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扇形家奇譚

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創作小説「扇形家奇譚」をまとめています。小学生女子と勾玉の付喪神の短編連作。更新頻度かなりゆっくり予定です。
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記事一覧

【創作小説】扇形家奇譚「千歳の飴」

扇形薫が七歳になり、七五三のお詣りに行った日。 神社には、薫たちの他にも、七五三のお詣り…

宵待昴
2か月前
7

【創作小説】扇形家奇譚「幽霊談義」

本がたくさんあるお祖父ちゃんの部屋。 「ねぇ、勾楼」 「何だい?薫」 私・扇形薫は、勾楼に…

宵待昴
1年前
4

【創作小説】扇形家奇譚「拗ねて拗ねられて」

「随分くたびれているね、勾さん」 勾楼は、真幌の部屋に入るなり、部屋の主にそう笑いかけら…

宵待昴
1年前
5

【創作小説】扇形家奇譚「守り石VS」

「清水石(しみずいし)?」 私・扇形薫は、その綺麗な水の入った透明な石を陽に翳す。陽の光で…

宵待昴
1年前
2

【創作小説】扇形家奇譚「暗闇の境」

夜。 部屋の電気をパチリと消して、私・扇形薫はベッドに潜り込む。 電気を消したばかりだと…

宵待昴
1年前
1

【創作小説】扇形家奇譚「雨と」

夜半。 しとしとと、穏やかな雨が降っている。 耳を澄ませば、葉や花、屋根や壁、外の世界で走…

宵待昴
1年前
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【創作小説】扇形家奇譚「食事処 根(ね)」

その日。 私・扇形薫は、かなりぐったりしていた。 「薫ーしっかりおし」 勾玉の付喪神・勾楼が、私の荷物からペットボトルの水を出して飲ませてくれる。 座り込む私を屈んで見ていた勾楼は、立ち上がって背後にある建物を見る。 『食事処 根』 入口の暖簾にはそう書いてある。和風な作りのお店で、扉も引き戸に見えた。 私も、水をしまってからぼんやりと暖簾を眺める。酷くお腹が空いていた。走って疲れたのもあって、あんまり頭が働かない。いつの間にか、追いかけて来ていた人影の群れも消えていた。

【創作小説】扇形家奇譚「泡目(あぶくめ)」

ある日の真夜中。 私は、トイレに行きたくて目が覚めた。 普通に部屋からトイレに行き、帰り…

宵待昴
1年前
5

【創作小説】扇形家奇譚「水溜り竜宮」

土砂降りの大雨が降った日の翌日。 「近くの神社の境内に、綺麗な水溜まりがあるから見に行こ…

宵待昴
1年前
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【創作小説】扇形家奇譚「ベッドの下から」

日曜日の昼下り。 私、扇形薫は、自分の部屋のベッドの上でごろごろしていた。昼食を食べてか…

宵待昴
1年前
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【創作小説】扇形家奇譚「魂の記憶」

「私さ……ホームの階段を、老若男女沢山の人たちがぞろぞろ昇って行くのを見るのが、少し怖い…

宵待昴
1年前
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