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読書日記~サエキけんぞう「ヌードなオニオン」編。

 サエキけんぞうさん「さよなら!セブンティーズ」を最近読んだ時、相変わらず好きな文章だなと思った私です。
サエキさんの歌詞もなんですが、文章も大好きなんですよね。

 サエキさん、いや当時の表記は本名の佐伯健三さんの文章を好きだなと初めて思った記事がこの本に収録されているから、この本が部屋の中で見つからないと気づいた段階で買うようにしているんです。真面目な話。

・サエキけんぞう「ヌードなオニオン」(河出書房新社)

 その記事は「ミュージック・マガジン」に掲載された「ロックは『祭』を呑めるか?」なのです。
喜納昌吉さん、近田春夫さん(正確には近田春夫&ビブラトーンズ)、ムーンライダーズについて書かれていて、締めには大滝詠一さんの名前が出てくるんですよね。

 勿論、リアルタイムで購入して、ハルメンズの佐伯健三さんが書いたとわかっていたんですが、ハルメンズの音楽をまだ聴いていなかった時期でしたね。
ちなみにこの雑誌が発売されたのは1982年の12月20日前後ですから、鈴木慶一さんプロデュース作品だと杏里さん『哀しみの孔雀』、野宮真貴さん『ピンクの心』、シネマ『MOTION PICTURE』、藤真利子『狂騒曲』は持ってました。
なぜハッキリ言えるかといいますと、鈴木慶一さんが連載で対談をしていた「バラエティ」(角川書店)を毎月買ってまして、その対談に登場しているミュージシャンのアルバムを重点的に買っていたからなのです。
ちなみにハルメンズは登場しなかったし、音楽誌(?)の評価も高くはなかったので、お金がある時にするつもりでいたら、注文時の段階で既に廃盤となっていました。
ちなみに1982年の夏の時点で既に廃盤になっていたのは、近田春夫さん『星くず兄弟の伝統』、近田春夫&ハルヲフォン『ハルヲフォンレコード』、ハルメンズ『ハルメンズの近代体操』、ハルメンズ『ハルメンズの20世紀』にフィルムス『ミスプリント』辺りは廃盤だった記憶があります(メーカーの在庫切れはしつこく注文すれば入荷することも)。
この時期、ムーンライダーズのクラウン時代のアルバムはしつこく注文するか、石丸電気や町のレコード店を回ると(返品忘れなどを)なんとか見つけることができたのです。
さすがにその辺のミュージシャンシングルは入荷しなかったし、見かけることもなかったのでしたが。

 なので、佐伯健三さんがどんな歌詞や文章を書くか把握できたのは、「ミュージック・マガジン」の記事でした。
「ミュージック・ステディ」でムーンライダーズ周辺や近田春夫さん関連のジャケットや規格番号を知って、レコード店に注文したり、中古屋さんを回るようになった私です。

 1983年になると、戸川純さんがブレイクして、(ゲスト参加した)ハルメンズのレコードにプレミアが付くようになったのでした。
元々プレスだったり、売れた枚数が少なかったとも思いますが。。

・「ミュージック・ステディ 1984年7月号」(ステディ出版)

 ハルメンズのベスト・アルバム『ハルメンズ・デラックス』が発売されるということで、ステディの名物コーナー「日本音楽全史」でハルメンズが取り上げられました。
もうこの時期には新譜としてしつこく注文しても入荷しないとわかってましたね。
佐伯さんがインタビュー(インタビュアーはステディ編集部の菅岳彦さん)を受けていて、あまりに濃い内容でビックリしました。

 同時期に販売されていた雑誌「サウンドール」は戸川純さんを頻繁に取り上げていたので、その流れの中でハルメンズの名前が出てきました。
YMOやムーンライダーズ周辺をよく取り上げていた雑誌「TECHII」の創刊はもう少し後でしたね。
この「ヌードなオニオン」はサエキけんぞうさんが「TECHII」の連載「パールなアイデア」の記事が再録されているというのも深いです。

 サエキさんがゲスト出演したムーンライダーズのライヴ、1986年12月15日の写真が展開された1987年3月号の「ライダーズはクラゲのラ」がやはり一番印象に残ってます。

 もうこの時期にはパール兄弟はメジャーしていますし、ムーンライダーズ以外にも戸川純さんや松尾清憲さんなどサエキさんの歌詞を発表していますね。
サエキさんの歌詞やヴォーカリストとしての力量がわかった上で文章を読んでいましたから、かなり内容に納得したものでした。

 その上、サエキさんははっぴいえんどや大滝詠一さんが知る人ぞ知る存在だった時期から追いかけていたことを徐々にわかっていくわけです。
えーと、「はっぴいえんどの原像」を読んで更にサエキさんの文章を読みたいと思った方におすすめです。

 ちなみにサエキさんの歴史を辿るのなら、こちらの本をおすすめします。 

 サエキさんの本についてはまだまだ面白いものがあるので、また紹介したいと考えております。お楽しみに。

 ではまたー。



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