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LUMIX G9ProII meets わたし

ことし10月下旬、LUMIXの「スチルフラグシップ」を謳うG9の後継機となるG9ProII(G9M2, G9II、以下G9II)が発売されました。コントラストAFに強いこだわりを持っていたLUMIXのMFT機初の像面位相差AF搭載機です。

発売を記念してLUMIX BASE TOKYOのオンラインレンタルで、週末(2泊3日)でカメラを1000円で借りられるという大盤振る舞いなキャンペーンをやっていたので、早速予約し、三連休を取って「G9II休暇」と題してたっぷりと撮影に興じました。
といっても3日しかないので、LUTを当てこんだり、ゆっくり色を整えたり、いろんな機能を試したり、ということはできませんでしたけどね。

私はいつもLUMIX S1というフルサイズのカメラを使っております。
カメラはContax TixというAPSフィルムカメラで始め、そのあと数台のコンデジを経て、Nikonの1インチ、APS-Cとフルサイズの一眼レフおよびミラーレスと10数年ですが、渡り歩いてきました。
仕事で使うカメラで古いマイクロフォーサーズ(以下MFT)のカメラを使用したことはありますが、新しい世代のものはまったくもって始めての経験となります。G9IIの性能と、MFTの特性を知るのが狙いです。

あ、動画は撮りません。

はじめに

このレビュー記事には詳しい性能や、機能について、事細かく解説をしたり、紹介をするものではありません。
そういう詳しい情報が知りたい方は、ほかにも色々な媒体がありますので、そちらを当たってください。
G9IIを借りて、ああ、こんな感じなんだ〜とか、マイクロフォーサーズの写りってどうなんだろうな〜みたいに、カジュアルな気持ちで見てもらえると嬉しいです。

とにかくダラダラ長いので、許して。

マイクロフォーサーズのイメージは?

みなさんはマイクロフォーサーズについて、どんなイメージをお持ちでしょうか?
私のイメージは以下の通りでした。
・小型・軽量にシステムを構築できる。
・35mm換算で焦点距離が2倍になる(25mmなら換算50mm)。気軽に超望遠域まで繰り出せる。
・同じF値で撮影しても、大センサー比で被写界深度の深い写真になる。だからブツ撮りとかにはいいよね?
・ダイナミックレンジが狭いので、どうしても色調が悪い(らしい)。いうてコンデジの延長みたいな色では?
・高感度が弱い。ISO800以上は使えない、的な。
・センサーダストにはめっぽう強い。
ぶっちゃけ、こんな感じです。

Nikonが昔出していたNikon 1というカメラを愛用していたので、小型センサー機が悪いことばかりでないことはわかっていましたが、正直、センサーは大きいに越したことがないだろう、という思いを先に抱いていました。

センサーが大きければ、そのセンサーのおかげである意味楽に、あまり考えなくとも写真が撮れるのです。暗く撮ってしまっても、余裕のあるダイナミックレンジによって、後から補正できるし、高感度をバンバン使っても、そこまで絵が崩壊しない。レンズは少し高いけど。

α7がカメラのスタンダードになり、ミラーレスの時代になった途端にカメラの世は「フルサイズ偏重」の時代となりました。少し前まではフルサイズ=プロorハイアマチュアだったのに。かくいう私も、D600で憧れのフルサイズを手にした私は3年ですっかりフルサイズであることがスタンダードになってしまいました。
別に悪いことだとは微塵も思いませんが、このG9IIを使うことによって「MFT、どんなもんなんだい?というかいったいなんなんだい?」というのを知りたい。これが純粋な動機です。

ファーストインプレッション

今回、LUMIXに借りたのはG9II本体だけではありません。そりゃあそうです、レンズ持ってないもん。
借りたのはLEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm/F1.7 ASPH. H-X2550というレンズ。MFTのことは何もしらないので、とりあえずスペックで選んだ。だって換算50-100mmのF1.7通しのレンズなんて、フルサイズにはないでしょ?一番近くて、APS-C用のSIGMA 50-100mm F1.8 DCかな。

かっこいいレンズを借りた。

見てよこれ、めちゃくちゃカッコいいじゃん。
MFTは小さいみたいなイメージとはちょっと違うけど、大きさの割に驚くほど軽いレンズです。先に言っとくけど、このレンズは本体より気に入りました。

