【営業がよく言われる困った言葉シリーズ】「御社サービスについて、他社との違いを教えてくれますか?」

まず初めに、私の簡単な自己紹介ですが、とある業界(無形商材)で15年弱営業職として働いてきました。ひょんなことからお客様先に出向している時に、「たくさんの企業からプレゼンを受けて、それを議事録に残す」というお仕事を担当することがありまして。「プレゼンする側」だった私が、「プレゼンを評価する側」に回ったのですが、これが私の中では結構なブレイクスルーになりました。

その時に感じたことは(ちなみに、それはそれは有名な会社からベンチャー企業まで数十件のプレゼンを受けました)、これプレゼンの受け手側はあるある過ぎて何をいまさらって感じだと思うのですが、

「(あなたが言いたいことではなくて、)こちらが聞きたいことを喋ってくれよ!」

というシンプルな想いでした。あと、もう1つは

「競合がどのように話しているかをほとんど想像していない(同じようなことばかり話している)」

ということです。

・・・ということで、お客様が聞きたいことを話すためのTIPSとして、私の経験談をお話したいと思います。ただ、抽象的過ぎてもアレなので、【営業がよく言われる言葉シリーズ】ということで、具体的なシーンを想定して書いていきたいと思います。

シーン1. 「御社サービスについて、他社との違いを教えてくれますか?」

営業やっていて、聞いたことない人いないくらい遭遇率高いと思います。みなさんも言われたことありますよね?どう答えるべきだと思いますか?私は、「お客様によって、こちらが提示するメッセージを変えるべき」だと思っています。

じゃあ、「どうやって変えればいいの?」というのが疑問だと思います。なので、その考え方について私なりの考えをご説明したいと思います。

まず、前提として、「お客様のコメントには1つ1つに意味がある」というスタンスに立つことが重要です。つまり、何らかの背景があってそのコメントを発しているわけですから、その背景を探ることが重要なのです。ですので、営業活動は「その言葉の背景はつまり何のか?」ということをどれくらい精緻に想像できるのか、ということで受注の6~7割くらいは決まってくるかと思います。

「御社サービスについて、他社との違いを教えてくれますか?」という質問が来たら脊髄反射するのではなく、その背景を確認する作業に入りましょう。ちなみに、ほとんどの営業がその作業をしていないと思われます。

上記質問の場合、背景は以下のようなパターンに分けられると思います。

①類似サービス・製品を導入しているが、今使っているサービスに何らかの不満や改善点を見出しているという状態

②類似サービス・製品を導入しているが、今使っているサービスに何ら不満はない

③類似サービス・製品を導入していない。但し、導入に興味はある。

④類似サービス・製品を導入していない。かつ、導入に興味もない。

※そもそも「あなたの説明がしっかりと伝わっていない」もしくは「聞き手にその話を理解することができる状態にない」という大前提でもあります


背景の具体的な切り分けの仕方と、各パターンにおける振る舞い方

質問に質問で返していいのか、って突っ込みもあるかと思いますが、「質問にお答えする前にちょっとお尋ねしたいのですが」と前置きをすればそんなに断られることもないでしょう。

まず、①②群(導入済み)なのか、③④群(未導入)なのかを切り分けます。

この切り分けは簡単です。普通に商談していればそれとなくわかるでしょうし、もし分からない場合には、「同様のサービスはこれまでに利用されたことはありますか?」とシンプルに質問するとよいでしょう。

次に①と②(導入した上で不満があるか・ないか)の切り分けに入ります。これは「今、●●をご利用されていると思いますが、(XXの機能がとても使いやすいと聞きますが)、利用されていていかがですか?」などの質問で切り分けます。ちなみに()内部のコメントがリアルであるほど、精緻な回答が期待できます。

話戻りますが、ネガティブなコメントが多くでる場合(つまり①の場合)、「そのネガティブな要素を自社はどのように改善できるのか」というところに万力を込めて説明します。(もし、自社製品にそこでPUSHできる要素がなければ開発側にフィードバックしてください。)

そして、次にポジティブなコメントが返ってきた場合。この場合は、「今後、製品を切り替えるとしたらどんなことが起きた時ですか?」という質問をします。つまり、現段階での受注はあまり見込めません。将来的に案件化する条件のみを確認して、今後の営業フォローで定期的に状況確認をしていきます。もしくは、「今お使いのサービス・製品に今後追加してほしいことって何かありますか?」などの質問をして、製品開発側にフィードバックしてあげましょう。

そして、③の場合(未導入だが、興味はある)ですが、過去に他社説明を聞いたかどうかを確認します。聞いたことがあるのに導入に至っていない場合、「前回説明を聞いて導入に至らなかった理由ってなんですか?」と質問します。そこにお客様の不安や、足りていない情報があるので、その点を自社の特徴として丁寧にフォローアップしていきましょう。ちょっと時間はかかるかもしれませんが、丁寧にやるとそれが恩情となって受注につながるという可能性も低くないのがこのパターンの1つの特徴のような気がします。

最後に、④(未導入で興味もない)という場合ですが、このパターンは営業活動としては時間かけても意味ないです! ですが、それは時間が勿体ないので、私はこのように時間を使っていました。

(1)他にこの製品・サービスに興味を持ってくれそうな人がいないですかね~と雑談してみる。あわよくば、紹介してもらえないですかね、とダメ元でおねだりしてみる。

(2)ひたすら聞きたいことを聞く。自社やお客様の業界・製品について聞く。もしくはお客様の競合他社が知りたいであろう情報を聞く。(それを競合にそのまま話すのは勿論ダメですけどね)

(3)どういう条件だったら、導入すると思いますか?と聞いてみる。今後の営業活動のヒント(自社の製品・サービスってこう思われてるんだ~etc)が見つかるかもしれません。

まとめ:質問の背景を特定する作業をしてから質問に答えよう

いかがでしたでしょうか。おそらく、営業活動って、「何を言うべきか」ってすごい悩むと思うんですよね。ただ、このパターン分けみたいなものの精度が上がって、それぞれの訴求の仕方が見えてくるとめちゃくちゃ快感でもあります。

他にも「こんなことよく言われるんだけど、どう回答すべきか?」というご相談などあれば、是非コメント欄までお願いします。どう回答すべきかはお伝えできないかもしれませんが、「お客様がなぜそれを言っているのかをパターン分けする」という作業はお手伝いできるかもしれません。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございましたー!!自分のこれまでの経験を何らかの形にしていきたいと思っていますので、ピピっときた方は一言でもコメント頂けますとうれしいです。

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