宵待昴

始めたばかりです。かわいいもの、不思議なもの、怖いものが好きです。絵を描いたりお話を書…

宵待昴

始めたばかりです。かわいいもの、不思議なもの、怖いものが好きです。絵を描いたりお話を書いたりもします。

マガジン

  • 短夜怪談

    ホラー短編小説「短夜怪談シリーズ」をまとめています。一話完結の短い怖い話。

  • 剣と盾の怪奇録

    見た目の強い叔父と冷静な甥の出会う怪異を書いた、短編ホラーをまとめてます。 大体1話完結です。

  • 佐和商店怪異集め

    短編連作の創作小説「佐和商店怪異集めシリーズ」をまとめています。 夜はお化けがわんさか出るコンビニで働く女子大生・芽吹菫と、呑気な先輩おじさん・榊晃次郎は、どちらも霊感ありの凸凹コンビ。二人がてんやわんやしてます。

  • わたしのはなし

    宵待の雑記をまとめています。エッセイも増えるかも。更新はかなり不定期です。

  • 扇形家奇譚

    創作小説「扇形家奇譚」をまとめています。小学生女子と勾玉の付喪神の短編連作。更新頻度かなりゆっくり予定です。

最近の記事

  • 固定された記事

note始めました

宵待昴(よいまちすばる)です。 サークル名「宵待庵(よいまちあん)」で活動中。 小説とイラストを書いています。 小説は、ホラーや不思議なお話多め。 イラストは、可愛かったりほのぼのしたもの多め。 今のところのメインは ●「佐和商店怪異集め」:お化けが出るコンビニでしっかり者女子大生と暢気なおじさんの凸凹バイトコンビがてんやわんやする話 ●「短夜怪談」:いろいろな形の短編ホラー ●「僕と」:霊感ありの男子高校生とクールな友人のホラーな日常短編連作。 この3本です

    • 【短編ホラー小説】短夜怪談「公園のベンチ」

      会社近くの公園には、木製のベンチがいくつかある。昼時などは、多くの人々が利用するのを見掛けた。だが、一つだけ、いつ見ても誰も座っていないベンチがある。周りのベンチはどれも人で埋まっているというのに、だ。ある日の昼休み。後輩を伴って食べに出る。件の公園に差し掛かった時、後輩の顔が曇った。 「どうした?」 「この公園のベンチ、嫌なんですよね。奥にあるやつ」 「ベンチ?」 言われて、公園内のベンチを見る。あの、誰も座っていないベンチが直ぐ飛び込んで来た。 「どっかの家か、建物の廃材

      • 【創作小説】剣と盾の怪奇録「手鏡」

        「旭、それ最近多いけど、自覚してやってんのか?」 「はい?」 居間で、少しぼんやりしていた。最近予定が立て込んでて、忙しない。あまり休む間もなく、寝不足だ。突然叔父さんに話しかけられて、気の抜けた声しか返せない。叔父さんは、僕の背後にあるドアに寄りかかっている。青地に、真っ白な何本もの白い手の柄のシャツ。綺麗だけど、気味が悪い。左耳には、変わらず大きな朱い金魚が揺れている。 「それ、って何ですか?」 「手のひら、じっと見てんの」 叔父さんの目が、細くなる。真剣な目。 「手のひ

        • 【創作小説】佐和商店怪異集め「ゲーム」

          「すみちゃん、最近そのゲームずっとやってるな。どんなゲームなんだ?」 休憩中。事務所にやってきた榊さんが、私のスマホ画面をちらりと覗き見る。 「『脱出!メイプルちゃん』てタイトルで、お化け屋敷から脱出する、うさぎのぬいぐるみのゲームです」 「ゲームでもそんなことやってんの?」 感心したような呆れたような声に、私は苦笑いを返すしかない。そりゃそうだ。 「うさぎがかわいいんですよ。それに、」 時折哀愁も感じるうさぎが、何となく他人事とは思えなくて。 「それに?」 「これは脱出ゲー

