2024ファジアーノ岡山にフォーカス11『 ≫≫ファンタジスタvs虹色の戦術~個vs個の先に~≪≪ 』J2 第4節(A)vs 藤枝MYFC



1、誇りvs誇りの競演~告白~


 岡山と藤枝の対戦の歴史は始まったばかりである。今季で2年目の戦いであり、試合数にして僅か3試合目ではあるが、既にこのカードの中で繰り広げられる戦いに心を奪われている人の中の1人に私はカウントされる。

 スコアこそ0-1という最少スコアでの決着となったが、それこそ両チーム複数得点で勝敗が決した試合と言われても、何も驚くことはない。それだけ攻守において、ノーガードの力と力のぶつかり合いであった。

 今季のJ2を戦う上で、自分達の手札を惜しみなく掲示した上で、お互いの良さを消すことなく、全てを出し切った非常にエキサイティングな試合を振り返っていくが、まさに今季のJ2にお互いの武器(気持ち)を告白して、勝利への想いを一変の曇りなくぶつかった試合で、両チームのサッカースタイル的に相性で相思相愛とも言えるぐらい、ストレートにお互いの良さが出た試合を余すことなく振り返る。

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最下部の方にも「データでフォーカス」のリンクを貼りますので、以下のレビューの方もよろしくお願いします。


2、藤枝の攻撃を受けて立つ岡山~威風堂々~


 岡山は、ここまでのルヴァンカップを含めた4試合では、失点自体はあるものの岡山の守備がこれだけ多くの場面で崩されて、猛攻を受けたのは初めての試合と言える。それだけ藤枝の攻撃が凄かった。

 10榎本 啓吾 選手に代わり、24永田 貫太 選手がスタメンとなったが、ここまで安定した守備を見せていた4阿部 海大 選手の予測を越える急加速による一歩を可能とするテクニックで、完全に抜きさるというシーンを何度も作った。更に右WBで、ここまでの試合で、抜群の存在感を放っていた88柳 貴博 選手が仕掛けるというシーンを24永田 貫太 選手の攻撃で守備対応を迫り大きく制限。1人で、2人の良さを出させない藤枝の左WBの攻撃が光った。

 更にここからレギュラーの10榎本 啓吾 選手に代わると、岡山の守備ブロックを初めて流れで剥がすような猛攻の時間を作ったことで、リーグ戦で、ほぼセーブするシーンがなかった岡山のGK49スベンド・ブローダーセン 選手が目立つ初めての試合となった。

 こうなった理由として、藤枝は、ミラーゲームであったが、お互いの良さを出すために、守備の約束より攻撃で形を作る事に全力を注いだからだ。まさに、どうやれば攻め続けることができるかに特化した戦い方である。

 通常であれば、この藤枝の攻撃的スタイルを逆手に獲ってカウンターで仕留めに行くところだが、組織的に藤枝のスタイルを消すのではなく、お互いに攻め勝った方が、主導権を握るということがシンプルに本質の部分が問われる勝負を両チームは選択した。

 藤枝は、前節の大分との試合で、守備の不味い対応が何度かあったが、この試合では、純粋に1対1で勝てるか。ゴール前のブロックを剥がせるか。スピードで相手を上回れるか。高さで勝てるか。良いクロスを上げられるか。シュートを枠に蹴り切れるか。そういったプレーの本質の部分が問われる試合になったため、迷いなく守備の選択ができていた。

 ノーガードの打ち合いの中で、お互いに主に左サイドから形を作る。岡山は、17末吉 塁 選手、19岩渕 弘人 選手、14田部井 涼 選手、43鈴木 喜丈 選手の高速のパスワークにスピード・テクニック・パワーで、藤枝のゴールに迫った。岡山が、藤枝にゴールを割らせなかった通り、岡山の選手を本当の意味でフリーにするシーンは限られた。

 組織vs組織というよりは、個人vs個人が重視される戦いである以上「行くか行けないか。」「やられるかやるか」の部分の戦いが90分間ずっと続くのが、このカードの特徴である。

 前半こそ、岡山に決定機が多かったが、徐々に岡山のサッカーに慣れた中で、藤枝が攻勢を強める。お互いにノーガードで攻め合う事で、不思議とお互いに良い守備のプレーが多くなることで、組織的にも引き締まったようなゲームに見える。スコアが動いていれば、また違った展開や印象になったかもしれないが、1つ1つのプレーに選手が熱を帯びるように、我々もその1つ1つのプレーに引き込まれた。

 観戦するだけでも落ち着かない攻守の入れ替わりの激しい試合。後半は、藤枝のスタイルを受けて立った岡山が、先にペースダウンした。藤枝のスピード感のあるハードな戦いに岡山の出足が遅くなっていく。ただ、藤枝にとってもハードな戦いだったようで、後半の頭に左CBの3鈴木 翔太 選手が負傷交代で、4中川 創 選手と交代している。

