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【#73】営業マンに学ぶコミュニケーションを円滑にする会話構造

〈この記事を書いた人〉
福田浩樹(ふくだひろき)
1990年生まれ。大阪府出身。株式会社ネクスト COO
医療機器、不動産など複数の営業を経験。不動産営業では社内の歴代最高の売り上げ記録を更新。また、不動産エージェントとしての活動と並行して営業コーチとしても活動。エステサロン、英会話、弁護士業務、などの複数の業界において売り上げアップに尽力。業界問わずあらゆる営業において顧客の信頼を掴むコミュニケーション術を指導。

今回は営業マンに学ぶコミュニケーションを円滑にする会話構造というテーマでお話し致します。

僕が営業マンとして活動し始めて10年が経ちます。
過去に様々な営業を経験してきましたが、やはり営業難易度が高いと言われる投資用不動産を紹介営業のみで販売していた5年間で培われた能力は大きく、独立してからも当時の能力が僕の仕事の根幹を成しています。

紹介営業という世界

今回のネタをお話しするにあたって僕らの様にお客さんに次のお客さんをご紹介いただくことで営業している紹介営業というスタイルで活動している営業マンの世界の基本的な部分を少し解説します。
この営業スタイルを採用している代表的な例は外資系生命保険の営業マン達です。
僕は不動産屋さんですが、営業スタイルが紹介営業なのでどちらかというと外資系生命保険の営業マンの人達の方が「同業」という感覚が強いです。(逆に不動産業界には僕の様な営業スタイルの人はほぼいないので、あまり扱っている商材は近くても意外と話が合わないことが多い)

営業は大きくはマーケティングとセールスに分類されます。
簡単に言えば、マーケティングは見込み客を集める作業、セールスは目の前のお客さんから成約を取る作業です。
多くの企業でマーケティング部と営業部に分かれていたりする様に、この2つは全く違うスキルが必要です。
紹介営業の世界で言えば外資系生命保険の営業マン達はトップクラスにレベルが高い人達が多いです。
ちなみに、この人達のやっていることの難易度ははっきり言ってめちゃくちゃ高いです。余談ですが一般的に外資系生命保険の営業マンの3年間の離職率は70%と言われています。恐らくこの数字は営業職から別の職務へ異動した人を除いているので、実際はもっと高いと思います。
ここまで難易度が高い理由はいくつかありますが、主にはフルコミッション制という給与体系と上記で解説したマーケティングとセールスを1人で行う必要があるという2点が大きいと思います。
セールスに関してはロープレと言われるセールストレーニングで一定のレベルまでは辿り着けます。
ただ、マーケティングに関しては営業マンの人間としての魅力はもちろん、他者に対する貢献の精神、専門分野に関する確かな知識、そして周りの人達と信頼関係を築き続ける高いコミュニケーションスキルが求められます。
特に駆け出しの営業マンは友人や親族に対して営業していく事から始めるのが業界の通例の為、はっきり言って友人や知人からめちゃくちゃ不審がられますし嫌われます。(笑)
今までただの友人や親戚だった人間がいきなり自分に対して営業してくるんですから当然ですよね。
ただ、そんな中でも自分の仕事に対する熱意や相手の役に立ちたいんだという思いを強く訴えられれば友人や親族からでもご契約を預かることは可能です。
この様な仕事を10年、20年単位で継続している営業マンは本当に尊敬に値しますし、漏れなく素晴らしいコミュニケーションスキルを持っています。

僕も一応はそんな環境で生き抜いている人間です。
前置きが長くなりましたが今日は相手との信頼関係を築きながらもビジネス的なこちらの要望も聞いて貰う為の会話構文をご紹介します。

