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2023ファジアーノ岡山にフォーカス51『 手放した引き寄せた~流れ~ 』J2 第39節(A)vsレノファ山口


1、歴史と記憶〜ダービー〜


 PRIDE OF 中四国。当事者以外で「ダービー」という認識の他の地域のサポーターは、どれくらいいるだろうか。

 J1のサンフレッチェ広島は、この枠組みには加わらず、先駆者としての意地があることは、そこから感じ取れる。

 やはり、少しでも高いカテゴリーで、高いレベルの試合を積み重ねていくしかない。地域の特色で盛り上がり、認知されるダービーもあるが、PRIDE OF 中四国という歴史や関係性は、まだまだこれから築いていく段階である。

 そういった意味では、お互いに高みを目指す好敵手であり、同志であり、仲間である。

 J1では、関係性がほぼ完成していることで、勝ち以外は許されない雰囲気があるが、J2の多くのチームは、これからということをひしひしと感じたダービーとなった。

岡山イレブン

 山口の地に乗り込んだ岡山は、41田部井 凉に代わり、14田中 雄大が、スタメン復帰した。 42高橋 諒は、出場停止明けであったが、リザーブスタートで、スタメンは、前節に引き続き2高木 友也であった。41田部井 涼が、リザーブに回ったことで、27河井 陽介は、メンバー外となった。14田中 雄大の復帰と千葉戦の大敗の反省を意識してのメンバーであることを感じられる。

山口イレブン

 岡山を迎える山口は、出場停止の3ヘナンの左CBに、15前 貴之が回り、右には40平瀬 大が入った。出場停止明けの10池上 丈二がボランチに入り、8佐藤 謙が、リザーブに回った。前線も大きく変更されていて、9皆川 佑介と24梅木 翼の2トップになり、トップ下には6矢島 慎也が入った。それに、伴いスタメンであった32五十嵐 太陽と20河野 孝汰は、リザーブへ。左右のWBであった11田中 稔也と16吉岡 雅和は、メンバー外となり、左WBにはリザーブであった26野寄 和哉が、右WBには2高橋 秀典がスタメンになった。4神垣 陸は、メンバー外となり、13大槻 周平と14沼田 圭悟が入った。

 文字だけでは、何が何か分からないぐらいの変更点があった山口。岡山としては、用意していた対策は、肩透かしを食らった感はある。

 岡山を意識した山口と自分達のサッカーを意識した山口。両チームの思惑と駆け引き、サッカーの流れを意識して90分間を振り返りたい。

2023 J2 第39節 レノファ山口 vs ファジアーノ岡山
2023/10/22( 12:30 kick off )維新みらいふスタジアム

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2、約束事と自由〜動揺〜


 岡山は、用意していたことが立ち上がりにできなかったことは間違いなく、後ろから繋ぐのではなく、リスクを嫌いロングパスを蹴るしかないという状況に陥った。

 一方で、山口サイドとしては、ロングパスを蹴って、ラインを押し上げることで、速攻と即時奪回の狙いを明確に打ち出すことで、岡山にDFラインにプレッシャーをかけることに成功していた。

 岡山としては、山形戦以降は、ビルドアップがどこか不安定に感じるシーンが増えてきている。4連勝の時は、ここで絶対に失わないという安心感があったが、メンタル的な部分が左右しているのか、涼しくなってきたことでのプレスに苦しんでいる側面があるのか、なかなか前進ができなくなっている。

 とはいえ、岡山も自分達のサッカーで勝つという強気なプレーや失敗を恐れないプレーで、ゴールを目指したが、前半の決定機は、良い守備ができた時や17末吉 塁のスピードを活かした仕掛けの方がチャンスになっていたのが、やはり岡山のやりたいことができていたとは言い切れない。

 逆に、山口は、岡山のGK1堀田 大揮の出しどころを限定して、山口の選手を食いつかせてから素早く出させる判断へと追い込み、その結果として、スローがが少しずれたことで、山口の選手に奪う形を作り、その後、心理的な部分での動揺を与える事ができたことで、岡山が若干浮き足だし、山口により流れがきた。

