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マンガ家兼ゲームディレクターからWebtoon編集長へ!転身した理由とは_後編

こんにちは!
株式会社CyberZが昨年より参入したWebtoonスタジオ『StudioZOON』担当広報の城戸(きど)です!
マンガ編集者を募集すべく始めた編集長インタビュー連載!
第2弾は第一編集部・編集長の鍛治 健人さん!

編集者・作家・ADなど様々な観点がある鍛治さんからこそ気づく編集としての考えや、『StudioZOON』で成し遂げたいことを後編では語っていただきました!
それではどうぞ!!

ー作家から編集者と、村松さん萩原さんとは大きくキャリアが違いますが、作家観点があるからこそ気づくこと、気をつけていることはありますか?

そうですね、「作家が編集にこういうことを言われたら怖い、やだ」ということは作家としてわかっているつもりなので、そこは何より大事にしています。
編集あがりではないからこそ、どこまでいっても作家の立場から作家と話すスタンスは変わらないかなと思います。

作家って編集と話す時怖いんですよ。自分が書いた作品を目の前で人に見られるのって恥ずかしいし、何言われるか怖い。それを否定したりリスペクトが欠けてしまうと作家ってもう一回その作品を描こうとも思わないし、もしかしたらマンガ家になりたいって夢を編集が怖がらせることで紡いでしまう可能性がある。その辺の責任は念頭に置いて、どんな実力がある作家でも今日初めて書いたっていう作家でも同じリスペクトを持って話すことを心がけてます。

ーでは次に、『StudioZOON』では作家に対して細かく原稿料など提示しているなど、“作家ファースト”の理念を掲げていらっしゃると伺いましたが、それはなぜですか?

作家の利害と編集の利害が一致していないといけないのは当たり前のことで、でもそれが何を意味しているのか、が大事だと思っていて。
最初に話したように作家は道具じゃないし、僕の言葉に置き換えると『同じ船を漕いでる者同士』だと思っていて、作家からしたら有名になりたい・面白い作品を多くの人にみてもらいたいという作家個人の考えがあるし、編集は編集で成果をあげたいという想いがあったりと、どちらも承認欲求の部分とマンガを作る上での創作する楽しみみたいなものを持っていて、それを超えて“マンガ”を大きく括ったときに、今後、これまでの横マンガの歴史にあったように、手塚治虫が出てきたから鳥山明が産まれてっていう流れがあったと思うと、Webtoonにも手塚治虫がでてこないといけないし、その先の鳥山明や尾田栄一郎を産むことが大事で、それらを産むためにはクリエイターファーストであらなきゃいけない、というところにたどり着くんですよね。そうしないと一緒に走れないんです。

かっこつけた言い方になるかもしれないんですけど一言でこれにつきるのはマンガ家と編集って二人三脚だと思っていて、作品を作るだけじゃなくてマンガやWebtoonという業界自体を作ってると思ってるんです。
たくさんいろんな作家がいるからそれぞれと二人三脚やってるつもりだけど、足並み揃ってないと転んじゃうし紐をきつく締めないと外れるし、でも締めすぎると苦しいし痛いし、どういうやり方が心地よいかを探し続けるのが組織・文化を作ることだと思っていて。
横読みは100年単位でこれをいろんな作家と編集が転んだり痛がったりして続けてきた結果が今、なんですよね。
でもWebtoonは今ようやくスタートラインに立って、これから二人三脚でやろうとしている段階で、この走り方を知ってる作家も編集もまだいない状況なんです。
なので、作家ファーストなのもそうですが、“マンガ”というものを大きく捉えて、『StudioZOON』ではそういった過去のコンテンツの歴史から学び、今の制作・運営スタイルになっています。

ー次にご自身も経験のあるADについても聞いていきたいのですが、ADに対して編集者としてはどう向き合って仕事をすすめていますか?