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        • 短夜怪談
          52本
        • 剣と盾の怪奇録
          10本
        • 佐和商店怪異集め
          59本
        • わたしのはなし
          3本
        • 扇形家奇譚
          11本
        • 佐和商店怪異集め番外編
          14本

        記事

          【創作小説】剣と盾の怪奇録「呪い紙」

          旭の叔父・弥命は、最近調子が悪い。倦怠感と夢見の悪さが続いているだけなのだが、原因が分からず困っていた。 そんなある日の夕方。旭は家に帰って来て、門扉をくぐったところで気付く。 「紙が埋まってる……?」 足下の地面に、白い紙切れが埋まっているのが見えた。旭は気になって、その紙を掘り出す。少し汚れてはいるが白く正方形で、字が書いてある。 『御剣弥命』 「叔父さんの名前?」 旭は首を捻る。御剣弥命。弥命のフルネーム。それが記されていた。旭には、見覚えの無い字。 (何か、気持ち悪い

          【創作小説】剣と盾の怪奇録「呪い紙」

          【創作小説】剣と盾の怪奇録「迎えに」

          ※前話「シキの駅」https://note.com/subaru9010/n/nd1b0eb496376?sub_rt=share_pw とセットの話です。 「甥君が幽世に向かわれておりますよ」 「は?」 宵の口。 弥命は、自宅の縁側で煙草を吸っている。見るともなしに庭を見ていると、和服姿の女が夜気へ滲むように現れた。鮮やかな青い着物に、紅い珊瑚の簪を挿した黒髪の女は、目を伏したまま、微笑んでいる。弥命は、鋭い視線を彼女に向けた。 「あんたは誰だ」 「甥君が助けた者に仕え

          【創作小説】剣と盾の怪奇録「迎えに」

          【創作小説】剣と盾の怪奇録「シキの駅」

          ※次話「迎えに」https://note.com/subaru9010/n/n303cc7b563a1?sub_rt=share_pw とセットの話です。 外出からの帰り。 電車で最寄り駅に降り立った瞬間、目が眩んだ。 「あれ……?」 目に痛いほどの日差し。花が咲き乱れ、あざやかな緑が覆い茂っている。知らない駅のホームだった。理解が追いつかず、僕は立ち尽くしたまま、瞬きをする。外に面したホームは無人だ。暖かくも寒くもなく、心地良い風が吹いている。焦りやら恐怖やらの気持ちが

          【創作小説】剣と盾の怪奇録「シキの駅」

          動画を投稿した話

          こんばんは。宵待です。 いつも記事、作品を閲覧いただきありがとうございます。 制作中だった、現在執筆中の短編ホラー小説【短夜怪談シリーズ】の機械音声朗読動画が完成&公開しました。(下記リンクより視聴可能です) 今回は一話「幽霊画」を投稿。 今後、定期的に投稿していく予定です。 https://youtu.be/hOkYLgaw3_U 何本かストックを溜めてから、と思っていたのですが、結局三話分までしか作れていません。先が今から怖いですが、機械音声の方は十話以上作成済みな

          動画を投稿した話

          【短編ホラー小説】短夜怪談「コピー」

          中学生の頃、親戚のおじさんが突然亡くなった。 家族が無く、私たち家族が事務手続きなどに奔走することとなったのだ。提出する書類が大量に発生し、父の命で近所のコンビニへコピーを取りに行った。何種類もの書類を順調にコピーしていき、最後の一種類。原稿をセットし、無事に出て来た紙には、原稿の上から真っ赤な手形がついている。 「ひっ!」 急いでコピー機の蓋を持ち上げて確認しても、何も無い。恐る恐るコピーし直しても、やはり手形がついている。元の書類にも、手形なんて無い。怖さと訳の分からなさ