S1にSIGMA 135mmをつけたものとも、さほど変わらない大きさ。
S1が好きすぎて、比較記事の画像なのにS1にピントが入っちゃった(てへ)

ちなみに望遠レンズも使いたかったので、オリンパスのM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISも借りました。

SIGMA OEMで一眼レフ設計のカメラなので、MFTにしてはデカ重の類です。

純正じゃないのですべての機能に互換性があるわけではありませんが、同じマウントを使用しておりますので他社レンズも使えるのが良いですよね。写りが評判のレンズというわけではないようですが、換算200-800mmのスーパーレンズですからこちらも楽しみ。

MFT、圧倒的に軽い

曰く、G9IIはデカいらしいけど、S1を使っているからちっともそんなこと思わないっすね。S5IIと同じボディでも、軽いし、レンズもこのサイズでも軽いから、システム全体としてとても軽い。

大きくて軽いというのは個人的には助かります。なぜなら小さいカメラは操作性やホールド感、バランスが悪いことが多く、結果的に非常に疲れることが多いと感じるからです。

ボディまわり

先述の通り、G9IIはS5IIとボディをほぼ共通化しています。
肩液晶がなく、ダイヤルが左右に分かれていて、前部ダイヤルはレリーズボタンと同居。

フラグシップ機としてはシンプルな軍艦部

この仕様は正直、最初はどうなんだろう…って思ってしまった。
S5IIは素晴らしいカメラのひとつだけど、普及機なのでスチルのフラグシップ機にするには、ちょっと「ショボい」んじゃないかと。
MFTカメラの代名詞だと思ってたSSWFも非搭載。G9とは形も似ても似つかないし、本当にこれはフラグシップなのか?とも思わないことはないけど、メーカーがそういうんだから間違いはないらしい。

あ、録画ボタンそんな位置にはいらないだろ!動画が何回か始まっちゃって困ったんだぞ!

やっぱりこう、シンプル

背面はバリアングルモニター。
好きな人は好きかもしれないけど、わたしはこのバリアングルっていうのは苦手。始めての一眼レフがバリアングルだったんだけど、やっぱり苦手。スッと液晶の繰り出しができず、光軸とズレた位置にモニターが来るのも気持ちが悪い。写真機にバリアングルモニターを付ける意味が分からん、とは言わないけど、チルト液晶一択の人間だったので、これがいまいちS5II含めて、これ買う!とならなかった理由だったり…ちょっと話がズレた。

ただ、ボディ単体で見た時にS5IIより何故かカッコいい印象を抱きました。マウントとのバランスはG9IIの方が良いと思ってる。

グリップは評判が良くないらしいけど、個人的には普通。特に持ちづらい印象はありませんでした。
ファインダーはさすがにS1にはひとつ劣っているかもしれないけど、問題なし。
ボタン周り少し気になることもありましたが、詳しくは後述。

操作系

天下のLUMIX、操作性は良いですね。こればっかりは本当にLUMIXを勧めたい。

カスタム性ももちろん高い。高いが故に、設定を揃えるのに本当に時間がかかるんだこれが。冗談じゃなく、夜中始めたら、朝になっちゃう。勘弁して()

G9IIの知りたいこと、そして期待すること

さて、カメラを眺めてここがどうだこうだ言っても仕方ない。カメラは写真を撮る機械ですから。
撮りに行く前にG9IIの何が知りたいのか、そして何を私は期待しているかをまとめておきたいと思います。

そもそもG9II、MFTにはどういうメリットが?

  • 快調の豊かな写真は撮れるのでしょうか。

  • 苦手とされる高感度はどこまで実用できるのでしょうか。

  • 被写界深度が深いことの何が良いのでしょうか。

  • 像面位相差AFによって、AFはどれほど良くなっているのでしょうか。

  • G9IIじゃないと撮れない写真はあるのでしょうか。

これらのことを考えながら、撮影に行ってきましたのでよろしくお願いします。

G9II、実写編はじめ

いきなり高感度のテスト

S1というカメラは比較的低画素のフルサイズなので高感度には強いです。そのうえ、高感度の処理も非常に綺麗なのでISO感度をどんどんどんどん上げられます。12800なんて余裕で使っていますので、高感度があまりに弱いと個人的にはがっかり。さすがにフルサイズと同じくらい使えないと困る!なんてことは言うつもりはありませんけど、がっかりしないためにも、とりあえずどの辺まで撮れるかを早速試してみました。
あまりノイズリダクションがかかるのは嫌なので、弱で。

ISO3200
ISO6400
ISO12800
ISO25600

あれ、思ったよりいけてる?

