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【要約】スマホ脳(脳科学)

この記事がおすすめの方💡
・他人の目を気にしてしまう
・ストレス、不安感に悩んでいる
・スマホ、SNSをついつい見てしまう

他者を気にする

我々の脳には、人との絆を感じると安心喜びを感じる機能があります。
大昔、人間が集団生活をしていたころ。
人に共感したり友情を抱くと集団の結束が強まり、生存に有利でした。

命の危機に常にさらされながら生活をしていた当時、集団から追い出されることは死を意味します。
また、一番多い死因は殺人だったそうです。
「相手が自分のことをどう思っているのか」「誰が誰に恨まれているのか」
他者の情報に敏感である必要がありました。

現代、私たちの生活は豊かなものですが、精神的な不調を抱える人は増えています。
なぜなら脳は進化していないからです。
先進国では死の危機が迫る出来事は少ないです。
にもかかわらず脳は生命の危機レベルで反応してしまい、「死ぬかも・・・・・・!!」と現代に適応できずにいます。
未だにサバンナを駆け回っているそうです。

現代、我々はSNSで常に誰かと繋がった状態で生活しています。
他者の情報に敏感な私たちの脳は、SNSを社交の代わり——人のSNSを見るだけなど——に使うと不安になってしまい、精神状態が悪くなりやすいそうです。

脳にとってのストレスと不安

ストレスはここは危険という意味で、脅威そのものに対する反応です。
(例)「いつ敵に襲われてもおかしくない」
一方、不安は脅威になる可能性があるものに対する反応です。
(例)「森の中に敵が隠れているかもしれない」
この時、ストレスシステムは常にスイッチがONの状態で、闘争逃避に常に備えています。

人間は大昔、生き残ること、子孫を残すことを第一に生活していました。
私たちの脳は物事をありのまま受け取らず、生存に有利か否か、意味をつけるための妄想をするようにプログラムされています。
生き残るためには、敵や敵になる可能性のあるものに警戒することが重要です。
そのため、幸せを感じるよりも不安に対する働きが強く出やすいです。
人間は幸福に生きるために設定されていないということになります。
反応の強いストレスシステムが常に出ていると、それにエネルギーを割かなければならなくなるのでとても疲れてしまいます。

ストレスや不安感は運動によって軽減できるそうです。
原始時代、狩りをしたり自分が敵に追われたりしているとき、最大限の集中力が必要でした。
体を動かすことで「その場を切り抜けることができる」「体力、筋力があるから大丈夫」と脳に教えることで軽減されるようです。

幸福感が必要な理由

幸福感やもっとという欲求にはドーパミンというホルモンが絡んでいます。
ドーパミンの役割は、何に集中するかを選択させること。
人間の原動力になり、脳にとってはご褒美で気持ちよくしてくれるものです。
幸福は次の行動を促すために感じるもので、もっとという欲求に変わっていきます。

脳は新しいことを学ぶとドーパミンを放出し、またドーパミンを得るためにもっとに従います。
例えばあなたが面白いと感じる本を読んでいるとき、今読んでいるページよりも次のページに夢中になっているのです。

この仕組みがあるのにも理由があります。
原始時代、同じ場所にとどまり続ける人と、新しい場所へ移動していく人で比較します。

同じ場所にとどまり続ける人は、食べ物を食べつくしたとき、次に食べるものがないので死んでしまいます。
新しい場所へ移動していく人は、食べ物がなくなったら新しく食べ物を見つけられるので生き残りやすくなります。
「食べ物があればとにかく食べてカロリー摂取!生きる!」というマインドが生きるのに必要だったみたいです。
幸福感やわくわくを感じることで、生存に有利だったんですね。

もっとがあるからスマホから離れられない

Twitter、Instagram、YouTubeなど魅力あふれる様々なコンテンツがスマホ一つあれば楽しめ、どんどん新しい情報を与えてくれます。
そういったコンテンツは、一秒でも長く私たちに見ていてほしいので、ドーパミンを生産させるためのあらゆる工夫がされているそうです。

例えばTwitterを開くと、白い鳥のシルエットが描かれた青い画面が見えた後、タイムラインが表示されます。
これによって「いい情報があるかもしれない」と期待が高まりドーパミンが生産され、次々情報が欲しくなります。

脳にとってスマホはドーパミン(ご褒美)をたくさん与えてくれる素晴らしい機器です。
スマホを失うと「生存に必要なものがなくなった、大変だ!」と無意識レベルでスマホを感知します。
スマホ以外にもPCなどスマホを連想させるものも脳は無意識に感知しているそうです。

原始時代は欲しいだけカロリーが摂取できなかったため、使うエネルギーを節約するよう脳はできています。
スマホ離れが難しいのは、無意識レベルで感知しているのを無視するために常にエネルギーを使うのが脳は苦手だからです。
これが記憶力や集中力の低下を引き起こしています。

デジタル世界では、どの情報がどこにあるのかを覚える必要があるので内容が頭に入りません。
記憶力低下にはこの側面もあるようです。

本の紹介

昨年話題になった本書。
生活が豊かになっているのに、不眠や精神的な不調で悩む人が増えています。
それはなぜなのか?
スマホが与える脳への影響という観点から脳科学的に説明されています。

著者;アンデシュ・ハンセン
役;久山葉子
出版;新潮社

参考図書

私の感想

私がこの本を読んで一番衝撃を受けたことは「人間は幸福に生きるために設定されていない」ことでした。
悩み癖がある私はストレスや不安を強く感じていて、そんな自分をダメなやつだと否定する気持ちも強かったです。
それがそもそも脳が不安を感じやすいようにできていると知った時、少しだけ気持ちが楽になりました。
私のせいじゃなかったんだ、嫌なことから逃げるのは健全なことなんだと思えたからです。
それまではストレスや不安にただ振り回されるだけでしたが、うまく付き合っていく方法を探そう、と向上的な気持ちを持てました。

我々の生に対する執着の強さを安心安全な今日の社会でも感じます。
危険の少なくなった環境で私は生きていくので、これからも脳や心理的な機能に振り回されると思います。
だからこそ幸福が少しでも多く、死にがいのある人生を歩んでいきたいです🍃

自分の人生にあるものって全部、本当はあってもなくてもどっちでもいいものだと思っています。
自分で選んでいるし、選び直せると思うと心が落ち着きます。

私の友人Mは、私のことを「向上心のあるすごい人だ」と評します。
そして自身と私を比べて落ち込んで卑屈になっていしまいます。
いい部分だけ見られて私という人間を判断されるのも、私が彼女を否定する存在になってしまうのも悲しかったです。
でも卑屈になってしまう気持ちも分かるから、何も言えませんでした。

向上心はあってもなくてもよくて、それが必要な時も必要ない時もあります。
不安や卑屈になってしまうのにもその人なりの理由があるからで、悪いことじゃないはずです。私も泥んこの中を必死に生きてきました。
苦しみや辛さにも意味があるし、ないならないでいいし、あった意味を捨てることもできる、これから意味あるものに変えることもできます。
ひとりひとり全く違う人間だから比べる必要もなくて、Mには人に気軽に連絡をとれる気楽さや素直に人と接する素敵なところがあります。

自分に必要なものは自分が一番分かるから、卑屈になることも今、必要なことなのかもしれない。
どうかいつか、Mに届いたら嬉しいな~と祈って書きました___ ✍🏻

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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