 山口サポーターも、ここを機微に感じ取って、応援で選手を鼓舞した直後に、岡山の隙を点と秒で繋いで、先制点に繋げた。

先制点に湧くサポーターと歓喜の山口イレブン

 岡山は、抑えられ気味の中央でなく、両翼の2高木 友也と17末吉 塁のスピードと推進力で、崩してクロスいれて、何度も形を作ったが、7チアゴ・アウベスのPKを止められるなど、岡山の流れの悪さが目立ち、前半では、同点に追い付くことができなかった。

 山口は、ある程度カウンター狙いに絞って、ペース配分と守備を意識して、受けに回る時間が長くなったことで、攻撃の形が目に見えて減ったのは気がかりであったが、ほぼ言い分通り前半ではあったのは、間違いないだろう。


3、流れも掴む力読む力~経験値~


 チャンスを作りながら、PKもありながら無得点で1点ビハインドとなった岡山は、決定力不足と言いたくなる流れの悪さを打破するために、前半に期待していたゴール前で得点に絡むようなプレーに到達できていなかった14田中 雄大ではなく、中盤の守備の要である6輪笠 祐士に代えて、99ルカオを投入した岡山。

 この辺り、14田中 雄大の前からの抑止力と得点に絡める力強さに期待する木山 隆之 監督の勝負勘もあるが、やはりこの試合だけではなく、ずっと先を見据えた時に、14田中 雄大のパワーは、必要不可欠であり、手応えというメンタルの部分と、フル出場することでフィジカルの部分での自信を掴ませることも意識したはずだ。

 やはり、千葉と戦うことになれば、嫌でもフィジカル勝負が求められる。2高木 友也のスタメン起用を観ても「フィジカル」でより強く戦えるという手応えを掴みたい。そういった期待というよりは、願望に近い気持ちを感じられる。

 また、山口は、中盤で繋ぐというよりは、速攻をより意識しており、6輪笠 祐士が、前を向いて守備するシーンは少なく、なかなか持ち味を出し難い展開であった。また、ビハインドという状況もあり、まずは、同点や逆転をするために積極的に動いた。そして、その展開となった時には、23ヨルディ・バイスを投入して、15本山 遥をANもしくはDHとして中盤の守備の要として投入するプランもあったはずだ。

 今季の岡山の強みとして、99ルカオを投入することで、劣勢を覆すことができる力がある所で、この試合でも当て嵌まった。単独突破で、対戦チームのDFラインを突破できたり、マークを引き連れて、フリーの選手を作る事ができたり、相手の守備体系を崩すことができることにある。

 99ルカオ自身は、シュートは得意な選手ではないが、打つべき時に迷いなく打てる選手で、そこからの2次攻撃で得点出来たり、CKを獲得できたり、打てないと判断した時のクロスからのチャンスメークも得点力に繋がり易い。

 この試合でも99ルカオのシュートのこぼれ球を8ステファン・ムークが押し込んで、岡山が追いついた。前半で、決めきれないシーンこそあったが、チャンスに比例してしっかり決め切れる落ち着きがあるのが、8ステファン・ムークの武器である。

同点直後に再開を急ぐ岡山の選手

 このタイミングで、山口は、一気に三枚替え。山口の攻撃の核の1つであるサイドの活性化のために、右WBの2高橋 秀典に代えて、14沼田 圭吾。トップ下の元岡山の6矢島 慎也に代えて、8佐藤 謙介。恐らく8佐藤 謙介をボランチの位置に据えて、10池上 丈二をトップ下に変更。ロングパスのターゲットとして5柳 育崇と五分五分、いや競り勝つこともできていた9皆川 佑介を下げて、得点力のある20河野 孝汰を投入した。

 この交代の意図としては、6輪笠 祐士が下がっている事で、岡山の守備強度が落ちている事と、今後の展開的に、岡山が前掛かりになるという事を念頭に置いた交代である。岡山が、前掛かりにくれば、高さがなくてもスピード勝負ができて、ワンチャンスで決め切れる選手が、前線においた。

