マガジンのカバー画像

本棚ーなんども読むnoteー

127
読みながら涙が出たnote、ニヤニヤが止まらなかったnote、誰かにおすすめしたいnote。本棚に並べておきたいnoteたち。
運営しているクリエイター

#家族

飽きっぽいから、愛っぽい|エッセイを書くということ @パソコンの前で

キナリ☆マガジン購読者限定で、「小説現代9月号」に掲載している連載エッセイ全文をnoteでも公開します。 表紙イラストは中村隆さんの書き下ろし、今回が最終回です。 わたしはなんのために、エッセイを書いてるんだろう。 二ヵ月前、ちょうど暑くなってきたころから、途中で力尽きるように、書くのをやめてしまう原稿がどっと増えた。下手になったなあ、と落ち込んでしまう日もある。 最近、気づいたことがある。 いや、本当はずっと前から気づいていたけど、気づかないふりをしていたことが。

別れるとき、さくらは流れた

冬は、リビングに駆け込むと、いつも石油ストーブのムッとするような独特の香りが漂っていていて、わたしはこれが特別に好きだった。 実家で過ごしていた頃の話だ。 母は働きに出てはおらず、1日のほとんどをこのリビングで過ごしていた。 娘のわたしが帰ると、必ず玄関まで迎えに来てくれる。 「寒い!寒い!!」 と慌てて靴を脱ぐわたしに、 「おかえり。お部屋あったかいよ」 といつもリビングの扉を開けて招き入れてくれた。 今になって思う。 わたしの学生時代の記憶が半ばおぼろげなのは、もしか

ほぼワンオペ我が家のライフライン #あの日のLINE

我が夫はよく“漁”に出る。と言っても漁師ではない。夫は一年の半分は出張で不在、東京にいても夜中というか早朝に帰ってくることが多く、私は2歳の娘と9時に寝て早朝3時頃(魚河岸タイム)から活動しだすゆえ、「我が家は漁師家庭スタイルでいこう」ということになっている。 我ながら意味不明だが、共働き核家族で、呼吸と同じレベルで働くウルトラ忙しい夫を理解し、俗に言うワンオペ・アウェイ育児を乗り切るためには、少しでも前向きな言葉で家族のかたちを捉えないとやっていられない。 行き詰まった

本当の家族のあり方って? 自己犠牲をやめていく、これからの家族の形

香川のお寺・西蓮寺に勤めていらっしゃる 小西慶信さん からお話をいただき、仏教マガジンに「家族」をテーマに文章を寄稿しました。以下に書いた文章をそのまま公開します✨ 今の家族のあり方は、明治の時代に制度化された「家制度」の影響を多分に受けています。その特徴は「家の存続のために、家族の構成員がいる」という認識のあり方であり、現代、その考え方がむしろ身にそぐわないと感じる人たちが増えてきているのではないでしょうか? それは、言い換えると、「(自己犠牲が伴いがちな)大きな◯◯を