          【短編ホラー小説】短夜怪談「コピー」

          【短編ホラー小説】短夜怪談「歩道橋の下に」

          駅へ向かう為、歩道橋を歩いていると、柵の向こうを何かが並行してゆっくりこちらへ向かって来る。それは、頭部が異様に大きい背の高い人間だった。柵の下ギリギリに頭が見える。人間と呼べる背丈や頭では無かったが、人の形だった。固まっていると、それが不意に上を、こちらを向く。魚のような、ぎょろりと濁った目。 「……疾く去ねよ。降るぞ」 低い声でそれだけを言うと、ゆっくりと顔を前に戻し、歩き去って行った。後ろ姿を追うと、車道に足をつけて歩いている。着ているものは袈裟に見えた。それからすぐ、

          【短編ホラー小説】短夜怪談「歩道橋の下に」

          【創作小説】剣と盾の怪奇録「埋めた話」

          夕方。 縁側に座ってぼんやりお茶を飲んでいたら、いつ現れたのか、庭先に、白い着物を着て、ガリガリに痩せこけたほぼ骸骨みたいな老人が立っている。泥棒なのか徘徊老人なのか。老人は僕に気付くと、ニタリと嫌な笑みを浮かべて近付いて来る。身体が強張った。 「青い髪の男を預かったぞ。お前の身内だろう」 青い髪。叔父さんの顔がすぐ浮かぶ。預かった、って何だ?老人は僕が答えるより前に続ける。 「返してほしくば、そこの廃寺の脇にある路地に来い」 「ちょっと、」 キヒヒ、と嫌な笑い声を残して、老

          【創作小説】剣と盾の怪奇録「埋めた話」

          【創作小説】剣と盾の怪奇録「亀と作家」

          旭が弥命の家に住み始めて、一週間ほど経った頃。 夢を見た。 家の前に、ガラス細工の小さな亀が置かれている。透き通る、緑色の甲羅が綺麗だ。旭が手に取ると、足の一本が折れていた。折れた足が、傍らに転がっている。 「可哀そうに」 折れた足を拾うと、急に場面が変わった。知らない建物。工房、アトリエ、そんなものだろうか。ガラス戸の向こうに、作業場のようなものが見える。棚には、様々な種類のガラス細工やアクセサリーが置いてあった。動物、花。皆、よく出来ている。旭が惹かれて少し見ていると、気

          【創作小説】剣と盾の怪奇録「亀と作家」

          【創作小説】扇形家奇譚「千歳の飴」

          扇形薫が七歳になり、七五三のお詣りに行った日。 神社には、薫たちの他にも、七五三のお詣りに来ている家族連れが何組もいる。お詣りをし、ご祈祷の順番を待つ。その間、薫は常に両親か祖父と手を繋いでいたはずなのに、気付くと境内で一人きりになっていた。 「お母さん?お父さん?おじいちゃん?」 周りを見回しても、家族はおろか、他の参拝客も誰もいない。薫が不安げな顔で立ち止まると、境内の真ん中に白い着物姿の老人が立っているのが見えた。老人はにこやかな顔で、薫に近付いて来る。 「お嬢ちゃん、

          【創作小説】扇形家奇譚「千歳の飴」

          【創作小説】佐和商店怪異集め番外編「珍しい日に」

          晴れた日の午後。 榊は、菫とのデート中だと言うのに、浮かない顔をしていた。菫もそのことには気付いていて、気遣わしげに恋人の顔を伺っている。 「晃さん、元気無いですよ。どうしたんですか?」 「そりゃ……こうまで上手くいかなきゃ、落ち込むだろ」 菫は目を丸くしながらも、公園のベンチまで榊を引っ張り、一緒に座る。 「上手くいかないって?」 不思議そうな顔の菫をしばらくじっと見つめ、榊はくしゃりと菫の頭を撫でる。くすぐったそうに目を細める菫を見、榊の顔が少し綻んだ。 「今日、ホワイト

          【創作小説】佐和商店怪異集め番外編「珍しい日に」

          おばけとアイスと女の子

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          おばけとプリン

          おばけとプリン