#46 裸の爪、恩の送り先。
昨日、お風呂でジェルネイルをぜんぶとった。
不要不急の外出を自粛することにして、予約していたネイルをキャンセルしたのが先週。
ほとんど迷わずにキャンセルボタンを押したけれど、いざ裸の爪を見たら色んなことを思い出した。
ネイルを続けたのは2年と少し。意外と長かった。
友人の結婚式でネイルをして、今までなら一回きりだったのに、そのときの私は続けることを選んだ。
すこし前まで普通に働くことが難しくて、その時もまだ続けていけるか不安で。毎日、PCを使いながら目に入る指先が可愛いと思えることを支えにしようと思ったのだった。
実際に一ヶ月半に一度、ネイルのデザインを選ぶことで自分の好きを確かめる行為は、良いリズムになっていた。
どんなに忙しくても、美容院には行ってなくても、ネイルには行った。
やるせない自分を否定しながら、無心でネイルを変えてもらった日もある。
学生の頃好きだった人に「ネイルとかせんの?」と訊かれて、女子力のなさに落ち込んだこと。
お客さまに爪を褒めてもらって嬉しかったこと。
ずっと同じお店に通ったわけではなかったけれど、お世話になったお姉さんたちへの感謝の気持ちが広がった。
同時に思った。私がキャンセルしたように、予約が減っていたら、仕事がなくなっていくだろうと。
かと言って今お店に行くかと考えたら、私の答えはNOだ。
恩返しではなく、恩送り。
ある人から教えてもらって大切にしている言葉。
今、恩を送るとはどうすることだろうと考えている。
サポートいただき、ありがとうございます! 有料noteを読んで、学びにして、また書きたいと思っています。