 また、仮にリードを許しても岡山は、クリアが多くなる事と、自陣に押し込まれた時に意外と踏ん張りが効かない勝負弱さに苦しめられているチームであることも頭にあったはずだ。もちろん、勝ち越しを狙っていたとは思うが、試合内容的には、岡山が主導権(ボール保持とシュート数においての優位性)をやや握っていて、山口は、カウンターが、メインの攻撃であった。

 ただ、サッカーは、多く得点を決めたチームで勝ち点3を得る事ができるスポーツである事に加えて、山口としては、勝ち点1でも着実に積み上げたいという状況もあり、両チームの目指す妥協点は異なるので、両チームの思惑が、最初の交代選手や時間帯、状況などから読み解くことができる。

 岡山が、負け難い理由として、タイプの違うスーパーサブの選手を多数を抱えていることである。19木村 太哉も気持ちが強い選手で、ドリブルでも気持ちでも不利な状況でも決して諦めない。基本的には、99ルカオの方が先に交代することが多いが、気持ちを盛り上げたい時には、19木村 太哉から交代することもある。

 この試合では、先に99ルカオであったので、内容自体には手応えを感じていて、より攻撃的に出て、同点から逆転の時間を作りたい意図があったのであろう。2高木 友也に代えて、19木村 太哉が投入された。99ルカオと19木村 太哉のコンビは、強力である。

 両チームは、更に次の一手を打つ。まずは、山口だが、守備の隙を作らせない観点で、サイドの運動量での優位性を譲らないために左WBの26野寄 和哉に代えて、13大槻 周平。負傷した24梅木 翼に代えて、32五十嵐 太陽を投入した。予定外の交代かもしれないが、4バックを視野に入れた交代でもあるはずだ。

 岡山は、17末吉 塁に代えて、42高橋 諒を左WBに投入して、19木村 太哉が右WBへと移った。この試合もリザーブスタートだった48坂本 一彩も7チアゴ・アウベスに代えて投入された。48坂本 一彩と42高橋 諒の2人が、リザーブスタートであったのは、14田中 雄大の復帰もあるが、チームとしてのまだ伸び代を探るという意味で、怪我人が少なくなった中で、ベースを崩さず、相性を考えつつ、90分間で考えた戦い方への拘りを強く感じる。

 この木山 隆之 監督の狙いとして、フィジカルやドリブルだけではなく、4連勝していた時の様なパスワークでも崩す選択肢も持ちたいという意図も感じ取れる。

 岡山は、最後の交代カードは、44仙波 大志に代えて、41田部井 涼を投入したが、ギリギリまで23ヨルディ・バイスの投入も考えていたはずだ。逆転していれば、先述した通り、23ヨルディ・バイスを右CB、15本山 遥のボランチでの起用で、対人守備の得意な選手で、カウンターやパワープレーに備える事ができただけに、ギリギリの判断である。

 この交代の意図として、やはり攻撃に人数をかける事と、個人の守備能力ではなく、運動量をベース、つまり人数をベースとした守備である。勝ち点3が必要である事とやはり、ここまでのシュート数を考えても攻撃手段を変えるよりは、継続する方が得点の確率が高いと判断もあるだろう。

 結果的には、交代の直後に同点ゴールと同じ形で、99ルカオのシュートのこぼれ球に反応した48坂本 一彩が決めて、逆転に成功した。このまま勝利することができれば、48坂本 一彩の決定力が戻り、勝負を決めるキーマンに成り得る可能性があったが、逆転したのが交代直後の後半の39分だが、岡山としては非常に長い時間であった。

この時は前に出て逆転を喜ぶファジ

 41田部井 涼の交代をもう少し遅らせていれば、よりシンプルに守備できるメンバーにできたと思うが、中盤のストッパーがないままとりあえず、大きく蹴って、前線で時間稼ぎするしかできなくなった。

