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家造りについて

前に設計管理した物件について、解説などをまとめて見ていた。
改めて『協働』したんだなぁと思う。
お施主さん、工務店、設計者がみんなで作っている。
お互いがお互いの思いをきちんと話しながら作っていたことがよくわかる。
コストについて、どこに注力するのか、それ以外の部分をどう収めるのか…ディテールを工務店と話して作りやすい方法を模索したりしているし、空間について説明を怠っていない。逆に工務店に対してもバッファーを取作れる様に話している。
我ながら良い設計管理をしていると思う。


最近snsなどで家造りアカウントを見る機会が増えた。
情報収集のためだったりと、とても役立ちそうなのだが…
どうしてもモヤモヤする場合がある。
施主側が消費者として振る舞いすぎてるアカウントが多い気もする。
住宅を商品としてしまうとどうしてもそうなるのだろう。数値というかデータとして評価することなどで相対化していかなければ、価格と評価を合わせられないのかもしれない。

僕が設計した住宅は、そう言う意味ではあまり相対化されていないかもしれない。
創造系不動産の川原氏にレクチャーをしてもらった時に、クライアントも事業者としてプロジェクトに関わる様な感じで…とおっしゃっていたが、まさにそうなのだのう。
僕が今までに関わった住宅で、お施主さんから、『断熱性能のサッシの等級が…」とか、「現場に行って細かくチェックしなきゃ!!」とか言われたことない。


僕のイメージとしてはざっくり細かい所は省いて大枠では、

建築家…わかりやすく言うと建築空間と法規のプロ
工務店…作る事のプロ
クライアント…生活のプロ

みたいな感じで○○家住宅のプロジェクトを動かしている感じに近い。お互いがその辺りを信頼して、ミーティングしながらプロジェクトを進めていく。
お互いの領域を横断しながら進めるのである。

楽しそうじゃないですか?こうして作られたものは商品ではなく、作品になってると思います。

建築のはなしを器の話をした事がありますが、まさにそれだと思う。

建築家は、器の形や組み合わせを考える。
工務店は、それを作る。職人を使う場合もあるし、工場で作る場合だってある。
クライアントは、その器の使い方を考える。
この三者が繰り返し話し合って器を作る。出来た器はクライアントが使う。使う上での汎用性などを建築家は考えて経年変化を受け入れるデザインに仕上げたり、壊れても金継ぎを提案してみるのである。
クライアントは電子レンジで使いたいとか、食洗機に入れたいとかを教えてくれれば、僕たちの方で耐熱温度などを考える。使い方に集中して欲しいなぁと思う。

そう考えると家づくりや空間作りはとても楽しい物になると思いませんか?建築家とはそう言う人の集まりだと思いますよ。
自分の事を設計者とは言わないのではないかな?と思います。

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