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『心理的安全性のつくりかた』を読んで

こんばんは。
自習室5日目、「さとか」です。

本日ご紹介する本はこちら。


読書の目的

”心理的安全性といえばGoogle”

人事の方や、組織開発に興味がおありの方であれば、この”心理的安全性”について、概要はご存知かと思います。

Googleは、「プロジェクト・アリストテレス」と名付けられた調査によって、この”心理的安全性”が労働生産性を高める重要な要素であると結論づけました。

そこまでは、私も知っています。
ただ、
「めちゃくちゃ詳しくそれについて説明できるか」
「実際に施策ベースに落とせるか」
と言われると、怪しい。。
(怪しいというよりも、むしろできない...)

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(ちょっと安心。)

そして、この”心理的安全性”は、(そのwordingゆえなのか)思った以上に誤解されているケースが多いように思うのです。
実際に、私も「ベンチャーでは、”心理的安全性”とかナメたこというな」というような事が言われているのを耳にしたことがあります。

ただ、実際には、

”心理的安全性” ≠ ”ヌルい、ナメてる”

ですし、心理的安全性があって初めて”個の成長””組織の成長”も生まれるので、ベンチャーという”限られた人数で、短期間で、最大の成果にコミットしなければならない”人たちにこそ、必要なものではないでしょうか。

今回は、
・”心理的安全性”を誤解している人たちに正確にその重要さを伝えること
・”心理的安全性”を高めるための”具体的な施策”に落とせるように深い知識を獲得すること

を主な目的として、この本を読んでいくことにします。



要約(抽象化も含む)

❶「甘えてんじゃねえよ」という、とんでもない誤解
”心理的安全性”と聞くと、突然、「ナメんじゃねえぞー!」といきりたつ人がいますが、そういう方は、”心理的安全性”を誤解しています。
それは、決して”ぬるま湯につかる”ということではありません。

”心理的安全性”とは本来、

組織やチーム全体の成果に向けた、率直な意見、素朴な質問、
そして違和感の指摘が、いつでも、誰もが気兼ねなく言える状態

のことです。

この”心理的安全性”がないい状態では、イノベーションも何も起きようがないですよね。。

Googleの、「プロジェクト・アリストテレス」のなかで、「誰がチームのメンバーであるか」よりも「チームがどのように協力しているか」の方が重要であること、そして、その土台になっているのが、”心理的安全性”であり、”心理的安全性”が担保されているチームほど、離職率が低く、収益性が高いという結論が出たようです。
(例えとして合っているか分かりませんが、「4番バッターばかり集めても勝てるとは限らない」という話しかり、「個」として優秀な人たちを集めれば自動的に最強のチームが出来上がるわけではないので、そこには何かしらの「仕掛け」が必要であり、その「仕掛け」の一つが、”心理的安全性”だと思うのです。)


❷正解のない時代にこそ求められる”心理的安全性”
現代はVUCAの時代だと言われています。

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「変化対応力がないと生き残れないんだ!」というような話もあちらこちらでされていますが、この「変化」とは「成長」のことです。そして、この「成長」は「行動の積み重ね」です。

ソファでじっとたたずんでいてもダメで、「ジムに行って鍛える」という行動をしないと、筋肉は成長しないのと同じこと。

では、「行動」はどうしたら引き起こせるのでしょうか?
少なくとも、率直な意見、素朴な質問、そして違和感の指摘が、全く言えない状態では、無理っぽいですよね。。汗

以上が、”心理的安全性”がVUCA時代を生き抜かなければならない今だからこそ重要な理由なのだと思います。


❸”心理的安全性”は銀の弾丸ではない
”心理的安全性”が重要だ、ということは間違いない事実なのですが、”心理的安全性”は銀の弾丸ではない、ということもまた事実です。
(それさえあれば、全てうまくいくというわけではない)

じゃあ、どういう状態が良いのかを表したのがこの図表です。

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(マトリクスってなぜこんなにも分かりやすいんでしょう。。)

