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獲物の分け前~ムーンライダーズ『1979.7.7 at KUBOKODO』編。


 このアルバム、アパート時代の最寄り駅近くの某大手レンタル店になぜか置いてあったので、時々借りていましたね。
何度かネット通販で売られていても、なかなか手が伸びなかったのは内容を完全に把握していたからでした。。
でも、今回は定価の半分以下という感じだったので、ある夕方になんとなくポチっていた私です。

・ムーンライダーズ『1979.7.7 at KUBOKODO』(XPCA-1005/1006/MOON RIDERS RecordS)

 ムーンライダーズのアルバム『NOUVELLES VAGUES』の発売記念ライヴだと思うんだけど、アルバムは前の年の年末に出ていますね。
つまり、アルバム『MODERN MUSIC』の録音に入っていた時期だったこともあってか、『NOUVELLES VAGUES』で垣間見えたニュー・ウェイヴやパンク的要素がレコードより前面に出ているということが重要なんですよ。
『NOUVELLES VAGUES』収録曲のみならず、以前のアルバムからの楽曲にも、その空気が反映されているわけなんです。

 このアルバムを初めて聴いた頃はそれが嫌だったんですけど、今聴くと満足ではありませんが納得はできるようになりましたね。
それと大野方栄さんと佐藤奈々子さんのお二方がゲスト出演しているというのも素晴らしいです。
特に佐藤さんの出演という意味では最近発売されたライヴ・アルバムと比較するのも楽しいはずです(若干の時期の違いはありますが)。

 実は1978年12月15日には新宿ロフトにて『NOUVELLES VAGUES』発売記念ライヴが催されていて、その日のセットリストを見ると、鈴木慶一さんプロデュースのアルバム『Science Fiction』からの楽曲やプログレ色が強い曲が演奏されてますね。
つまり『NOUVELLES VAGUES』までのプログレをベースにしたスタイルから解放された時期のライヴがこの久保講堂だったと考えてしまうわけなのです。

・月面探査委員会:編「20世紀のムーンライダーズ」(音楽之友社)
ムーンライダーズの1998年までの主要ライヴのセットリストを掲載。

 「20世紀のムーンライダーズ」によりますと、1979年9月29日には新宿ロフトで、ムーンライダーズはライヴをやってまして、『MODERN MUSIC』から「ビデオ・ボーイ」、「モダーン・ラヴァーズ」に「グルーピーに気をつけろ」の3曲を演奏しているのは非常に興味深いところです。

 ムーンライダーズがアルバムの発売記念ライヴを『NOUVELLES VAGUES』と『MODERN MUSIC』の2枚続けて、年を越して開催したからゆえにわかりにくくなってしまったかもしれないですね。。 

 アルバムごとにコンセプトが違って、その意識の変化がバンドの活動に追いついていけなかった?とようやく考えられようになったというわけです。
当時のテレビ・セッションやライヴ・テープを聴くことによって、ムーンライダーズをより深く理解できるのかもしれません。
現実ではなかなか聴くことができないものもありますから、限られた資料の中で活動を補完していく行為が必要ですね。それはまたイバラの道かもしれませんが。。

 このCDはそんなことを考えずに聴くだけで楽しむことができる作品になっています。
それは自信を持って言えますね。
明日も今週中に届いた作品について書いてみたいと考えています。お楽しみに。
(この部分は12/18に追記しました)個人的にはいつか機会があったら、架空楽団の黒瀬先生やFPM中嶋さんに、プログレ期のムーンライダーズについての話を聞いてみたいところです。

 ではまたー。

 

 

 

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