今日話してきたところでいうと、マンガを作るという意味では村松・萩原という2人のプロがいて、今のWebtoonスタジオ全体をみても胸を張って素晴らしいスタジオと言えると思う
ただWebtoonが横読みと一番違うのはカラーであって、改めてカラーの責任者として今思うのが、どんな素晴らしい作品を作家と編集がもってきてもカラーひとつでよくなったり悪くなったりするということです。
例えば人間を肌色に塗ればいいなんていう当たり前が、作品によっては緑だったり青だったりした方が作品の魅力が倍増することはあって、でもそれってマンガを書いてる人間とそのマンガを塗る人間が違うから考え方も取り入れ方も解釈も違う。だからそこにギャップが生まれると作品としての意図とADとしての意図がずれたマンガになってしまう。そこをカチッとはまるカラーがWebtoonには必要なんだけど、体現できる人が業界にはまだ少ない。
カラーのキャリアを学んできた人はたくさんいますが、Webtoonを塗ったことがある人、マンガを読める人がなかなかいないっていうのは、Webtoon全体の課題だと感じていますね。

ー編集者としては、作家とADのバランスというか、領分をどう考えていますか?3者の気持ちがわかる鍛治さんのお考えを伺わせてください。

ただでさえ答えのないものを作るのがマンガで、そこにさらに答えのないものを重ねないといけないのがカラーなんですよ。わからないものにわからないものをかぶせてる。
3者はなんとなく答えは持っていて、なんとなくビジョンも見えているんですが、感性も個性も違う人間同士だからこそ伝え合うのが難しいし時間がかかる。でも当然時間には限りがありますよね。
運用が始まったら読者が待っていて締め切りがある。時間をかければ解決できるものをいかに時間をかけずに意思疎通するかが難しい。
マンガと着彩をかじったことがある僕だからこそ、そういう部分でいい掛橋になれたらいいなと思ってやってます。

でもマンガっていうことだけでいうと僕は他の編集長2人に比べると2、3個下なんですよ。で、カラーでいうと今スタジオにADが3人いるんですけどやっぱり2、3個下なんですよ。僕って中途半端なんです(笑)
だけど中途半端な人間がちゃんと生きられるポジションに僕ははまってると思っていて、バランス感覚を持ってる自分が活かされるポジションに置いてもらえてるのは『StudioZOON』の体制のすごさかなと思ってますね。

ーWebtoon未経験の方でも作品の持ち込みは可能ですか?

もちろん!というか僕からしたら横も縦も、さほど変わらないです。むしろ横読みではできないことがWebtoonではできたりして、物語を広げていけるし作家としての広がりや楽しさがあるので、チャレンジして欲しいと思います。

ー『StudioZOON』だとこういう体制があるからWebtoon未経験でも大丈夫、などは何かありますか?

そうですね、他のスタジオと比べてっていうよりも『StudioZOON』が大事にしてるって意味合いですけど、作家全員の連載をとらせてあげて有名にしてあげて大金持ちにしてあげるっていう約束はできないです、もちろん。
そうしたいと思って取り組んでますが全員が全員そうできるわけではないです。
でも「全員を幸せにしてあげたい」とは思ってます。
どんな結果であっても、この人と組んでよかった、一緒に作品作れたの楽しかった、と思える場所にしようにしているし実際に作家さんにそう言ってもらっているし他の編集に関しても同じ感覚だという自信はあります。だから安心してWebtoonにチャレンジしてみて欲しいと思いますね。

ー『StudioZOON』のキャラクター“ズン子ちゃん”を描いてくださっていると聞いたのですが、なぜ・どんなイメージで書いたのですか?

