自分を愛す

#45 あの夏にも、この夏にも、うんと昔の夏にも乾杯

「カメラを捨てるべきやな」
彼女は言った。いつになく真剣な表情で、一点を見つめながら。
「写真を撮ってしまうと、記憶が薄くなる気がする」

潮風が、やさしく頬を撫でる。

「憶えておきたいのは、そのときの匂い、音、誰かの表情。
・・・自分の感じたこと、なんやと思う。」
そう呟くと、彼女は無骨な一眼レフを置いて、海を見にいった。

ここは、京丹後市の伊根町。美しい舟屋が並ぶ京都北部の町だ。
夏やすみ

もっとみる

思いやるから、一緒にいたい #190818

小さい頃『ないた赤おに』があまり好きではなかった。かなしい気持ちになるからだ。青鬼が素晴らしい、というのは何か違うなあと思いながら、その正体が分からないまま忘れてしまっていた。「折々のことば」を読むまでは。

青鬼は、戦略家だと思う。どうすれば、大切な友である赤鬼の望みを叶えてあげられるかを考え、行動で示した。実現した。

どうしても気になるのは、青鬼の気持ちだ。どうやって関係を絶つことに折り合い

もっとみる

#44 好きなことば、書き続けている理由

短いことばに、ハッとする瞬間が好きだ。
長い間こころの中でじっと時を待っていたような感情に、輪郭をつけてくれることば。

ことばを声に出してみる。音が引き金となって、感情がじわりと滲み出てくる。記憶と結びついていくのを待ってから、もう一度読む。
すると、私なりの物語が生まれてくるのだ。

それは、広告コピーであったり、Twitterに流れる誰かの一言だったり、小説の一文だったりする。日々、様々なか

もっとみる

#43 やっていなかったことは諦めていたことではない

失敗が失敗となるのは、「諦めた瞬間」だという。「諦める」とは、どうすることを指すのだろう。
途中で辞めること? 目標やゴールに達することができないと決めること?

あきら‐める
1.【諦める】 《下一他》とても見込みがない、しかたがないと思い切る。断念する。 「夢を―な」
2.【明らめる】 《下一他》事情・理由をはっきり見定める。

「断念すること」であり、「明らかにすること」でもあるのか。

もっとみる

#42 非常時だと認定することで救えるもの

昨日から、喉が痛い。私は喉から体調を壊すタイプだ。へろへろになると、声が出なくなる。この喉の痛みは、そろそろ危ない。

だから、今晩は何もせず眠ることにした。マスクをして、首にタオルを巻いて、ひたすら眠る。これで、復活することを知っているから。

ふと、今までの私なら、もう一日通常モードで過ごしてから、喉の痛みが酷くなって休んでいたなと思った。

昨日参加してきたミシマ社のイベントで、三島さんがお

もっとみる

#41 私の興味は、誰かの「好き」から始まる

期待して行ったイベントが、全然楽しくなかった。何百もの出店者が集まった手づくり系のイベント。好きなジャンルのイベントで、規模も大きいのに、なぜワクワクしないのだろう。

考えながら歩きまわって、気がついた。
出店している人たちが、私からは楽しそうに見えなかったのだ。

「見てもらえて嬉しい!」「もっと知ってほしい!」という熱量が、感じられなかった。魅力的かもしれない商品よりも先に、売っている人たち

もっとみる

#40 習慣を一つずつ増やしていく面白さ

今まで27年間生きてきて、
「習慣にする」ことほど
苦手なことはないと思ってきた。

続けることが苦手。
あたらしく夢中になることができたら
やると決めたことを忘れる。
まあいいか、と辞めてしまう。

そして、後になって
あれを続けていたら今頃・・・
と悔やむ、ような気分になる。

本当に悔やんでいたら
何かしら工夫するだろうが、
今まで改善したことはなかった。
苦手、で終わらせてきた。

そんな

もっとみる

#39 やってもらったことが原体験

"やったこと"と"やってもらったこと"
どちらが記憶に残るだろう。

前職の先輩と話をしていて、
「原体験って、
やってもらったことだと思うんだよね」
と彼女は言った。
やったことなんて覚えていない、と。

考えてみれば、そうだなと思う。
「あの時こう言ってもらったおかげで」
と言ってもらっても、大概は覚えていない。

一方で、この人のおかげということは
とても鮮明に覚えている。

聞き書き甲子園

もっとみる

#38 決めたことを口にする前に

決めたことを伝えるまでに
自分がどのように決めたかを
振り返るようにしよう。

一度発した言葉は、もとに戻せない。
引き受けられるかどうか
決めてから口にしよう。

それが、責任を持つということだ。
責任なく思ったことを口にするのは
雑談であり、遊びであり
互いにそういう時間として
そこにいるときにしよう。

今どういう時間か、確かめよう。
近しい人だからこそ、
そして自分のためにも
分からないま

もっとみる

#37 アイデアが生まれる余白

余白の恩恵を受けている。
今の私は、切羽詰まっていないとは言えないが、なんとも自由なのだ。

朝5時半に目覚めて、お犬の散歩に行って、朝ごはんを作って食べて、洗濯して、前日の朝ドラを観て、それでもまだ7時半にならない。

今日なにする?
と、自分に聴くことから一日を始めている。

今日は、夕方から琵琶湖花火大会に行くから、それまでにあれこれやりきろう。

好きなこと、楽しみなことがあると、

もっとみる