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OPUS ALL TIME BEST 1975-2012/山下達郎~大好きなベスト・アルバム・コレクション。

 今日、2月4日は山下達郎さんの誕生日ということで、各種SNSで「お誕生日おめでとう」メッセージが多くアップされていますね。

 本当ならまた名曲、名演コレクションをアップしようと考えてましたが、資料が割と揃っている山下達郎さんのベスト・アルバム『OPUS』について書いてみようかなと、つい思ってしまった私です。

 このアルバムが発売されたのは2012年9月26日とありますから、今から10年近く前の話なんですねー。

・新星堂「DROPS Special Issue」

 まずは新星堂さんが発売時期に配布した「DROPS Special Issue」ですが、「DROPS」とはそれまで新星堂さんが配布していた「PAUSE」が発展したフリーマガジンでして、版型を大きくしたのと、取り上げるジャンルを増やしたというのが違いですね。
「PAUSE」でアルバム『COZY』を取り上げた際のインタビュアーや仕上がりを山下さんが評価して、アルバム『Sonorite』でもリーフレットを作ったという記憶があります。
で、このリーフレットですが、楽曲解説以上に、この時期にベスト・アルバムを出す意義だったり、苦労話などかなり濃い話が多いですね。

特に印象に残るのは「パッケージが終わる前にちゃんとバックオーダーの取れるカタログをベストアルバムとして作っておきたかったということで(以下略)」という言葉です。
結局はパッケージ文化はなんだかんだといっても、現在まだ継続中なわけです。
ただ、かつてのように短期間で数百万枚売れることはなくなり、各種の配信サービスが音楽を聴く方法として成立したわけですよね。
つまり作品としてフィジカルな形で発表する意味が変わってしまったことを強調しておきます。

・ぴあMOOK「ぴあ Special Issue 山下達郎“超”大特集!」(ぴあ)

 続いては、ぴあMOOKのSpecial Issueとして発売された山下達郎さんの大特集!です。
基本的には山下さんの記事中心なんですが、竹内まりやさんのインタビューやリアルタイムの映画、音楽、演劇を紹介していたり、とぴあのフォーマットをしっかり残しています。
これは山下さんがかつて「本は出さない!」と主張していたことを忘れていないという証明ですね(と推測します)。

 ツアー・スケジュールやロング・インタビュー、100問100答など独自の記事がかなり興味深くなっています。
特にツアー・スケジュールはチケット販売をしている「ぴあ」だからこそ、必然性があるということなのでしょう。

 10年経って思うのは、もし山下達郎さんがベスト・アルバムを今発売したとすると、この時期のように独自のリーフレットを作ったり、関連ムックを作れるのか?ということですね。
独自のリーフレットはCDショップ主導で作るのは多分難しいと思います。まずショップにはその予算を供出する体力がないですね。
関連ムックは定価を上げて、より豪華な形であればビジネスになるように思えますが。
この時期のようなライトユーザーにも気軽に読んでもらえるようなのは厳しいかと。

 ・山下達郎『OPUS ALL TIME BEST 1975-2012』(WPCL11201~4/ワーナーミュージック)
初回盤4枚組仕様。

 毎回、山下達郎さんがアルバムを出す度、できる限りベストに近い形で発売しようとする姿勢に感動してしまいます。
他社音源をライセンス・フィーを払って収録したり、通して聴いても違和感のないようなリマスタリング、ジャケットのアート・ワークなど、毎回決定版を作ろうとするのは、他のアーティスト達に多大な影響を与えていますよね。
勿論、制約の中でいいものを作ろうとする方々には感謝したり、感動したりするのですが、これは安易に作ってしまってるなーというベスト・アルバムもあるんですよ、未だに。
もしかしたら私は山下達郎さんの音楽よりもこうしたビジネスに対する姿勢が好きなのかもしれませんね。真面目な話。

 ベスト盤好きなもんで、予算や手間が重要なのはわかりますが、ちょっとした工夫でその後につながることもあるんだよ!と強調しておきます。
気が向いた時、また好きなベスト盤紹介とか、やってみたいですね。

 ではまたー。

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