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複数ポジションができる日本人、専門職のブラジル人



オリンピックが閉幕し男子代表はベスト4入り、なでしこは準々決勝敗退で終わった。
男子サッカーの満身創痍の準決勝、3位決定戦は日本人として彼らの戦いぶりにとても感動したが、冷静に見ると世界との差はスコア以上にある。と感じたのも確かだ。



今回、オリンピック日本代表の試合でよく聞いた実況がある。
「日本代表には複数ポジションをこなせる選手が集まっていますね。」
だ。

日本の育成年代では、"可能性を広げるため"に複数のポジションを経験させる事が多いと感じる。
私自身も、CB、SB、ボランチ、FW、GKを経験した。
なでしこリーグでプレーするようになってからはCBに落ち着いたが、ボランチやFWでも出場した。

結果、似たような選手が生まれているように感じる。
自我がわかりやすい子どもでさえ皆んな同じようにプレーしているのを見ると悲しくなってしまう。


今回のオリンピックで優勝し自身のタイトル数を43に伸ばした驚異の38歳ブラジル代表ダニ・アウベスは地元でプレーしていた少年時代に彼の持つ俊敏性、持久力、攻撃性にサイドバックの才があると見出され、13歳の頃にユースチームと契約をした時にはもうサイドバックに落ち着いたという。
さらに彼の持つ誰とでも打ち解けることのできる底抜けの明るさはステップアップをしていく上で無くてはならなかったものだと思う。

参考文献
彼らのルーツ/大野美夏、藤坂ガルシア千鶴 著




性格は持って生まれたもの。
環境で多少変わることもあるかもしれないが、性格の核となるものはいくつになっても変わらないだろう。


私がブラジルに着いた当初、名前や言葉は全く分からなかったがあの選手はどんなプレーが好き、どんなプレーが得意、というのがすぐにわかった。
サッカーを見ているとなんとなくその人の性格が見えてくる。というのがブラジルだ。
見えてくるどころじゃない。


プレーはその人自身を表す。


サッカー以外の話になるが、ブラジルでは働いている姿がかっこいい、仕事が似合っている人が多いと感じた。
言葉でうまく説明できないので、本当に知りたい人は行って体験してきてほしいのだが、ブラジル人は自分の長所を知っている。
そして周りが他人の事を理解する能力が高い。
同時に短所の許容もすごくある。

でもそれは自分を出すから他人が感じ取れる訳で、黙って立っていたら周りはなにも思わないだろう。
(ただ、黙って立つ。という確固たる意思の人がいたらそれはそれでめっちゃおもしろい。)


ここで伝えたいのは、自分が思っている事をやらない、我慢する事は周りにとっても自分にとっても損かも?と言う事である。

日本では、日本人特有の"他人に迷惑をかけない"という格言(?)が変な方向に作用して、色んな感情や不安を個人で解決しようと努めているように感じる。


「好きな事を好き」、「得意なことはこれです!」「すげー困ってます!」とはっきり言えれば、何かあったらあの人に頼もう!と思えるし、苦手な事は誰かがカバーしてくれる。
そのほうが仕事がスムーズにいくと思う。


ブラジルの人は人間臭さがある。
好きな事をして、苦手な事はホントにできない。笑
人としてのエネルギーが溢れ出ちゃっているというか。
スピリチュアル的に言うと、オーラの色が分かりやすい。
(私は残念ながらオーラは見えません。)
日本人はまず自分の色を隠し、その場に馴染む色になる。
みんなが合わさって淡い色になる。
ブラジルではみんなの色がバチバチ光って、鮮やかなイメージだった。

どちらが良いという話ではない。
日本人の奥ゆかしさはブラジルにもひと欠片ほどあげたい。(笑)

だけど、サッカーのピッチでは自分を思い切り表現できる場であってほしい。
サッカーに限らずそういう場があるという事が豊かな生活を送る上で大事だと思う。

空気など読まず自分自身を表現する。
自由に楽しむ。
多種多様な人がいる中でぶつかり、溶け合いながら仲間とわかり合える、
これがサッカーの醍醐味だと思う。











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