 前半は、岡山が、左サイドを中心としつつもCF、シャドー、左右のWB、DH、CBの全ての選手が攻撃で何度か絡むシーンがあり、組織的にゲームの主導権こそ握れなかった中で、良いシーンがあった。

 後半は、逆に藤枝が、岡山のロングパスを前からの守備でも制限して行く中で、9グレイソン 選手を抑える事ができるようになってくる。岡山が、99ルカオ 選手が入って、前線で起点が作られるようになっても、藤枝の勢いは失速するどころか、ゴール前でのシーンが徐々に増える。

 しかしながら、岡山には、GKの49スベンド・ブローダーセン 選手がいる。大きな体と長い手足に当たっただけというセーブというか、もはやブロックに合い、藤枝に先制点が、生まれることはなかった。

 逆に、ルヴァンカップでDHに入って流れを作った44仙波 大志 選手が疲労が隠せない14田部井 涼 選手と、守備に後手に回っていた4阿部 海大 選手が5柳 育崇 選手に代わって投入されると、44仙波 大志 選手が、中盤で落ち着かせて、岡山に流れを呼び込むと、5柳 育崇 選手が、守備を引き締めることで、岡山が不死鳥のごとく蘇った。

 すると10田中 雄大 選手のバイタルエリアで、少し藤枝の寄せが遅れた隙を見逃さず、右足を振り抜いた。ブロックこそ構築できていたが、守備の一歩が出ていなかったことで、シュートは前に跳ね返ることなく、無情にも高速ループシュートというか強烈なドライブシュートのような感じの変化をみせて、GK39内山 圭 選手の頭上を大きく越えて、急落下してネットを揺らした。

 2試合連続で、両チームの最高のプレーの先で勝負を決めたのは、ディレクションがあったことで強烈な回転がかかった得点が決まるという幸運とも言える得点であったが、藤枝にとっては、残酷で重たい得点となった。岡山は、99ルカオ 選手が時間を上手く使い、5柳 育崇 選手が、引き締めた守備ブロックで危なげなく、最後はそのまま試合をクローズした。

 しかし、今季から背番号10を背負う田中 雄大 選手は、何かを持っている。もしかすると、本人が思っている以上に、10番が力になっているのかもしれない。矢島 慎也 選手が、抜群の耀きを放ってから、10番を背負う選手が、なかなか結果を残せていなかったが、岡山が歴史を作る事ができた時には、岡山の10番の価値、田中 雄大 選手の存在感は、より大きくなっているかもしれない。

 岡山が、両チーム合わせて30本も飛び交った攻め合いで、最後の最後に得点を捥ぎ取り、苦しみながら藤枝に運も味方にして、勝ち切った試合となった。


3、現代に生きるファンタジスタ~藤枝MYFC~


 元Jリーガーの中田 英寿 さん、中村 俊輔 さん、小野 伸二 さんは、現代サッカーにファンタジスタは必要とされないという話をされていた。

 現代サッカーは、スピード・パワー・ハードワークといったフィジカルが何より重視されるが、その流れに抗うサッカー王国静岡のクラブの1つとして、攻撃スタイルを貫いているクラブがある。

 それが、本日対戦した藤枝MYFCである。昔のイメージのファンタジスタのプレースタイルに現代サッカーのハイプレスやスピードを組み込んだ。

 この創造性とフィジカルが融合したサッカーは、栃木・いわき・山口といったクラブでも実現できなかった岡山のブロックを(得点こそ決められなかったが)無力化することに成功した。

 岡山の選手は、しっかりシュートコースを狭めつつ、しっかり寄せて行く意識が高く、49スベンド・ブローダーセン 選手がいたことで、ゴールこそ割らせなかったものの、岡山の壁は、今季最も剥がされた試合となった。岡山の守備は決壊寸前であったが、バーによって辛うじて踏み止まった。

 シュート数・パス数・支配率で岡山を大きく上回り、力ではなく技で、サポーターの心を掴んだ。負けて悔しい気持ちは、もちろん大きいとは思いますが、岡山に勝てる試合であったという確かに手応えと自信を感じた試合となった筈だ。

 こうした攻めを貫く姿勢は、多くのサポーターの信頼を掴み、心を惹きつける。私自身も怖かったが、楽しかった。昨シーズンも、このカードは、1分1敗であったが、どちらも点の取り合いになった試合に、釘付けになった。

 この試合も得点こそ両チーム合わせて、1点のみであったが、非常にエキサイティングな試合となった。岡山の対藤枝戦の初勝利こそ記録できた試合であったが、同時に次のホームでの試合が37節で、最終盤に当たるという怖さと楽しみが同居する複雑な気持ちになった。

