計画とコミュニケーション
プロジェクトの計画段階で最も重要なスキル、それは
コミュニケーション
です。
コミュニケーションとは、話すスキルではありません。
コミュニケーションと聞くと"話す"ことが真っ先に浮かぶのは日本人の悪い癖です(ICT(Information and Communication Technology)にある"C"には話すという定義は一切ありません)。
コミュニケーションにおいて、最も重要なのは
・情報を適切に伝達すること
・情報を共有すること
の2点に限る…と、私は考えています("話す"ことはただの一手段でしかありません)。コミュニケーションが1人ではなく、複数人でしか成立しないという制約がある以上、当然と言えば当然です。
少なくともビジネスにおいてはこうした考え方の元に実行できていないと、プロジェクト計画の実現性はグッと低下します。
たとえば、"計画内容や方針、手順をメンバーやステークホルダー…つまり、自分を取り巻く関係者に『自身が考えていること』を周知しない"と言うのは、運動会のムカデ競争で「どちらの足から出す」とか「1,2!1,2!」と号令をかけずに、前に進もうとする、あるいは勝とうとするのと同じです。
一緒に行動するメンバーはどうやって足並みを揃えることができるのでしょう?
たとえば、"WBSを作らない"、"WBSの粒度が粗く、メンバが見ても作業が明確化できない"と言うのは、料理のレシピ本で、
1. 適当に下ごしらえをする
2. いい感じに炒め、煮込む
3. 盛り付ける
と書かれただけで、カレーを美味しく作れと言われているようなものです。
どうやってみんながみんな、安定して美味しく作ることができるでしょう?
このように、計画段階は色々と定義、決定することも重要ですが、その定義したルールや基準を、決めた人以外にも理解できる形で伝達し、そして同じ情報・理解を共有することが必要になります。
これを怠るということは上記の例にあるように、
「わかった人間だけが何となく進めることができる」
「わかってない人間は一切進められない」
と言う、傲慢で安定性の欠いたプロジェクトとなってしまいます。プロジェクトマネジメントは、(立ち上げ)、計画、実行、監視・コントロール、終結の5つのプロセスによって成立するとあり、中でも『計画』に重きが置かれている部分ではありますが、実際には
計画だけが優れていても、マネジメントは成立しません
こうした重要性や難しさは、プロジェクト規模に比例します。
難しさ…についてはともかく、重要性が比例する以上は規模が大きくなればなるほど確実に遂行できなければ即失敗につながるので気を付けましょう。
ちなみに。
「大は小を兼ねる」ので、大規模プロジェクトの手法を小規模プロジェクトで取り入れても失敗はしません。しかし、小規模プロジェクトの方法論を大規模プロジェクトでも同じように実施しようとすると、多くの場合は失敗確率が上昇しますので注意しましょう。
応用はできますけど、大規模用に大幅見直しをしないとそのまま適用することは決してできません。
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