どうでしょうか。
いきなり3200から始めてみましたが、思ったより良好です。少なくとも、APS-CセンサーのD7000(古いけど)よりは間違いなく良好。これで2521万画素もあるのですから、結構頑張っているように見えます。
さすがにフルサイズにも負けない!とは言えませんけどね。明らかに偽色が出るのが早いのと、ザラつきが始まるタイミングが早いです。というのも3200でも1000でも同じくらいザラつく印象です。それでも、最低最悪ではありません。全然使えますし、今時ノイズ補正なんかレタッチのさいにいくらでも自然にかけられますから、ノイズが多いから〜なんて諦める必要はありません

仮にノイズが気になるとしても…

G9IIにはそれを逆手に取れる機能があるんだな。

G9IIに初搭載されたライカモノクローム

G9IIには「ライカモノクローム」なるモノクロモードが搭載されました。
どのメーカーにも負けない良好なモノクロを持つのがLUMIXの強みだと思っておりますが、あのLeicaが監修したモノクロってだけでもう生まれる前から箔がついてるようなものです。
実際使ってみると個人的にはLモノクロームDの方が良くね?って思ったのはさておき、Lモノよりも黒が深く、はっきりとしたトーンで印象的です。高感度を出さざるを得ない夜間や室内のスナップでは、ライカモノクロームを相棒にして乗りこなせるのは間違いなくこのカメラの強みですね。
S5IIユーザーのみなさんも、この機能欲しいと思うな〜。

スナップにおけるG9II

マイクロフォーサーズのカメラといえば持ち運びの良さ。
G9IIと25-50mmは大きいレンズ群ですが、それでもいつもの私のS1よりはずっと軽い機材です。スナップも捗りましたので、色々ご覧ください。(時系列バラバラ)

日が昇ってすぐの難しい時間帯

こういう時間帯、カメラによっては全然色が出てこなかったりしますが、ちょうど良いトーンだと思います。ただ、光が弱い時間帯は薄口の傾向は見られます。

そんなときはライカモノクロームを使ってやればいい、というのはマジで強い。いや、そうやって使うものではないけど。

日が昇ってきてからは、性格が良く出てくるように感じます。

言い忘れてましたが、カラーは「シネライクV2」のみ使用に統一いたしました。写真は大きく色を変えたりはせず、撮って出しに近い状態にしています。

どうでしょうか、LUMIXらしいきれいなトーンだと思います。
強い光を浴びていないときはあっさりとしたトーンになり、強い光を浴びているときはリッチに表現する。影と光の強いコントラストの中でも潰れたりせず、粘り強い描写。
S1よりは、S5IIに似たセンサーの傾向でしょうか?赤っぽいトーンが強く発色されるように感じます。
センサーが小さいというデメリットは特に感じられません。これを見てマイクロフォーサーズはね〜なんて私には言えない。

Xにも作例を載せているので、あわせてご覧くださいね。

いいところ

・このスペックの機材でも軽量で、カメラを振り回すのが億劫じゃないこと。
・被写界深度が深いので、シビアなピント合わせもなくてスナップのテンポが良い。新しいAFももちろん快適。
・何もしてなくても「LUMIX」の色

いまいちなところ

・特定の時間や条件でのみ、色や質感が出にくいことがあってそこが気になりました。とはいえ、再現や条件が判断ができないので、半分言いがかりだと思って下さい。
・写りすぎるんじゃない?っていうこともありました。被写界深度が深いので、色んなものをキチンと写せる。でもあまりにくっきりと写るので、疲れるような、そういう絵の力強さがあります。これもメリットなんですけどね。
・夜間のスナップではコントラストAFになるため、ピントが合いづらいことがあります。

スナップにおけるG9IIはほぼ満点でしたね。マジで軽さって正義なんだなって始めて思いました。撮る量がS1と比べて明らかに増えてます。
心の赴くままにカメラを構えて、サクサク撮っていく。軽いシャッター音も相まって、とってもスナップで気持ちのいいカメラです。