 4節終了した時点で、これだけの攻撃ができる藤枝が、今で勝ち無しだけではなく、まだ無得点であることが、正直信じられないが、この攻撃スタイルは本物であると確信を持って言えるので、1点決める事ができれば、流れも大きく変わる事は間違いないないと確信を持って言えますし、このスタイルで上を目指して欲しいと、ファジサポとしてではなく、サッカーファンとして、藤枝のサッカーを信じて応援したい気持ちを強く抱いた内容の試合であった。


4、虹色の戦術~ファジアーノ岡山~


 今季の岡山は、各ポジションに個性豊かな選手が揃っている。多くの得点パターンを持っている事で、幅広い戦術に対抗することができる。繋ぐ事もできれば、ロングパス主体のサッカーもできて、ハイプレスの掛け合いにも応じる。

 実績で抜きんでた選手が、岡山には少ない中でも選手層がバランスよくなるように、怪我にも連戦にも強い編成を目指した。幸いにも意中の選手が、ほぼ岡山に来てくれて、主軸選手も軒並み岡山に残ってくれた。

 昇格候補のクラブに当たっていないこともあるが、4試合(5試合)で6得点1失点(10得点2失点)と抜群の安定感を誇っている。やはり、そこの原動力は、チームとしての戦い方の幅にあることだと感じている。

 できることが多ければ、弱点であってもそれなりに戦えるし、ガチガチに対策を練らなくても、個の力で、基本的な戦術のベースで、組織的に戦う事もできる。この藤枝戦こそ、正直追い込まれた試合でもあったが、1つのプレーで勝ちきる事ができた。

 負け難い強さと難しい試合でも勝ち切れるしぶとさや、粘り強さ。いわきFC戦こそ追いつかれたが、チームとしての底はまだまだ見えない。まだ、試合に絡めていない選手もいるなかで、ホーム水戸戦は、もしかするとまだ見たことない選手をみることができるかもしれない。

 今日の試合では、88柳 貴博 選手や4阿部 海大 選手の良いプレーは、少なかったかもしれない。しかし、〇〇選手だけに依存することなく、チームとして自立している戦い方こそ、今季の最大の強みである。

 この部分が、まだ対戦していない順位予想で、上位に名を連ねるクラブとの対戦で、発揮することができれば、今季の岡山は、本物かもしれない。

 しかし、サッカーは、最後までどうなるか分からない。1つでも多くの勝利を、1点でも多くの勝ち点と得点を、1回でも良い攻撃や良い守備のプレーを、チームとしてその高みを目指していくことで、初めて「頂」へと到達できる。険しい道をまだ登り始めたばかりなので、まずは一歩ずつ登っていくしかない。

 その「頂」を目指す上で「虹色の戦術(レインボータクティクス)」こそが、今季の岡山の強さであり、秘めたる可能性である。もっともっと選手の個性を輝かせて、虹のように、雨の歴史を晴れの歴史に変えて欲しい。

 岡山の個性は、虹色のようにもっと輝くと信じて、次の試合でも応援したい。

 最後まで読んで下さり有難うございました。

 MOMのアンケートの方もよろしくお願いします。「虹色の戦術(レインボータクティクス)」をファジ造語として、アディショナルタイムに追加しました。

データでフォーカスの方もよろしくお願いします。こちらでもファジ造語2024を2語追加しました。

 最後は、10田中 雄大 選手のコメントを一部引用して、紹介することでレビューを終えたい。

『 10田中 雄大 選手 』
 与えられた場所でやるべきことをやり続けること、目の前の試合で結果を出すことをどれだけ続けられるかが大事だと思う。

ファジアーノ岡山公式HP
J2第4節 藤枝MYFC戦 監督・選手コメント
より一部引用
URL:https://www.fagiano-okayama.com/news/202403161730/

文章=杉野 雅昭
text=Masaaki Sugino


筆者紹介
 冷静さと熱さを両立した上で、自分の感じた事を自分の言葉で表現することを大事にしている。ハイライトやテキスト速報をレビューを書くために確認するが、極力SNSは、情報を遮断して、レビューを執筆している。流石に通知なので、軽く目にすることこそあるが、綿密に分析するというよりは、サッカーというスポーツの魅力を発信することを一番大事にしており、ファジアーノ岡山だけではなく、対戦クラブにも最大限のリスペクトの気持ちで、サポーターとの交流や魅力を語り合うことが好きで、レビューを書き始めて、中断期間や書けなかった試合もあるが、10年以上、ファジアーノ岡山を中心にサッカーのある生活をエンジョイしつつ、応援してきた。


5、アディショナルタイム(ファジ造語24)