 試合をクローズするために、時間稼ぎをする上で重要な事は、自陣や中央でボールを失わない事である。失点するまでは、ストッパーがない中で、山口の猛攻を受け手はいたが、クリアした後に、セオリー通りできていた事で、効果的に時間を使うことができた。

 ただ、失点したシーンでは、終わりが目の前に迫った事で、48坂本 一彩が、得意のドリブルで中でに進入して、前掛かりになったことで、スペースのあった中央に構える99ルカオにパスを出そうとしたが、カットされてカウンターを受けてしまう。

 中央のストッパーがない中で、テンポよくスピード感のあるパス回しに遅れてスライディングタックルに行ってしまった5柳 育崇が、痛恨のファールをFKとして、絶好の位置で与えてしまった。

 サッカーを長く観ている方であれば、言葉に出さなくても、「この位置はやばい・・・。」と、感じた方は、多いのではないだろうか?かくゆう私も10池上 丈二が、プレースキックが上手い選手という情報はあったので、勝利を信じていない訳では無いが、「やられた・・・。」と、、蹴る前に思ってしまいました。

 実際に決まってしまって、その後ほんの少しだけプレーする時間があったが、勝ち越することはできず、そのまま2-2で試合終了した。

勝利直前で逃げた勝ち点は1に

 ただ、筆者的には、前半も岡山が攻めていた中で、同点に追いつけず、先制後の山口は、明らかにペース配分(サッカーの内容が変化)したように見えた。その効果で、最後の反撃するパワーが残せたように思えた。

 この1点だけではなく、ここまでの回想を考えても山口は、ゲームプランの変化の中でも、スコアや状況、内容に応じた勝負に徹した戦い方ができていたのに対して、岡山は、決めるべき所で決め切れず、1堀田 大輝の判断ミスや48坂本 一彩の判断ミスに等しいボールロストのように、状況判断の悪さで、一瞬の隙、それも大きな隙をみせたことで、流れだけではなく、得点まで渡してしまった。

 こういった岡山の勝負弱さというのは、まさに今季を象徴する引き分けであったように感じる。理想のサッカーと勝てるサッカーは別で、木山ファジの目指すサッカーというのは、主導権を握ることができる試合や違いを出せる選手が増えてきた中で、ある意味、岡山が慣れない戦い方で、勝利する術を失敗から学ぶ中で、理想を求めつつも結果を残せる勝てるサッカーにも近づける。

 そのために、流れや状況を読んで的確にプレーできるベテラン選手を要所要所で起用して、ゲームを安定させるのか。それとも若い選手に経験を積ませる中で、選手ともにチームを成長させていく今の路線を続けて行くのか。

 岡山が、J1昇格するには、まだまだ足りないと感じる中でも、まだ可能性が残されている。そこを信じて、岡山はサポーターとしては、応援していくのみである。

 ただ、この試合に関しては、山口のチームとしての戦い方、応援のメリハリでの先制点を観ても、山口の意地や底力を感じた。

土壇場で掴んだ勝ち点1に喜ぶ山口

 冒頭でも書いたが、山口と岡山の戦い方は、まだまだ序章に近い。両チームが、クラブとして大きくなり、歴史を積み重ねた時、そこには熱い熱いダービーが、待っているかもしれない。

 そのきっかけを発見し、着実な前進に繋げていくか。両チームの挑戦は、まだまだ始まったばかりだ。

岡山選手の精神的なダメージを感じる試合終了直後の様子

4、密度と間延びの統一~対極の同極~(山口編)

桃太郎チャント返しを披露し気合十分の山口サポーター

 メンバーの大幅な変更こそあったが、チームコンセプトという観点では、山口のサッカーに大きな変化はないのではないかと感じる。

 山口は、ハイラインを聞いていたが、まさにそういった感じであったが、全体的にコンパクトに保つ意識と、ボールホルダーに対して、厳しく寄せていく事で、パスの出しどころとコースを消す事で、ビルドアップを阻止した上で、アバウントなロングパスを蹴らせることで、マイボールにしていく。