返却後にS1が重すぎてなかなか持つ気になれなかったのはマジの話です。

電車やバスの撮影におけるG9II

わたしはカメラを始めた理由が鉄道写真である鉄ちゃんなので、鉄道写真への使い易さも大変重視しています。同様に路線バスを撮ることもありますので、それらの撮影にも使ってみました。

S1ではAF-Cなんか使えたモノではありませんが、G9IIでは期待を込めてAF-Cを使ってみよう

バスを撮る。

まずは夜のバス撮影から。
G9IIの高感度耐性は悪くありませんが、かといっても大きく歓迎できるレベルでもないので、ISOは3200で撮ってみることにします。AFはフルエリアで、自動車認識にワンチャンをかけてONにしていました。

ISO3200、背景ノイズは目立つが使用を躊躇するレベルではまったくない。
ちゃんとピントが合います。ノイズ処理済み。

ローライトでは像面位相差AFが使えず、従来通りのコントラストAFになってしまうなかなか致命的な欠点があるようですが、そこまで暗い場所ではないのでAFには特に問題なし。こちらに向かってくるバスにもスッとピントが合います。
ただし、ズームを引っ張りながら(広角にしながら)AFを追い続けることは従来機に引き続き出来ませんでした。どこにもピントが合わなくなります。これはコントラストになっちゃってたかなとも思いますけど。

これはもちろんG9IIの性能もあるんでしょうけど、F1.7のレンズを開放で使っても被写界深度が浅くなりすぎないというマイクロフォーサーズシステムの大きなメリットを実感する形となりました。
マジでこれはメリットで、明るさをあげながら、ピント面を確保できるっていうのは鉄道やバスの撮影にはめちゃくちゃ重要な要素だと思うんですよね。

ISO3200で撮影して、ノイズ処理をかけたもの。

どうしても高感度はノイズ処理をかけてあげる方が安心ですね。といってもS1でもISO3200になれば最終的にはかけた方が綺麗なので、使い勝手は一緒かな。

あ、アス比だけは3:2にしました。というのも4:3のままだと、上と下にスペースが空きすぎてしまうので、余計な余白は減らそうと思って。あとは3:2の画角に慣れているので、見える範囲を揃えておきたいということもあります。

バスはもちろん認識モードはないのですが、自動車認識が追従してくれる場合があります。といっても、顔よりホイールにピントを合わせるので使い物になるかは微妙ですが…w

日中なんかもう余裕に撮れます。日陰でも。


電車を撮る。

電車は明るい時間に撮るチャンスがありました。
LUMIXを使っている人ならこの撮影地と、この電車は見覚えがあるかもしれません笑

AFは一部を除き、フルエリアで。

よく晴れてくれたので、赤城山もよく見えます。

結論からいえば日中のAF-C、余裕で使えます。
カメラを振っても問題なく追従してくれました。色も、トーンも、描写性ももちろん何の問題もなし。

こういったAFにとって難しい構図にはコツが必要。

電車の認識はないので、こういう込み入った構図の場合はフルエリアを諦めて、ゾーンに絞れば問題ありません。
本当にAFを使うのはこのカメラで簡単になっています

描写の良さには本当に驚かされます。
逆光でステンレスの車体を綺麗に撮るのは結構難しいものなんですが、被写体も前後の景色もすべて綺麗に写っています。

逆光もOK
反逆光も問題なし。

本当にびっくりさせられました。

ローカル線の電車はプリ連写を使うほどではないので、メカシャッターですが、連写は十分ですし、プリ連写を使えば新幹線も撮れちゃうんだろうなぁ…いやぁ、これ本当にLUMIX?マイクロフォーサーズ?

いいところ

・当たり前だけどAFは明らかに良い。日中はほぼ困らずに撮影できる。簡単。S1には戻りたくないってくらい。
・被写界深度が深いので、絞りを開いた状態でもピントを正確に合わせやすいほかボケすぎないので記録写真にも最適。

いまいちなところ

・コントラストAFに戻ることがあるので、そうなるといかにもLUMIXの挙動。
・ズームリングを引っ張ったままのAFにはいまいち向かない。
・せっかく鉄道や飛行機の写真に使いやすそうなカメラなのに、それらの認識が無いのはあまりに残念。今後のアップデートに期待。