『 ≫≫力を出し切る三原則≪≪ 』
「決め切る・勝ち切る・逃げ切る」という課題と語ったGMの服部 健二 氏の言葉から想起した「力を出し切る三原則」という2024シーズン第一弾のファジ造語とさせていただいた。来季を観て行く上で、勝利するために、チームがどう強くなったのか、是非、結果から「力を出し切る三原則」をクリアできているか注目したいですね。

『 ≫≫虹色の右足≪≪ 』
24シーズンがルーキーイヤーとなる24番吉尾 虹樹 選手の右足から放たれるパスやクロス、シュート、プレースキックの全てが、高精度であることをより魅力的に伝えるファジ造語。24吉尾選手の名前の「虹樹」の「虹」があり、「虹色の右足」に相応しい選手であると思います。プロとして経験を積む中で、「虹色の右足」は、大樹のようにチームを支えることができる可能性を秘めていることも間違いないでしょう。

『 ≫≫木山マジック≪≪ 』
固定概念を作らない木山 隆之 監督の自由で大胆な決断により、チームを勝利に導くことができる試合采配や選手起用を指すファジ造語。誰にも思いつかない自由な発想と大体な一手で勝利を手繰り寄せてきた将棋で一時代を築いた羽生 善治先生の一手が「羽生マジック」と呼ばれていたが、そこに由来して、「木山マジック」と命名した。22シーズンは、サポーター間でも浸透した。24シーズンでも聞きたいワードですよね。

『 ≫≫剛よく剛を制す≪≪ 』
「サッカーにおいても剛強なものが、剛強な力によって、無慈悲にも剛強なものを押さえつけてしまうという弱肉強食の世界である」という意味の造語」本来は「柔よく剛を制す=柔軟性のあるものが、そのしなやかさによって、かえって剛強なものを押さえつけることができる」という意味の造語だが、99ルカオ選手のフィジカルが、あまりに凄すぎるので、諺(ことわざ)を弄ることでその強さを表現したファジ造語。

『 ≫≫木山曲線≪≪ 』
将棋の藤井八冠が、AI評価値で、一度リードしたらそのまま最後まで右肩上がりで完勝してしまう強さを表現して「藤井曲線」と言われていました。まさしく、開幕戦の木山ファジの勝ち方のようで、そこを可能にした選手起用やチーム作り、ゲームプランから木山マジックの進化系であり、90分間でほぼ圧倒して勝った時の勝利を表現するファジ造語。

『 ≫≫三本の矢24ve≪≪ 』
以前、ファジ造語として紹介していたが、24シーズンでの三本の矢は、11人で繰り出される隙が無い攻撃(途切れずらい攻撃)の事を指す。木山ファジの特色である選手の個性を引き出すサッカーの下で、3Dアタック×3=「縦×横×高さ」×「速さ・強さ・巧さ」×「パス×ドリブル×シュート」が、その方程式の下で、異次元の破壊力を生み出させる攻撃。まさしく、三本の矢に相応しい攻撃を表現したファジ造語。

『 ≫≫虹色の戦術(レインボータクティクス)≪≪ 』
 個性豊かな選手を適材適所で起用して、個性×個性の攻守のプレーの幅や深さで、対戦クラブの戦術の多くへの対応して戦えるだけでなく、試合毎に相性の良い選手が、持ち味を発揮して、攻守で安定した戦い方をすることができる。その個性の戦術の色の可能性はまさに虹そのもので、虹色のように個性が耀き、雨の後の晴れのような勝利に繋げることができるファジの戦術の事を指すファジ造語。

『 ≫≫田段陣地≪≪ 』
 「多段構え」の防壁と、隙を少なくする戦術的な「防御陣形」に、18田上 大地 選手の名前から、「田上=田んぼの上」では水があることで、自由に動けない。そして、「大地=広大な土地」であることで、広範囲にその守備の連動が及びという意味、そして地に足が付いた意味を全て込めることで、18田上 大地 選手の守備が、複数の守備戦術と強固な壁を構築された上で、隙の少ない堅守で、統率された守備ができる事を示すファジ造語2024です。

『 ≫≫グレイZone≪≪ 』
 岡山の最前線のDFラインと中盤の間のエリアで、9グレイソン選手がプレーするエリア。ここで、攻撃で、起点を作ることができて、守備では、対戦チームの前進を阻んだり遅らせることができる。9グレイソン 選手のこうしたプレースタイルとプレーエリアは唯一無二で、岡山の堅守を支えるだけではなく、岡山の流れの切れない攻撃を可能とする。まさにその様子は、難攻不落の前線基地のエリアで、本来は対戦チームが有利なエリアだが、五分五分に持ち込める本来の意味も含めた効果を比喩して創ったファジ造語。


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