僕ってコンプレックスの塊で自信がないんです。
マンガ家としては自分には尾田先生のような作品が作れるとは1ミリも思わなかったし、かたや編集としては、村松・萩原みたいな敏腕にはなれないと思ったんです。
じゃあ考え方として尾田先生がやれないこと、村松・萩原とは違うことをやれば戦えるかもしれないなと思ったんです。
今まで生きてきた中で僕の根本になっている考え方なんですけど、得意なことを伸ばしたり、やりたいことをやって誰かに追いつくには限界があると思っていて。
でもやれることを増やして“総合"として戦うことに限界はないと思っているから、村松さんらができることが僕は半分だったとしても、村松さんができないところにに僕のできることを足せば対等に戦えるんじゃないかと思ってるんですね。
絵も描けて編集もできるという総合的に考えることが僕にとってはすごく大事だと思うので、その考えでいくと村松さんと同じこをやっていると超えられないし「村松さんじゃん」ってなるので、同じ目的をもってはいるが、村松さんとは違う道で自分の総合的な引き出しから出してきたのがイラストで『StudioZOON』を説明することだったんです。それで“ズン子”が産まれました。

勝手にStudioZOONの公式キャラを名乗る女。ズン子

ーこれまでの経験から、『StudioZOON』で今後どういった事を実現したいかお聞かせください

一番難しいね…世界一のスタジオにすることだけど、これだと馬鹿っぽいじゃん(笑)

ーいえ、鍛治さんポイと思います!(笑)続けてください!

めっちゃ恥ずかしいんだけど本当に思ってることで、もちろん世界一のスタジオにしたいんだけどそれは目標としてありつつ『StudioZOON』で働いているこの時間が冗談抜きで人生で一番楽しいんです。

ー村松さんもこの質問のとき同じことを言っていました。PR記事を疑われそうなくらい良いこと言ってくれますね!(笑)

いやいや、本当にこんなに大笑いしながら仕事したことは人生で一回もないんですよ。
これまで嬉しかったことはありますよ、人生で。でもこんな毎日お腹痛くなるくらい笑って、頭痛くなるくらい悩んだ働き方をしたことがなくて。
薄っぺらく聞こえるかもしれないけど本当にこれが永遠に続けばいいと思ってます。
今『StudioZOON』にいるみんなとはまだ1年も付き合っていないし歩んだ道も違ければ年齢も違うけど、ほんとに家族みたいに感じています。
立ち上げだからこそなんの実績もなくてどんなことを還元してくれるかもわからない僕らと走ってくれる作家にも感謝しているし、自分を豊かにしてくれていると感じます。
だからそう言う人には同じだけ豊かになってもらいたいから、どうやってこの人たちを幸せにしてあげられるかを悩めるのって、シンプルにすごいことじゃないですか。そんなこと思って働けることってないと思うんです。

ずっと続いてほしいスタジオだと思う。…本当にずっと続けばいいと思ってますね。

そのためには大きくならないといけないし働きたいと思う人を増やさないといけないし、しっかり目標をもってやらないといけないと思っています。

以上、鍛治さんのインタビューをお届けしました!

経験のあるマンガ編集者/ADを募集中!

現在『StudioZOON』では、経験のあるマンガ編集者を募集しています。この記事で興味を持った方は、ぜひ一度こちらをチェックしてみてください。
https://cyber-z.co.jp/recruit/entry/studiozoon_contents.html

不明点などがあれば以下までお気軽にお問い合わせください。

株式会社CyberZ 広報:城戸
kido-risa@cyber-z.co.jp

あとがき


鍛治さんのインタビュー、いかがでしたでしょうか。
鍛治さんは、話しかけやすくて、話しやすくて、話がわかりやすい、人です。
なのでちょっとしたことでもすぐに話しかけられて、しかも返ってくる答えが毎回スマッシュヒットするというか(笑)
例えば私が以前にこのnoteのサムネイルをちらっと見せたとき、その時は特に意見が聞きたかったというわけでもなく「作ってみました〜」程度で話しかけたのですが、パッとみて「これってマンガ編集者に向けてるんだよね?だったもっとこういう風にしたらいいんじゃない?」とアドバイスをもらえた時があり、的確すぎる回答が一瞬で出すぎてびっくりしたのを覚えています。自分の見せ方や話し方も本当に上手で、私もこれだけ口がまわったらどんなにいいかと何度も思います(笑)

次は第五編集部編集長の萩原さんにインタビューします!お楽しみに!!


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