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「家づくり」の光を灯し続けるために、生まれた木のおもちゃ。

このnoteは、未来の家づくりを良くしようと、幅広い事業に挑戦し続けているとある企業のお話です。


実はいま、家づくりが危機に晒されていることを知っていますか?
というのも、10年から20年後には、大工さんの人数がいまの半分になるとも言われています。

その結果、何が起こるのか。多くの地元密着型の工務店さんの数が減り、これまで日本で培われてきた家を建てる技術や知識がどんどんと失われていきます。家づくり自体が難しくなっていきます。

さらに、家を建てようと思った時には、家に住む人の都合ではなく、家を建てる人の都合でスケジュールが決まってしまいます。

もしかしたら、家を建てるのに、何年も大工さんを待っている。そんな未来が来てしまうのかもしれません。

このような悲しい未来を防ぐために、さらに、日本でずっと行われてきた家づくりを、未来に伝えるために、さまざまな事業に挑戦している会社があります。

家づくりの中で工務店という存在とともに、より広い意味での家づくりを継承していく会社。それが、創業から60年以上を数える株式会社タカキです。

このタカキという会社の中で、新規事業に挑戦されている神山さんにお話を聞きました。株式会社タカキに新卒で入社されて四半世紀。今ではベテランの域に入ろうとされている方です。


挑戦しつづける材木店

株式会社タカキの前身として、創設者の高木昭義さんが創業されたのは、日本全体が戦後の焼け野原から立ち直り、徐々に活気が戻ってきた1956年でした。

大工さんたちが木材をカットするための場所を貸し出す形からスタートして、そこから、大工さんや工務店さんからのオーダーに合わせて木材をカットするプレカット事業や住宅資材の取扱へと事業内容を転換・拡大をしていきました。

そして、いまでは、木材のプレカット事業を主軸としながらも、住器・サッシ・建材・環境商材事業など、家作りのための資材を用意するだけでなく、構造計算、微動探査など、建てるためのサポートの事業も手がけています。

さらに、大工さんの人手不足に対して、建て方サポートや東京大工塾という大工さんを養成する事業も進めています。

60年以上の歴史の中で、メイン事業を大きく成長させていくだけでなく、より幅広く事業展開を行ってきたのが、株式会社タカキです。

なぜ、こんなにも事業を大きくしていくのか?そこには、株式会社タカキの企業文化と思いがあります。

創業当初からずっと受け継がれてきた、挑戦を惜しまない、先行投資を惜しまない、という姿勢。この姿勢が、会社全体に文化として根付いています。

そして、この先行投資や挑戦が向かっている先は、決して自社の利益だけではありません。それ以上に、工務店さんや大工さんといった家作りを一緒に進めていくパートナーと、共に生き残っていこう、共に成長していこうという思いがそこにあります。

神山さんからも、何度も「共存共栄」というキーワードが語られました。


木製のおもちゃが生み出す共存共栄

このように、多くの事業を手がけている株式会社タカキですが、そこに込められた想いは、地元の工務店さんや大工さんと協力して、より良い家づくりを続けていくこと。とてもシンプルで強いものです。

この強い思いをもとに、7年前にも新規事業が誕生しています。それが、工房高木材木店です。この工房が行っているのは、総ヒノキのおもちゃの製造と販売です。


総ヒノキでつくられた飛行機

しかし、なぜおもちゃの製造・販売が工務店のためになるのか。家を建てるために、タカキが材木のプレカットを行い、ドアや窓、キッチンやお風呂などの設備を手配し、工務店さんが家を建てる。この工程のどこにおもちゃが必要になるのか、一見、不思議に思われるかもしれません。

おもちゃが必要となるところ、それは家を建てるずっと前のタイミングです。

多くの工務店さんは家を建てたいと思っているお客さんに向けてイベントを開催します。完成した家の見学をしてもらったり、住宅を建てるための相談会であったり、モデルハウスの展示であったり、いろいろなイベントで、お客さんに向けての発信を行なっています。

このイベントには、家を建てようと思っているお客さんが多く訪れるのですが、その中でもお子さん連れの割合がとても高いそうです。ご夫婦は真剣に家の話をしたいと思っていても、子どもにしたら退屈をしてしまうのも仕方ありません。

そんな時に、高木材木店のおもちゃが登場します。木製の飛行機や自動車、バスなどがあると、子どもは夢中で遊んでくれて、ご夫婦と工務店の方はじっくりと家の話をすることができるというものです。


手作りの味わいと楽しさ

この工房高木材木店がつくる木製のおもちゃですが、7年前から初めて、すでにラインナップは30以上用意されているそうです。

毎年、およそ4種類ほどの新作をメンバー全員で考えて増やし続けた結果なのですが、実は、この工房高木材木店には専属のメンバーがいるわけではありません。

神山さんも含めて、プレカットなど木材を扱っている工場のメンバーを中心に構成しており、メインの作業の手が空いた時に、作るようにしているそうです。

では、どうやって作っているのかというと、木材のプレカットなどからは、たくさんの端材が出てきます。かつてはもう使えないものとして、捨てるくらいしか使い道がなかったものです。

しかし、これらの端材の中にも、ワレやフシのないきれいなものがあります。そのきれいな端材を、寸法通りの大きさにカットし、あとはそれをサンドペーパーで形を整えていきます。

このように1つ1つが、職人の手づくりになっているので、同じ形のものでも、それぞれが微妙に表情や木目が異なる、一点ものとなっています。

手のぬくもり、木のぬくもりがこめられたこのおもちゃには、家つくりの未来が込められているのかもしれません。


職人さんの温もりが感じられるおもちゃたち


株式会社タカキが考えている工務店さんのために、共存共栄をしようという考え方は、実際の家作りのところ、言い換えればわかりやすくビジネスになるところ、だけを指しているわけではありません。

それ以上に、自分たちと一緒に工務店がより長く健やかにビジネスが維持でき、発展していくように考えられています。

株式会社タカキの考える「共存共栄」、それはどう家をつくるかという規模の話ではなく、より深く長く「家づくり」を未来に残していこうとまで考えられています。


中小企業が変われば、日本が変わる。その思いをもとに、今まさに変わろうとしている、新しい挑戦に取り組んでいる、チャレンジしている中小企業をご紹介しました。

株式会社タカキの木製のおもちゃが、あなたの明日の家づくりを変えるかもしれません。

それでは、次回のnoteもお楽しみに。