いやーG9II、めちゃくちゃ便利だよ。
S1のAFもクセを理解すれば、そこまで難儀するものではないけど、G9IIは便利な現代的なAFになり始めた感じがしますね。もちろん、まだSONYに追従するかと言われたら、そんなことはないでしょうけど、ただ間違いなく楽になっています。明らかに楽です。

動物園撮影におけるG9II

最近は奥さんの大好きな動物園や水族館での撮影が一年の中でもウェイトを占めておりますので、今回は動物園に行って使い勝手を検証してきましたので、その写真もお見せしますね。
ロケ地は那須どうぶつ王国(遠かった)です。

動物園では望遠域にもメリットをたくさん感じましたね!

換算800mmの世界。

めちゃくちゃズームできるよ!
100-400mmのコンパクトなレンズが、200-800mmになっちゃうんだから。こればっかりはフルサイズでは簡単に辿り着けない領域です。

超望遠域でも描写も別に全然悪くないでしょう?
これは個人的には嬉しい誤算。正直、フルサイズでもズームの600mmとかは結構写りが微妙なんで諦めていましたが、特に問題ありません。

25-50mmも大活躍

動物はちょこまかちょこまか動き回るやつが多いので、AF性能が欲しいことが多々ありますけど、G9IIはいいねぇ〜
スッと合います。何度でも言うけど、打率の高いこと高いこと。さすがにOLYMPUSのレンズよりは純正の方がキビキビしてましたけど。

正直S1じゃ撮れなかっただろうな、というのがこちらのリスさん。
なんせちっちゃいのと、すばしっこいので、なかなか難儀する相手です。

G9IIユーザーの方がいらっしゃいました。ノイズ処理済み。

G9IIもさすがに追いつかないことが明らかに増えました、正直。
でもね、S1だったら数枚しか撮れなかったかもしれないカットが、多すぎて困るくらいには残っているのです。すげぇよ。

ノイズ処理済み。
MFTシステムは寄れるのもメリット。ノイズ処理済み。

800mmでも激寄れるのでドアップも楽しめますマイクロフォーサーズは寄れるのが良いよね!

これ換算800mm、めちゃくちゃ遠くの壁。

リスみたいな小さい動物が遠くにいたら普通のカメラだったら正直諦めちゃうけど、800mmまで使えるから欠かさず撮りますよ笑

あ、リス舎はSSを稼ぐためにISO値を上げましたので多くはノイズ処理をかけています。とはいえISO3200くらいでは「かけないとどうしようもない」レベルではないと思います。

ISO3200。ノイズ処理なし・撮って出し。

暗いズームレンズで速い被写体を追うのは結構大変です。でも処理をしてあげれば、描写に深刻な影響がありません。
それよりピントを追い込んであげられるほうがよっぽど大切だと思うんですよね。ブレブレやピンボケの写真はどうしても直せませんから笑

一番印象的だったのは、ちょこまか動き回るスナネコ様を追従して、ピントを合わせてくれたこと。

歩いてきている動物にピントが合うなんてね。
ISO1250、ほんの少しノイジーだけどこのくらいなら処理は不要です。

開放のF1.7で撮影していますが、目にも鼻にもピントが回っているのが本当にマイクロフォーサーズの利点ですね!フルサイズだと目にだけピントがあったり、それならまだよくて、鼻にしかピントが行かなくてがっかりすることが結構あるからね。最高ですよ。

いいところ

・AF性能が良いので、AF-Cで簡単に動物を追えること。
・超望遠域を簡単に繰り出せるので、遠くの被写体を諦めなくて良いこと。望遠レンズも画角にしては大きくなりすぎないので、園内でも取り回しが良いこと。
・近接撮影にも強いので、動物に近づけるエリアでも撮影しやすいこと。
・被写界深度が深いので、絞りを開いても動物の顔に綺麗にピントが回ること。

いまいちなところ

・暗いズームレンズでは、高感度をたくさん使うので現像時の負担が大きいこと。
・屋内では解像感が若干低下するように感じることがあること。

もうね〜G9II最高だよ。
動物園フォトが捗る捗る…なんなら撮れすぎますからね、帰った後大変ですよ。あとメディアもいつもより大きいサイズにしとかないと後悔しますからね。

