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あらゆる食材は、永遠性を含んでいる。

あらゆる食材は、永遠性を含んでいる。 

野菜、穀物、果物、肉。すべては土、水、光、大気、微生物、重力……などの働きのもとで生まれてくる。宇宙と地球の環境と時間のなかで育まれた、一時的な「現われ」だ。

生物学者の福岡伸一氏は「『食べる』とは、まさに体の中で分子が絶え間なく分解と構成を繰り返す行為です。そして、分子の構成と分解の流れがとりも直さず『生きている』ということで、この流れを止めないために、私たちは毎日食べ物を食べ続けなければいけない」と語る。

分子の絶え間ない流れは、永遠性そのもの。それは同時に、諸行無常、諸法無我の世界でもある。

ひと口ずつ、食材そのものの永遠性を感じながら、永遠性を味わいながらいただく。

一方で、ファストフードやコンビニ弁当、化学調味料でこってり味付けされた食事から、永遠性は感じられない。アルコールを飲みながら騒ぎ、腹を満たすためだけに食べるのも同様。いずれの場合も、そこにあるのは食材に対する、永遠性に対する無関心であり、冒涜だ。

食材の永遠性を感じながら、食べる。

そのために高級料亭などに行く必要はない。

ただ、自分の意識と感覚を研ぎ澄ますだけでいい。

※写真は、昨年まで周防大島町にあった「野菜レストランvalo」の「お野菜とジビエのお膳」。食材への深い敬意を感じられる希少なお店でした。

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