 また、帰陣する意識も非常に高く、ハイラインなので、どうしてもサイドの背後は取られ易いが、中央は、極力密を作り出す事で、フリーにさせないという事を前提にした上で、人数と運動量の双方で、中央での自由を許さない事と、着軸な前進を許さない事を徹底。

 そして、ボール奪取後の選択肢をロングパスメインにすることで、前線の選手は、常に攻守での意識を非常に高く保った上で、DF陣やMF陣も迷いなく、ロングパスを選択する事で、攻守共に非常に速攻性の高いサッカーであった。

 岡山としては、落ち着いてボールを運び、少しずつ前進していきたいが、それを許さない山口のハイペースのサッカーで、岡山を飲み込み、先制点に成功した。そこからのペース配分もまた見事で、先制出来たことは大きかったが、土壇場で、追いつく試合巧者ぶりをみせた。

 そしてこのサッカーは、やはりというかスタミナ面でのハードさだけではなく、メンタル面での消耗が激しいサッカーであるが、6矢島 慎也や10池上 丈二の止める蹴るに優れる上に、創造力のある選手が、輝き易いサッカーであり、展開のスピード、カウンターのスピード、守備のスピードといったスピード感のあるサッカーは、岡山の勝利への試合運びを乱した事で、岡山のメンタル的な余裕が奪った事で、岡山の守備組織に綻びを作り、勝ち点への流れを引き寄せた。

 山口としては、当然勝ち点3が欲しかった所ではあると思うが、「岡山のミスがしたから」とか「運が良かった」という評価は、不適切で、山口の術中に岡山が嵌ったというのが、適切な評価であるだろう。

 山口のスピード感のあるサッカーに、岡山のやりたいことができなかった時間が長い試合であったことは間違いない。


5、成長の軌跡の先に~継続と挑戦~(岡山編)

昇格の可能性を信じて駆け付けた岡山サポーター

 体調不良というアクシデントと4連勝の流れを持続できなかった岡山であるが、やはりチームとしても長い連勝があまりできないのが、岡山の現在値であることは間違いない。つまり、立ち止まった時点で、岡山にも例外なく、後退していくのだ。

 もちろん、メンバーを固定して、戦いきれる事が理想であるが、監督ブーストや補強ブーストというのが、今季のJ2では、ほぼ長続きしなかった。町田のJ2では、規格外の資金力で、圧倒的な戦力を獲得した上で、勝負に徹したサッカーの前に、多くのJ2チームが、町田の前に土をつけられてしまったが、基本的には、J1で波乱があったり、J3の昇格チームの完成度が、異次元ない限り、独走は許されないリーグなのだ。

 ここに来て、町田、清水、磐田、東京Vと個の力に優れるチームが、上位を占めている事を考えると、戦術だけでは、どこか限界がある。限られた資金力の中で、開幕時の戦力で負けていても、若い力で、成長で総合力を高めて行く。そういった戦術は、ある意味、今の岡山が、昇格を目指すのであれば、地に足を付けて、長期的視点で、挑戦していくというのが、今考え得る方法の中で、一番の近道かもしれない。

 14田中 雄大をフル出場させる判断やここに来て、48坂本 一彩と8ステファン・ムークの入れ替えと、2高木 友也と42高橋 諒の入れ替えを観ても、フラットな判断での選手起用ができていると改めて感じる。

 負けを糧に成長するとか、勝つことで自信を深めるというよりは、今季の岡山は成長の先に勝利があるという言葉が、しっくりきて、どちらかと言えば、この試合のように、試合の流れをものにできない、戦術的にも、メンタル的にも、フィジカル的にも、個の力的にも、岡山は、隙が多く、まだまだ弱いのかもしれない。

 ただ、序盤戦から今の岡山のサッカーは、想像できたサポーターは少ない筈で、木山ファジ、いや、ファジアーノ岡山は、監督の今までの人気を考えても、100年続くDNAのように先の先を見据えている。

