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岡田徹/海とすれすれの空~隠れ名曲、名演コレクション。

 隠れ名曲、名演コレクションで最近取り上げたのはNav Katze~チロリン~野田幹子さん~プリンセス・プリンセスと岡田徹さんプロデュース作品が続いたので、ここら辺で岡田さんのソロ・アルバムから選んでみますか。

 1980年代半ばから岡田さんがプロデュースしたアーティストは先ほど挙げた以外にもPSY・Sやパール兄弟にプラチナKitがいますね。
岡田さんは1988年にファースト・ソロ・アルバム『架空映画音楽集』を発表していて、この曲が入った『海辺の名人』(1991年6月21日発売)はセカンド・ソロ・アルバムとなります。

『海辺の名人』のフライヤー。LIFE GOES ONのライヴ出演予定や収録曲「カルヴァドスの瓶の中のリンゴ」がCMに使われていることなどを告知。

 これはタイトルやジャケットで夏のアルバムといった印象がありますね。

・岡田徹「海とすれすれの空」
from album 『海辺の名人 FINE FISHERMAN ON THE FINE BEACH』(SRCL-1947/ソニーミュージック)

 このアルバムのプロデュースは岡田さんと黒田日出良さん、コ・プロデュースは渚十吾さん。エンジニアはオノ・セイゲンさんでした。
 印象的なギターは岡田さんがソロ・アルバムをプロデュースした徳武“Dr.K”弘文さんです。

 実はこの曲、「(ムーン)ライダーズ用に作ってて、自分のに使った唯一の曲です(後略)」と発売当時の雑誌「POP IND'S vol.7」での岡田さんのインタビューにあります。
多分、これは(1991年発売の)『最後の晩餐』用に作った曲で、『海辺の名人』に入ったのはこの曲だけだったという意味でしょうね。

・「POP IND'S vol.7」(スイッチコーポレーション)
岡田徹インタビュー掲載。

 実はこの曲、岡田さんがプロデュースした「イカすバンド天国」出身のLANPAというグループが取り上げています。
テレビ朝日「いいな世界WA!」のエンディング・テーマですから、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

 とりあえず聴いてみると、岡田さんのヴァージョンをそのままバック・トラックに使っているような感じですね。ヴォーカルが入ってますから、リミックスされてはいますが。
ちなみに作詞は及川眠子さん。
LANPAのヴォーカルは八千代(平松八千代)さんです。

 平松八千代さんはそのあと佐橋佳幸さん、小倉博和さんとSOYを結成し、CDを数枚発売していますね。

 1991年には4月にムーンライダーズ『最後の晩餐』、岡田さんの『海辺の名人』と7月に鈴木博文さん『からす』が発売されていますから、ムーンライダーズ復活が強く印象づけられたのでした。
そして、『最後の晩餐』に岡田さんが書いた曲は「涙は悲しさだけで、出来ているんじゃない」と「Who's gonna cry?」という名曲ですね。
これはムーンライダーズ全体に言えますけど、各々がプロデューサーとして活躍していた時期だからこそ、バンドとしてもソロとしても出す作品に求められることが大きくなるということですから、久しぶりの作品に対するプレッシャーは大きかったはずですよ。
そんな中で発売された作品が会心の出来だったからこそ、現在まで休止を挟みつつもムーンライダーズの活動が続いているように思うのです。

 岡田さんのプロデュース仕事についてはもう少し検証していきたいと考えております。
他のメンバーがプロデュースした仕事にもアレンジャーやプレイヤーとして岡田さんの参加率が高いこともありますし。

 明日も「隠れ名曲、名演コレクション」を取り上げる予定ですか、例によって細かい部分は決まっていません。
色々とCDを聴いたり、動画をチェックして決めることにします。お楽しみに。

 ではまたー。 


 

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