見出し画像

夫がしてくれた4つめのこと【出産の夜】

「いい夫婦の日」まで、夫がしてくれたいろんなことを振り返ってみる企画。4本目です。

妊娠中や産後は、ホルモンの関係で情緒が不安定になるといわれています。だからこそ、イヤなことをされるとより深く傷ついて、記憶に残りやすいのかな……。私はたまたまあんまり不安定にならないで済んだのですが、産後にしてもらってうれしかったことはいくつか覚えています。

■深夜の発酵ビスコとマウントレーニア

長男を産んだのは、とある大学病院。当たり前ですが、いわゆるホテルのような個室やおいしい食事とは無縁でした。

陣痛ふくめ9~17時の8時間で産みきったため(まるで定時労働)、出産直後からわりと元気。生まれたばかりの長男に気持ち程度の初乳をあげたあと、分娩台で休みながら、病院のお夕飯をいただきました。

付き添ってくれた夫や駆けつけた親族が20時に帰宅したら、病室には私と、静かに眠る赤ちゃんだけ。全然泣かないし、いまこそ寝ておくべきだと思うのに、なかなか眠れない……。もともと不眠ぎみだし、大仕事をしてアドレナリンが出ていたのでしょう。

ベッドでずーっと夫とメッセージをやりとりしているうちに、だんだん、めちゃくちゃお腹がすいてきました。だって、普段は夕飯食べたあとにも、ちょこちょこお菓子とかつまんだりしてるもんね! あんな優しい味の煮物とごはんとお味噌汁を夕方いただいただけで、足りるわけがありません。

でも、深夜に病院の売店なんてやっていないし、持ってきた荷物のなかにも食べるものはなくて、ひもじいまま一夜を明かしました。

で、翌日。夫が「なにかほしいものある?」と聞いてくれたので「つまめるお菓子とマウントレーニア」とリクエスト。夫が買ってきてくれたのが、発酵バターのビスコでした。あのおいしいやつです。

病院食の量がまったく足りなくても、その日は余裕。だってお夜食にビスコとマウントレーニアがあるからね! ところが、先輩ママや助産師さんから「母乳が出にくくなったり詰まったりするから、しばらく甘いものや乳製品はやめたほうがいいよ」とのアドバイスが……。

手にしているのは、まさに甘いものと乳製品です。確かに、まだ母乳はほとんど出ていません。でも、ネットで調べてみると「バランスのいい食生活を心がけることが大事。とくべつNGな食べ物はない。母乳が詰まるのは体質の問題」という説もある。

ちょっと悩んだけれど、我慢してストレスかかるほうがいやだ! と思い、そこからはまったく迷わず、一気に食べました。それも毎日のように。おいしかった。ラッキーなことに、そのあと母乳も問題なく出るようになり、一度も詰まりませんでした。

いま振り返ると、授乳の当事者である私の判断に、夫が「そう言われたなら、甘いものやめといたら?」などと軽々しく口を挟まないでいてくれたことが、ありがたいなと思います。何も言わずにわたしの欲求に寄り添って、毎日ビスコとマウントレーニアを届けてくれました。

■毎日お見舞いに来てくれた

そもそも、夫は毎日2回もお見舞いに来てくれていました。彼の職場と病院が近かったうえ、面会時間が長くて一日じゅう自由に出入りできたのも大きかったけれど、だいたい出退勤の前後に顔を出してくれて。お昼どきに、自分のランチを持参して来たこともあった気がしますね。別になにをしてもらうわけでもないのですが、夫とどうでもいいおしゃべりをしながら赤子を眺めるのが、なんとなくうれしかったです。

3年半後に次男を産んだのは、ホテルのような個室と豪華な食事がウリの個人産院。おいしいごはんとおやつがたっぷり出て、お腹も満たされ、ほとんど間食は要りませんでした。

わたしが入院しているあいだ、長男はふつうに保育園で夫はふつうに仕事。夜は、夫が基本ひとりで長男を見ていました。
今回の病院は微妙にアクセスが良くなかったけど、夫はなんだかんだ長男を連れて、毎日お見舞いに来てくれたような……? いや、今回はさすがに土日しか来てないんだっけ? 記憶が定かではありません。

でも、なんとなく「いや、夫のことだから毎日来てくれてるんじゃないの?」「よっぽど事情がないかぎり、長男がいても夫なら来かねない」と思えるような信頼があるのは、悪いことではないなと思います。

「いつもやってくれる」というイメージが、やってないことも、やってくれたように見せる。
それを逆手に取り、お互いに普段からできるだけのことをやって「自分のベース」を上げておくと、ベースに沿って記憶がほどよく補正されていくのかもしれません。

▼出産記録はこちらから。上が長男、下が次男です。

▼この企画の初回

▼2回目

▼3回目



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?