 ファジアーノ岡山サポーターが、後発クラブながら着実にサポーターを増やして来た背景に、クラブのこうした長期的視点。言い換えると、前向きな姿勢は、クラブ理念である「子どもたちに夢を」の「子ども」や「夢」というワードからも、一世代だけでは完結しない壮大なプロジェクトと言えるかもしれない。

 そういった中で、応援や試合内容を考えても、岡山と山口の両チームの関係性というのも、やはり、これからなんだと強く感じた。いや、そうであって欲しい。両チームとも着実に一歩ずつ前進している。

文章・画像・図=杉野 雅昭
text・photo・figure=Masaaki Sugino


筆者紹介
 冷静さと熱さを両立した上で、自分の感じた事を自分の言葉で表現することを大事にしている。ハイライトやテキスト速報をレビューを書くために確認するが、極力SNSは、情報を遮断して、レビューを執筆している。流石に通知なので、軽く目にすることこそあるが、綿密に分析するというよりは、サッカーというスポーツの魅力を発信することを一番大事にしており、ファジアーノ岡山だけではなく、対戦クラブにも最大限のリスペクトの気持ちで、サポーターとの交流や魅力を語り合うことが好きで、レビューを書き始めて、中断期間や書けなかった試合もあるが、10年以上、ファジアーノ岡山を中心にサッカーのある生活をエンジョイしつつ、応援してきた。


6、アディショナルタイム~山口遠征記~

・岡山のMIPアンケート 

まずは、ファジアーノ岡山サポーター向けのアンケートから。

 


・遠征写真

ここから少しだけ写真で、遠征の様子をお伝えしていきたい。

kick off前には多くサポーターが並んだレノファフーズ


食べたフーズその1


食べたフーズその2


食べたフーズその3


食べたフーズその4


ゼロファジさんがレノファ主催のトークショーに参加


子どもに大人気だった


メインスタンド側は圧倒的な景観


こんな感じに名前が分かるものがあるのはなんかいい


このキャラクターは?


スタメン選手のパネルと一緒に撮影できる


kick off前にあったも演出


スタメン発表はこんな感じ


両チームでプレーしたが、先日引退を発表した廣木 雄磨さんのスピーチ


2-2のスコアは激闘の証


ミックス席なので山口の選手も挨拶に


岡山の挨拶は遠目だが腰に手を当てる選手が多い


試合後は、山口で有名な山賊に向かった


山賊おにぎり


山賊焼き


山賊うどん


帰る頃には、すっかり日が暮れるほど大人気だった


後の祭りは悔やんでも仕方ない、祭りは楽しんだもの勝ち

・試合後公式コメント紹介(引用)

 今回の試合を一番分かる公式コメントであったので、フアン・エスナイデル 監督(山口)のコメントのみ全文引用することで、紹介して終えたいと思います。最後までお読みいただき有難うございました。

「フアン エスナイデル 監督(山口)」
本当に難しい試合でした。相手は素晴らしく、やるべきことも明確になっており、強みも自分たちで分かっているし、うまくできる。監督も素晴らしいです。ただ、今日は負けなかった。勝点を取れたということがウチには重要です。素晴らしい相手に対してこの結果。いまのウチの状況を考えても、この勝点1というのは素晴らしいものだったと思います。ほかの試合ではなかった運というものが、今日は巡ってきた感じかもしれません。
彼ら(岡山)はわれわれとは別の目標を持っている。そういう相手に対してもわれわれは勝点を取ることができる。それは本当に素晴らしいと思います。見ている人のすべては、相手よりも良いサッカーをしてほしい。それは当然だと思います。私もそうです。ただ、これだけの相手に対して引き分けることができたというのは、喜ぶことであってもいいと思っています。

J.LEAGUE jp(Jリーグ公式HP)
J2 第39節 山口 vs 岡山(23/10/22)試合後コメント(監督)
より一部引用。
URL:https://www.jleague.jp/match/j2/2023/102207/coach/

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