彼とわたしのー17ー

私は伝えただろうか。
「愛している」と言葉にしただろうか。

私は嘘偽りなく、子供の頃の気持ちになって
「大好きだよ」と、「愛してるよ」と
心軽やかに謳うように、伝える事が出来ただろうか。

責めて責めて 渦巻く問いに、
何を見ても泣き暮らし、何処にいても涙が流れ、
何を聞いても、言われても、彼を感じる事ばかり。

ほとほと涙も枯れ果てて、日々自分を誤魔化して、
毎日目覚めて、今日も息してる自分を何とか大丈夫に見せかけながら、
1年が過ぎ2年が過ぎた頃、もう一度彼と私がこの土地で、
夢見ていた美しい世界を最後まで諦めず、実現する事は出来ないものかと
思い始めたのでした。

もっと美しい世界を、人生を、生きる事は出来ないのかと。
彼は形を変え、姿を変え、でも一緒に共に生きているのではないかと思うのです。

それで私は草を刈り、土を耕し始めたのでした。

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