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物価高から生活を守る方法


今後も続く値上げラッシュ


 最近,物価高が止まりません。それもそのはずです。なぜなら,円の価値が急速に低下しているからです。いわゆるドル高円安です。例えば,3年前の為替レートは1ドル=115円でした。しかし今や,155円に達しようとしています。具体的に申し上げれば,3年前5000円だった品物が約6700円に値上がったのです。しかも給料が上がらないので,家計は急速に苦しくなりました。
 残念ながら,円安の傾向は今後も続くでしょう。理由は簡単です。通貨の価値は,長期的には国力に左右されます。日本の経済成長が他国に劣後する未来,円安は今後も続くでしょう。つまり,日本国民は,今後も物価上昇の圧力にさらされるのです。

生活を守る方法① 円からドルへ


 私たちの身の回りには,たくさんの金融商品があります。銀行預金,保険,株式,債券,仮想通貨など。ほとんどの日本人は,預金と保険に資金を投じているはずです。実は,これが大きな問題なのです。なぜなら,預金と保険に頼ることは,二つの観点において経済的に劣後するからです。
 第一に,資産を円に全張りしていること。国際的な基軸通貨はドルであり,アメリカ経済の発展も考えると,今後ともドルはその価値を上げるでしょう。一方で,日本経済の衰退を考えると,円はその価値を毀損するはずです。現に,円安傾向は長期に渡って続いており,「有事の円買い(戦争や経済危機に円が買われドルが売られること)」という鉄則も崩れました。円はもはや,安定性も成長性もない通貨とみなされているのです。ドル中心の世界で全資産を弱体化する円で保有する行為。これは,必ず負けるゲームに参加するに等しいのです。
 第二に,利回りが悪いこと。預金の利回りはせいぜい0.001%でしょうか。仮にインフレ率が2%だった場合,銀行に預けたあなたの資産は目減りしていきます。例えば,100万円預けたとして,10年後には実質80万円ほどの購買力しかないのです。なぜなら,資産は0.001%の微増なのに,物価は2%の速度で増加するからです。ましてや,保険など論外です。起こりもしない不安のために,保険会社の養分となっているのですから。
 では,どうすればよいのでしょうか?預金は2・3ヵ月分の生活費だけで充分でしょう。保険は要りません。仮想通貨やFX(短期の為替取引)はギャンブル性が高いので止めましょう。インフレに勝ち,資産を増やす方法。それは,円をドルに変えて,株式投資をすることです。この場合の株式投資とは,日本株でも欧州株でもなく,成長著しい米国株投資です。現に,私は全資産の97%をドル資産で保有しています。

生活を守る方法② NISAの活用


 株式投資には,大きく分けて二種類あります。投資信託による積立投資と個別株投資です。企業決算や経済指標を熟知しているならまだしも,初心者の方は積立投資がベストでしょう。
 金融資産を有効的に増やし,経済的に豊かになりたい。そう思われるのなら,是非ともNISA制度を活用して下さい。NISAとは,株式投資にかかる税金を免除する制度です。最大1800万円まで投資できます。先程ご紹介した積立投資であれば,毎月10万円までの投資が可能です(もちろん,1000円でも1万円でも構いません)。
 なぜ,米国株の積立投資が素晴らしいのか,具体的に試算してみましょう。あなたが,利回り5%(代表的な株式指数の予想利回り)の投資信託に毎月3万円積み立てると仮定します。10年後,資産は466万円になります。元本は360万円ですから,106万円増加したわけです。20年後,資産は1230万円になります。元本は720万円ですから,513万円増加したわけです。30年後,資産は2500万円になります。元本は1080万円ですから、1417万円増加したわけです。このように,複利効果により,資産は雪だるま式に増加します。富裕層は資産の大部分を株式で持ち,庶民は資産の大部分を預金と保険に投じる所以です。

生活を守る方法③ 具体的な金融商品


 具体的に,どんな投資信託を積み立てればよいのでしょうか?様々な金融商品がありますが,私は以下の二つに積立投資をしています(毎月20万円以上)。

eMAXIS Slim 米国株式
SBI・V・全米株式インデックスファンド

 「eMAXIS Slim 米国株式」は,アメリカの株式指数S&P500に連動する投資信託です。米国株式の優良銘柄500社の株価に連動する指数です。「SBI・V・全米株式インデックスファンド」は,米国株式市場全体に連動する投資信託です。いずれにせよ,アメリカ経済の発展をよく反映する株式指数ですので,どちらを選んでも大差ないと思います。
 では,もっと大きな利益を得るには,どうすればよいのでしょうか?ここでざっと,「分散と集中」に関してご説明致します。たくさんの企業に分散されている指数は,ローリスク・ローリターンです。一方で,少数の企業に集中している指数は,ハイリスク・ハイリターンです。最も大きく分散されている指数は,全世界の企業8000社に分散されているVT(通称オルカン)です。次は,米国企業4000社に分散されているVTI(前述の全米株式インデックスファンド)です。次は,米国の優良企業500社に分散されているS&P500です。もっと大きなリターンが欲しければ,成長企業100社に分散されたQQQ(ナスダック100指数)があります。さらに集中した指数がよければ,メガテック(マイクロソフトやアップルなど巨大ハイテク企業)10社で構成されたFANG+があります。
 私の考えを申し上げますと,VTはあまりにも分散されすぎ,あまり大きなリターンが見込めません。一方で,QQQはボラティリティ(変動幅)が大きく,FANG+は一部の企業に集中しすぎです。成長著しいアメリカ経済全体に賭けるという意味で,VTIやS&P500が最適解ではないでしょうか。
 さらに大きなリターンが欲しければ,個別株に挑戦するのもアリでしょう。2022年11月30日,OpenAI社がChatGPTを公表しました。AIブームの始まりです。私は,このAI革命は18世紀の産業革命に匹敵すると考えています。一方で,多くのアナリストは,1995年から始まったITブームに酷似していると考えているようです。ITブームは10年続きました。AIブームも10年続くと仮定すれば,2032年まで続くことになります。AIブームにより,急成長する企業が続出するでしょう。最もAIの恩恵を受ける企業はどこか?それは,AIインフラの中核であるエヌヴィディアです。エヌヴィディアのGPUはAIの構築に必要不可欠ですから,ゴールドラッシュ時のツルハシのように,エヌヴィディアは大きな恩恵を享受するはずです。現に,NISAの成長投資枠240万円を使い,2023年末にエヌヴィディア株を購入しましたが,たった3ヵ月で2倍以上(500万円)に成長しました。もちろん,株価は下落することもあります。が,これが個別株投資の威力です。100年に一度の大チャンス,企業や経済を勉強し,個別株投資に挑戦してみては如何でしょうか?

※この記事は,固有の金融商品を推奨するものではありません。あくまでも,私個人の投資状況を告白したまでです。投資は自己責任でお願いします。
 

以下は参考書籍です。



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