感情と意見を分ける

前置きで説明したとおり、紹介営業を採用している会社は基本的にはフルコミッション制や歩合制の会社が多いです。
紹介営業をしている営業マンは人に物凄く感謝される喜びと物凄く嫌われる危険と常に隣り合わせで仕事しています。
そんな中でも営業活動を続けて、しかも成約を取らないとお給料が0円という状態なので営業マンの心の中は本当に色んな感情が渦巻いています。
正直、営業マン側が不快に思う様なぞんざいな扱いを受けることも多いのですが、その中でも人間関係を構築して且つビジネス的に互いにメリットのある提案をしていく必要があります。
そこで採用している会話構文は感情と意見を分けて話すということです。

例えば、あなたが大切な友達に凄く酷い扱いを受けたとします。
仲良い人だと思っていたのに、しかも酷い扱いをされるような心当たりもない。
本当に裏切られた様な気分です。
この時に感情と意見を混ぜて話してしまうと
「あなたは私を裏切った!」
「もう絶交する!」

といった言葉が出てきそうです。
こうなると、人間関係が破綻してしまいます。

では、感情と意見を分けて話すとどうなるでしょうか?
「私は物凄く悲しいし傷つきました。(感情) なぜ、あなたがこんなことをしたのか理由を話して欲しい。(意見)」
という形で伝えればまた伝わり方が変わってくると思いませんか?
こちらの感情も伝えつつ建設的な会話が出来そうです。
他にも飲み会の誘いを断る時なんかでも使えます。
例えば苦手な人から飲み会に誘われたときに断れずに嫌々参加している人はいないでしょうか?
中にはその場を濁して時間の経過を待つという人もいるかも知れません。
断るにしても
「ちょっと先約が、、、」
というまた次回誘われてしまう事を覚悟で延命措置を取ったり
「あ、飲み会は行かないです」
とぶっきらぼうに断ってしまう人もいます。
別にこれでも悪くはないのですが、自分が無理し続けるのも辛いですし、相手に何かしらの遺恨を残すのも避けたいものです。
そういうときも
「誘って頂いて嬉しいです。(感情) ただ、今日は別で予定があるのでまた今度誘って下さい。(意見)」
「たしか以前も誘って頂いて何度もお断りするのが大変心苦しいのですが(感情)、今、飲み会は控える様に自分で決めているんです(意見)」
などと言うように伝えればしっかりと自分の意見を伝えつつ、相手との間に遺恨を残しません。
何か言い出しにくい事を切り出す際にも
「もしかしたら驚かせてしまうんじゃないかっていう不安があるんだけど(感情)、大切な事だから欲しい(意見)」
と言うような使い方も出来ます。

紹介営業をしている営業マンは交友関係の中で色々な勧誘を受けます。
僕で言えば、恐らく自分で営業をする5倍くらいは色んな商材の営業を受けています。
断って終われるのであれば、その場は濁して立ち去り、その後の連絡を無視するという強引な手法も取れるのかも知れません。
しかし、そういう断られ方をされると凄く不快になるということを営業マン自身が1番理解しているので断る時も誠実に断りたいという心理が働く人が多い気がします。
ビジネス的にもどこにチャンスが転がっているか分からないというのもあり、どんな状況からでも人間関係は続けておいた方が良いことは多いです。
従って、世の営業マン達は感情と意見を分けるという会話構文を使って、こちらの要望も通しつつ人間関係を切らないコミュニケーションを鍛える必要があるのです。
こういった誠実な対応を続けていれば周りに協力者が増えてきて自分のビジネスを応援してくれるようになります。
感情と意見を分けて話すという会話構文を使うシチュエーションは往々にして相手に伝えにくい事やトラブルが発生した時がほとんどです。
この様なシチュエーションで逃げること無く、かつ冷静に堂々と建設的な受け答えが出来るという事が周りとの差別化に繋がり人としての信頼にも繋がるのではないかと勝手に思っています。

いかがでしたでしょうか?
営業の仕事をしている人に限らず、コミュニケーションを取る上で参考になる部分も多かったのではないかと思います。
特に自分が感情的に言葉を発してしまいそうになった際は、感情と意見を切り離してみることでコミュニケーションが劇的に変化します。

是非試してみて下さい!

ではまた!

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