将棋会館対局室1

棋士の対局室で幹事会

 
 将棋ペンクラブの幹事会は、以前は将棋会館の対局室で行っていた。
 
 東京将棋会館は5階建てで、1階は売店、2階は将棋道場になっている。そして2階から3階へと上がる階段には立札があり、「関係者以外立ち入り禁止」と書かれている。そこを上がっていけるのだから、幹事になったばかりの頃は気分がよかった。ぼくは幹事への勧誘をされたとき、幹事になっても一つもいいことないですよと言われたが、この関係者への階段を上がっていけるだけでもとてもいいことだった。さすがに今は慣れてしまったが。
 
 3階は事務室で、対局室は4階と5階。画像はたしか4階だが、幹事十数人で使うにはとても広く、なんだか申し訳ない気持ちになった。
 
 議題によってはけっこう激論になる。襖を取っ払った大広間というのはとっても声が響くのだ。途中トイレに行ったり階段のところで携帯電話をかけてたりすると、幹事たちの声がよく聞こえてきた。階下にまで聞こえてるんじゃないかと思ったほどだ。
 
 押入れの中にはたくさんの座布団と盤駒。プロ棋士がこの座布団に座って、この盤駒で指すのかと、やはり幹事になりたての頃に、この部屋に来られたことをうれしく思った記憶がある。
 
 まだネットが普及していない時代は、対局はほとんどが平日に行われていた。幹事会は土曜だったので、それでわりと簡単に部屋を押さえることができた。今は将棋の対局をリアルタイムで見せるという方針を取っているので、土日の対局が多い。対局が入っていなくても、プレーオフなどで急遽使うようになれば使用不可となってしまう。他にも理由があるが、そんなようなことで今では将棋会館が使えなくなってしまった。現在は、幹事の一人が住んでいる区の施設の会議室を使用して、幹事会を行っている。
 
 もう、あの立ち入り禁止の立札を無視して上がっていくことは、死ぬまでできないのだろうなと思う。
 
 
 

 


 

書き物が好きな人間なので、リアクションはどれも捻ったお礼文ですが、本心は素直にうれしいです。具体的に頂き物がある「サポート」だけは真面目に書こうと思いましたが、すみません、やはり捻ってあります。でも本心は、心から感謝しています。