「学習する組織」という本もありますが、これは、つまり「成長し続ける組織」ということですね。
”心理的安全性”をベースに、”高い基準”を保ち続ける組織こそが、成長し続ける組織であり、最強のチームということでしょうか。


❹”心理的安全性”を構成するもの

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この「日本ver.」という観点が面白いですよね!
確かに土台となる「文化」が違えば、何をもって「組織やチーム全体の成果に向けた、率直な意見、素朴な質問、そして違和感の指摘が、いつでも、誰もが気兼ねなく言える状態」がつくれるか、違いがあって当然です。

「話しやすさ」などは、特に日本らしさを感じます。
(「主張する文化」のアメリカでは、また違う構成要素になりそうですね。)


❺”心理的安全性”はリーダーから始める

組織の中の施策には、ボトムアップの方がハマりが良いもの、トップダウンの方がハマりが良いものとありますが、この”心理的安全性”の担保に関していえば、おそらく”トップダウンの方がハマりが良い”といえるでしょう。
(組織を権力で抑圧するようなトップのもと、ボトムアップで、”心理的安全性”を引き起こすためのムーブメントが起きるイメージが湧きません。)

リーダーがまず率先して実施することが重要なのは、分かりましたが、では具体的にどうしたら良いのでしょうか。

これも以前のnoteでも書いたのですが、”意識ほどアテにならないものはない”のです。「よし、”心理的安全性”を意識するぞ!」という気合いと根性で、組織に”心理的安全性”を根付かせることは、おそらく不可能でしょう。。

人間の意思というものは、消耗しますし、うつろいやすいものなので、”曖昧なものほど具体的な行動レベルにまで落とし込む”のが吉です。

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こうして、リーダーたちが率先して、”心理的安全性”の4つの因子につながる行動を増やし、これとは反対の行動を減らすことで、組織・チームに”心理的安全性”を構築していくことができるのですね!


❻”心理的柔軟”なリーダーシップ
残念ながら、リーダーは上記にある”心理的安全性”の4つの因子につながる行動を増やし、これとは反対の行動を減らすだけでは、まだ不足があるようです。

この本の中で推奨されているのが、”心理的柔軟”なリーダーシップ
これについても「”心理的柔軟”なリーダーシップを持つぞ!」と呪文のように唱えても実現できないので、やはり”行動に落とす”ことが大事です。

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ここに書かれていることは、さらにまとめるとすると、

事実と感情を分けて捉える
事実に真摯に向き合い、感情を丁寧に扱う

ということだと思っています。

❼”行動”につながる”きっかけ”まで設計しきる”
”行動に落とし込む”のが大事という話をしてきましたが、実は、その先の”行動を定着させる”のがむずかしいのです。。
(1日だけ走るのは、まあ誰でもできますが、1年毎日走れるのは、ごく僅かといった具合に)

行動科学者の権威・バラス・スキナーは、青信号をつついたらご褒美にエサが出る、通称「スキナー箱」を用い、ネズミやハトを使った「条件付け」の実験を行ったことで有名ですが、これがまさに”行動を定着させるためのきっかけづくり”の話につながるのです。

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なるほど、”行動を習慣として定着させる”ためには、そこにいたる”きっかけ”からデザインしないとダメなんですね。。



自分の意見、Next Action

以前のnoteでも、「人事界隈は、”耳障りの良いコトバ”であふれている」というようなことを書きましたが、この”心理的安全性”もだいぶ”耳障りの良いコトバ”ですよね。。汗

”耳障りの良いコトバ”こそ、そのコトバの意味を掘り下げて、「じゃあ具体的にどうするの!?」まで突き詰めて考え抜く必要があります。

今回は、
・”心理的安全性”はなぜ大事か
”心理的安全性”を構成する”因子”は何か
”因子”につながる”行動”とは何か
”行動”につながる”きっかけ”とは何か
について、学ぶことができ、より”心理的安全性”とは?の解像度が上がったので、”きっかけ”作りをこれから地道にやっていきたいと思います。

具体的な施策ベースのお話は、またこちらのnoteでも共有しますね!
お楽しみに!