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クリスマスイブ

今年のイブは教会のミサに行った。
知人がその教会でオルガン奏者をしていると聴き、彼女は元々芸大出の素晴らしいピアニストだが、現在はオルガンを学んでいるというので聴きたくなったのだ。更に言えば本来のクリスマスイブの正しい過ごし方をしてみようと思ったのだ。

私はクリスチャンではないから、幼い頃からクリスマスといえばキラキラツリーとジングルベル、ケーキとプレゼントに終始していた。
ところが結婚したら、義母はクリスチャンであり、祖父(義母の父)は若い頃に新渡戸稲造と共にローマ法王に拝謁したという筋金入りであることを知る。内村鑑三の弟子だったそうである。

義父母共に他界したが、義父の葬式は臨済宗で執り行い、義母は教会での告別式だった。
生前、二人は仲は良かったが、墓は別々。
義母一族は皆クリスチャンで、プロテスタント教会の共同墓地にはいっている。
そういえば大学を卒業後、ピアノ科の大学教授からしばらく破門された時に(同門の友達も短期間破門されていた。キビシイ先生だった)ピアノを教えていただいた先生もクリスチャンであった。

葬式は仏教よりキリスト教の方が断然良い。
オルガン演奏も良いが、讃美歌を数曲歌うのが心地よい。ミサは音楽に溢れている。
仏教の声明や御詠歌(実家は曹洞宗)も面白いが、歌うなら讃美歌が気持ち良い。

昔のドラマなどでは、クリスマスイブに彼氏とお洒落なレストランでディナーを食べ、その夜はステキなホテルに泊まるという儀式みたいな流れが存在し、ティファニーのアクセサリーを貰うと言うような人たちの話もよく聞いた、
そういったシチュエーションは確かに周りにたくさんあったけど、それクリスマスイブですか?と心の中でちょっと疑問に感じていた。
12/25クリスマス、つまりキリストの生誕と決められた日。(実際の生誕日というわけではない)
その前夜祭がクリスマスイブで、恋人たちのクリスマスとかいうことになったわけですね。知らんけど。

確かに街中はイルミネーションでキラキラして美しいし心は高揚する。25日はプレゼントが貰える日だから、テンションは高い。
住職をやってる友人も、本堂にツリー飾っていたっけ。息子の幼稚園は神社の経営する幼稚園だったが、クリスマス会があって、神主がサンタさんやっていたっけ。
昔、うちのマンションの下の部屋に住んでいたイケメンのスペイン人が、僕はクリスチャンだから神社の祭りには行かない。日本人は節操がなさすぎると怒っていたことがあった。
その時は、「怒らなくてもいいのに」と思っていたけど。
いや、その前に私が彼をイタリア人と間違えたのですでに怒っていたのかも。なんたって誇り高いスペイン人なのである。ナンパの帝王イタリア人と一緒にされてたまるか、だろう。
それにしても確かに日本人はなんでも受け入れてしまうのかも知れない。
クリスマスにはサンタさんに手紙を書いて、確かフィンランドが何処かから返事が来るのだそして街中にサンタの格好をしたおじさんがたくさんいて、ケーキを売っていたりする。
今日も、夕方買い物に出かけたら、赤、黄色、青のサンタの衣装の3人組を見つけた。サンタ服は薄い生地であり、ペラペラしてとても寒そうだった。彼らはそのまま飲み屋に消えて行った。店員さんだろうなあ。多分昨日も同じ服着て仕事していただろうと思う。
音大の頃、貧乏な管楽器の男の子たちは、イブの夜にクマや犬などのぬいぐるみを着てトランペットでクリスマスソング吹いていたなあ。1日吹いても大したバイトにならなかったらしい。
演歌歌手とかのバックで吹くバイトやってた学生は月収100万超えていたなあ。大学でてもそんなに給料の出る仕事はなかったから、留年したり退学してた。
そんなこんなで、思い出すと色々出てくるクリスマスイブ。というか、クリスマスもイブも一緒くたになっていますね。
今、家のドアにはクリスマスリースを飾っているんだけど明日になったら取って、正月飾りに変えるんだ。
ヨーロッパのクリスマスと違って日本のクリスマスは年末までのお祭りの一種。それはそれで楽しいけどね。
イブ。
教会でのミサは心が洗われます。おススメ。

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