そのほか、G9IIがおすすめのシチュエーション

生体撮影におけるG9II

水槽に魚を飼っている方には超おすすめしたいと思います。
まず、マイクロフォーサーズのカメラは寄れます。特別なレンズを買う必要はありません(等倍にしたいとかはもちろん別ね)。
寄れる上に、ピント合わせも比較的得意なカメラです。きちんと瞳にピントを持っていってくれることが多いので、水槽内を好き勝手泳ぎ回る我が子もちゃーんと撮れますよ。

水槽がちょっと汚れ始めてて恥ずかしい。
水槽が汚れてて恥ずかしい、というかエサが溶け始めているのがひっかかっていてみっともない。

持ち物の撮影におけるG9II

持ち物の撮影にもマイクロフォーサーズが使いやすい、っていう話をしたいと思います。
持ち物の撮影とは要は商品撮影なんですが、ここでしたいのはガチガチの商品撮影のことではなくて、自分のカメラを写したり、メルカリとかでものを販売する際に屋内でカメラを使う際にはめちゃくちゃ良いですよね、っていう話なんです。

これらは開放(F1.7)での撮影です。絞らなくてもこれだけ写せます
で、寄れてます
うちは狭いので、カメラを撮ったり、商品の撮影をしたりするときにフルサイズのカメラだと難儀するんですよね。マイクロフォーサーズならハーフマクロのレンズを用意する必要はありません、常に寄れます。めちゃくちゃ強いですよ。
手芸や小物の販売や、古物商なんかの人はぜひマイクロフォーサーズのカメラを使ってみてくださいよ。

総括

G9IIの好きで好きでたまらないポイント

・ちょうど良いサイズなのに、軽量であること。小さすぎなくて良い。
・良好なAF。(期待しすぎもダメだけど)確率が段違い。
・起動時間が速い。
・とにかく寄れる。
・日中の画質は現行フルサイズ機と肩を並べる素晴らしい写り。
・ファンクションボタンが2つあること。
・リアルタイムLUTで遊び方無限大。
・連写も出来るし、AFも確率高いので、撮影できる枚数は倍増する。つまり撮影が楽しい。

G9IIの懸念してたけど、気にならなかったポイント

・肩液晶はなくても大丈夫。
・前側のダイヤルがレリーズボタンと同居しているのは使いづらそうと思ったが、そこまで気にならなかった。
・ボタン位置なども気になることがまったくないことはないが、結局は慣れだと思う。
・高感度性能は最悪ではない。全然実用できるし、補正を使えば何も問題ない。
・階調は十分に豊かだった。
・SSWF非搭載だが、ブロワーを持ち歩かなくても、センサーダストが気になることはなかった。今後懸念点になりうるかもしれない。

G9IIのちょっと気になるポイント

・決して「最強のAF」ではない。
・被写体認識の数。鉄道や飛行機はマストで増やして欲しい。
・ファンクションボタンに凹凸がないこと。
・バリアングルモニターより、チルトモニターの方がスチル機としては望ましい気がします。
・高感度は想像よりずっと使いやすいものの、融通は効きづらい。常用最大は3200から6400。ノイズ処理はほぼ必須。
・ローライト時のAFは本当に残念。
・動画機としてのポテンシャルを残したのは評価されるべきだろうが、スチルフラグシップ機としては外観も含めて、中途半端に感じないと言えば嘘になる。

少し気になる点も列挙しましたが、これらはこれからのアップデート等で改善される余地のあることがたくさんありますので、超期待してますからね!

さいごに

このカメラを買うことを迷っている人がいるなら、とっとと買うことをお勧めします。

安くて、軽くて、小さいマイクロフォーサーズ像とは違うカメラですが、人に舐められるカメラでは絶対にありません
マイクロフォーサーズが気に入れば、長い間相棒に出来る余地のあるカメラですし、今後のマイクロフォーサーズカメラに確かな未来を感じられる機体です。

正直、マイクロフォーサーズを誤解していたことがありました。
マイクロフォーサーズは「ライト層だけ」のものでもありません。しっかりとお金をかけることで、最高の写りを求めることも可能です。このカメラは最高の写りのお手伝いをしてくれることでしょう。

G9IIが今LUMIXの最新ラインナップに並んでいるカメラの中で一番良いカメラなのは間違いありません。
私もすぐには導入できませんが、いずれ欲しい機体です。

1万字以上のだらだら作文にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。


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