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飲食業は、コミュニケーション業です。それが本質です。

宇宙一外食産業が好きな須田です。
 
最近は非常に忙しくて、いくつものプロジェクトが同時進行で進んでいます。
 
最近はと、書きましたが以前が暇だったわけでもなく忙しくしていましたが、これまで以上に今は多忙を極めています。
 
さて早速、今回の記事に入りたいと思います。
 
今日のテーマですが、一体外食産業の本質とはどのようなものかというテーマでお話をしたいと思います。
 
勿論今日お伝えすることが絶対的な本質であって、それ以外は認めないなどという一方的なお話しなどではなく、あくまでも私個人の外食産業の本質はこれじゃないかなぁという程度のお話しと思って読み進めてください。
 
十人十色といいますが、実際には十人二十色くらいあるのが現代です。
多様性は、コインの中に常に存在しているので、ある状況下では正しいということが、状況の変化に伴って誤となることもあります。
 
どちらも同じ人の意見だとしても、正誤の違いは状況によって多様性を持つと言えます。
 
さて、前置きはこれぐらいにして。
 
前段でお伝えした多様性の件、これはマーケティングでも同様なことです。
 
次回は、そのあたりを深堀していきます。
 
私は外食には2種類の業種があると考えています。
 

それは、満腹業と満足業。


 
おなか一杯にすることを主目的として、商品を提供する業態が満腹業。
和風・洋風のFF業態や、立ち食いそば業態、お弁当屋さんなどの食品販売業もこの満腹業になるます。
 
一方、おなかも満たしますが、心を満たすことを目的に業態を作り上げていくのが満足業。
 
居酒屋などのアルコールを販売する業種や、和風・洋風問わず割烹やレストランなどの業種、何かの専門店などが満足業になります。
 

この業種の違いは何か?
 
それはコミュニケーションスタイルです。


 
一般的に満腹業はほぼ一人利用がメインです。
友人や仲間と一緒に利用するシーンは稀です。
お店のスタッフと必要最低限のコミュニケーションしか取りません。
 
オーダーを通して、決済して、商品を受け取ってと、最低限のコミュニケーションだけで、おなか一杯になる、食欲を満たすという目的を果たすことが出来ます。
 
昨今では、オーダーも提供もロボットが行い、人と全くと言ってよいほどに接する機会が減少しているお店もあるほど、お店とお客さんのコミュニケーションが減少しています。 
 
次に満足業では、複数の方とお店を利用するシーンが主です。
 
会社の同僚や友人、彼女や家族と一緒というときに利用します。
 
この時の利用目的は、楽しい時間を過ごすこと。
料理とお酒と会話を楽しみます。
そして、おいしいものでおなかも満たされ、楽しい時間を過ごすことで心も満たされ、大きな満足を感じてお客様はお店を後にします。
 
この満足感を提供するのが満足業です。
 
 
というように、一言で飲食業といっても2つの業種に分けることができます。
 
この業種特性を理解しないまま、業態を開発してしまうとお客様には価値が、利便性が伝わりません。
 

満腹業に必要以上のコミュニケーションスタイルを導入すると、利便性が損なわる危険性があります。
 
満足業に人のぬくもりが欠落したサービスとおもてなしを提供してしまうと、「なんだ この店!」と、なりかねません。


 
どちらにせよ、必ずお客さまとお店、もしくはお客様同士は誰かとコミュニケーションを交わしています。
このスタイルの違いが業種を分けることがご理解いただけたと思います。
 
ということは、外食産業の本質は何かというと、コミュニケーション業だということです。
 

コミュニケーションと商品をセット販売しているのが、外食産業の本質です。



 
満腹業では、如何に効率よくスピーディーに最低限のコミュニケーションで商品を販売してできるかがテーマであり、満足業では、如何に密なコミュニケーションをとりながら商品の価値を高めていき、お客さまとお客さまのコミュニケーションの演出をし、プロデュースするのかがテーマとなります。
 
このように考えると、外食産業はコミュニケーション業なんだなぁと、改めて気づきませんか?
 
さて、ここまでお読みいただき、では外食産業で大切にしなければならないことが何なのかがご理解いただけたでしょうか。
 

どうかご自身のお店を少し振り返って“感じて”みてください。
 
考えるのではく、感じるのです。


 
考えると理論的となり理屈を持ち出さし分析に入ってしまします。
説くに、男性の経営者はこの傾向が強いです。
考えるのではなく、五感で感じてみるのです。
 
心地よいのか、よろしくないのかを感じてみると、不思議と新たな気づきを得られます。
 
私は初めてお邪魔する店舗で、この感じるということを必ず行います。
 
要するに非言語形態の部分を最大限に感じ取ることをします。
 
何故か?
 
