乱れ

 呼吸機能が低下する原因の1つが「食生活の乱れ」です。

食生活の乱れ

具体的には、

・アルコール類、糖質、脂質、食品添加物を含む加工食品の摂り過ぎによる、血液の酸化

・魚、野菜、海藻類などの抗酸化作用のある食品の不足

などが挙げられます。

血液は通常、pH7.365の弱アルカリ性で、酸性に傾き過ぎても、アルカリ性に傾き過ぎても体調に変動をきたします。

上記のように、血液の酸化を促す食べ物を摂りすぎていたり、抗酸化を促す食べ物が不足していると、血液は酸性に傾きます。

血液が酸化する=血液中の二酸化炭素が多い状態。

そのため、血液が酸性に傾くと、脳の「呼吸中枢」が「呼吸の量を増やして、多すぎる二酸化炭素を排出しよう」と働きます。

これが一時的なものであれば、問題はありません。しかし慢性的になると、「多く吸って、多く吐く呼吸」が定着してしまう可能性が考えられます。

●猫背や反り腰などの不良姿勢

 呼吸機能が低下する原因の1つが「猫背や反り腰などの不良姿勢」です。

猫背や反り腰などの不良姿勢

 これは、姿勢が悪くなることで背骨や肋骨の位置がずれ、呼吸で主に使われる筋肉である「横隔膜(おうかくまく)」が正常に動かなくなるためです。

◾️横隔膜とは?

「横隔膜」は呼吸で使われる筋肉の1つで、肋骨と背骨の内側に付着する膜状態でドーム型の筋肉です。

横隔膜

 息を吸うと、横隔膜はドーム状から平らになるように下降します。それによって胸腔(きょうくう/肺が位置する肋骨内の空間)のスペースが広くなり、肺が拡張して空気が入ります。

呼吸時の横隔膜の動き。息を吸うと横隔膜が下降し、肺に空気が取り込まれ(イラス
ト右)、息を吐くと横隔膜が元の位置に戻り、肺から空気が排出される(イラスト左)。

 そして息を吐く際に、平らになった横隔膜はドーム状に戻りながら上昇することで拡張した胸郭は元に戻り、肺から空気が排出されます。

 このように、スムーズな呼吸には横隔膜の働きが欠かせません。

 猫背や反り腰のような不良姿勢になると、背中の筋肉が緊張します。すると、肋骨や背骨の関節が硬くなり、横隔膜が動きにくくなってしまうのです。

すると、1回の呼吸で肺に充分な空気を取り込めずに「深い呼吸」が困難になり、呼吸が浅くなってしまいます。

結果「浅い呼吸を多く行う」ようになり、呼吸のし過ぎ=呼吸過多になってしまうのです。

 前回の記事でご紹介した「正しい呼吸ができているかのチェック方法の「横隔膜とインナーマッスルの機能チェック」は横隔膜が正常に動いているかどうかのチェック。

そして「ロールアップ&ダウンテスト」は呼吸に必要な肋骨や背骨の関節の可動性のチェックでした。

詳細はぜひ、前回の記事をご参照ください。

ここまで呼吸機能が低下する原因として、「慢性的なストレス」「食生活の乱れ」「不良姿勢」をご紹介してきました。

その他「運動不足」や「睡眠不足」など、現代人にありがちな生活習慣の乱れも呼吸機能を低下させる原因になります。

■まとめ

今回は「呼吸機能が低下する原因」と題して、

◾️深呼吸のようにたくさん息を吸うのは健康に良い、という誤解
◾️慢性的なストレス
◾️食生活の乱れ
◾️猫背や反り腰などの不良姿勢

をご紹介してきました。

以前の記事でもご紹介しましたが、「正常な呼吸が行えている人は世の中の1割程度しかいない」とも言われています。

「最近、疲れがなかなか取れない」

「ストレスを感じると、息が荒くなる」

など、調子がイマイチ・・・という方は、もしかすると呼吸がうまく行えていないのも原因の1つかも?

 次回は「呼吸のし過ぎのデメリット」についてご紹介していきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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吉田昇平
東京都でパーソナルトレーナー、ピラティスインストラクターー、加圧トレーニングインストラクターとして活動しています。 健康のこと、トレーニングのこと、日々思うことなど発信していきます。 拙い文章ではありますが(^^;よろしくお願いします!

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