それは、繁盛するお店しないお店は、この非言語形態の部分に大きな違いがあります。
 
居心地の楽しさの違いわかりやすさの違いなど、いくつもの違った要素が感じ取ることができます。
 
それらの違いを生む違いは、システム化されたことであったり、細かな気遣いであったり、ちょっとしたことがほとんどです。
 
でもこのちょっとした違いが大きな成果の違いを引き寄せます。
 
例えばこんなことです。
 
先日、近所の居酒屋さんに行きました。
以前も利用したことのある、ざっくばらんで使い勝手が良く元気のいいお店です。
 
店舗規模は12坪ぐらいでしょうか、オープンキッチンでカウンター席があり、ホールには簡単なつくりのテーブルとパイプ椅子が乱雑に並んでいます。
 
ホルモンの串焼きがおすすめのお店です。
 
これまではホールのアルバイトの女の子が、冗談を言いながら今日のおすすめや、お得な商品を教えてくれながらファーストドリンクの注文をとってくれていました。
ざっくばらんで使い勝手が良いと表現した理由は、このサービススタイル、コミュニケーションスタイルがあったからです。
 
しかし、先日利用したときは、メニューを自分のスマフォにダウンロードしてオーダーしてくださいと言われ、システムが変わってしまっていました。
 
その話をきいて妻がすぐにダウンロードしようとしたところ、なんと電波状況が悪くダウンロードできません。
試しに私もダウンロードしようとしましたが、同様の結果です。
 
うまくダウンロードができないこと、とりあえず先にビールだけでも持ってきてとお願いしても、まずはダウンロードしてそこからオーダーを通してくださいの一点張りで、無下に断られてしまいました。
 
これが私たちだけかなと思っていたら、後ろの席でも隣の席でも同様な状況で、そのときホールにいたお客さまはほぼ同じ状況でした。
 
やっと長いダウンロードが終わり2~3品注文しましたが、ビールが到着したのは入店後30分が経過しようとした頃です。
 
だんだんと面倒になり、結局最初のオーダーの商品が到着した段階で帰ってきてしまいました。
1時間ちょっといて、ビール2杯とお通し、もつ煮込みと串焼き、これで終わりです。
二人で4000円もしないお会計です。
 
お店を出てから妻が、「あのお店どうしてあんなシステムを入れたの? プロなんだからわかりやすく解説して!」と、言われてしまいました。
 

この答えは、経営者の思い過ごしと大きな勘違いが原因です。


 

多くの経営者は「効率化」という言葉に反応します。


 
今流行りのダウンロードをするシステムを導入すると、人件費が軽減できる、オーダー数が増える、お客さまのストレスが軽減できるなど、効率化が図れると勘違いしてしまったんでしょう。
 
実態は、電波状況の悪さも相まって、業態特性が希薄になり、人件費額は減ることがなく、オーダー数が減った分、お客さまのストレスが増加した分月商が減り、人件費率は上がってしまう結果になってしまったと思います。
 
 
当然、多くのお客さまはリピートをしなくなり、行く末が心配になる結果になってしまうでしょう。
 

本来満足業としてのコミュニケーションスタイルをとらなければならい所を、効率化の目くらましにあってしまい、満足を提供できないこととなってしまいました。


 
間違ってとらえてほしくないので強調しますが、メニューをダウンロードするシステムに問題があると言っているわけではありません。
お店のコミュニケーションスタイルを理解していないこと、実際のオペレーションに問題があったということで、ダウンロードするシステムそのものを否定しているわけではありません。
 
業態特性を理解した上でオペレーションを組み立てましょうということです。
 
このように、満足を提供しなければならない業態特性であったにも関わらず、楽しさも利便性もそして満足も提供できないシステムを導入してしまっておかしなことにならないようにしなければなりません。
 
これも、経営者がお客さまのストレスを感じることでできるのか、理論的にダウンロードするシステムは間違っていないなんだと志向を優先してしまっているのかで、自ら招き寄せる結果は違ってきます。
 
コミュニケーションスタイルの違いを理解すると、業態特性の打ち出し方を理解でき、適切なシステムを導入することができます。
 
最も良いことは、満腹業に満足業をプラスすること、満足業に満腹業の特性を加味することです。
 
これを導入すると、一気に繁盛業態へと変化していきます。
 
これを理解すると、どのような立地に出店したとしても、既存業態を変化させることが容易にでき、どのような立地でも繁盛させられようになります。
 
次回はそのあたりを解説してきます。


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