曠野すぐり
『将棋ペンクラブ』の闇の幹事が綴る、ペンクラブ関連の記事です。記事にお代はいただきませんので、興味を持たれた方はぜひ会員に!!
2009年にJR中央線を舞台にした短編集を出しました。 中央線という、たくさんの人に日々使われ、そしていろいろな思いを抱かれている路線だけあって、上梓後に印象深い出来事がありました。それを綴っていきます。
将棋関連の書物で有名な作家・ライターの湯川博士。 ペンという槍を野放図に振り回す剣士の魅力を、一番弟子が語る。作品紹介に、エピソード。また、人物分析。これほど的確かつ多面的に湯川博士を語る場は、他にありません。
かつて東京駅にあった12・13番線ホーム。 そのホームの、夕方から夜にかけての普遍的なさまを書いていきます。
お城の辺りが、入り口から最も遠い場所になっている感じです。もっとも暗い中なので、よく分かりません。 そして次のイルミネーションへと、向かいます。 木の1本1本にも、電飾が輝いています。ただ、アトラクションのイルミネーションを惹きたてるためか、木々の電飾は白一色。 藤の花で有名なフラワーパーク。イルミネーションでも藤の花です。 藤棚では、白っぽさを基調としたものの、多少、色にバリエーションがありました。 中央には、大木。自身で立てない藤を支えています。
銀河鉄道のイルミネーションは、 虹に変わります。 みんなが、足を止めて、小道は人であふれかえります。一方通行ではなく、反対側からも人が来るので、かなりの渋滞。 フラワーパークの敷地は、とても広いです。ただ、この日は日曜で、入場者数も多いのです。 駅から入場門に向かうとき、観光バスが続々入ってきていました。 小道は続きますが、大型イルミネーションから離れると人が流れます。 そして背丈ほどの樹々に電飾が付けられた、地味な道を進みます。これらだって数多
東武線の足利市駅から急いでJRの足利駅に向かい、なんとか両毛線に乗れました。乗り遅れれば、次は40分後です。 両毛線の足利駅から、あしかがフラワーパーク駅までは1駅。同じような駅名で近そうに感じますが、駅間の距離は6,2キロ。歩ける距離ではありません。中央線なら東京からほぼ四ツ谷までの距離。 足利駅を出た両毛線は速くもなく遅くもないスピードで、タタンタタンと一定のリズムで、数分後にあしかがフラワーパーク駅に到着。想定外に走ったり迷ったりでも、結果的には予定どおり。
昨年はコロナがおさまり、たくさんの祭りが復活しました。お祭りは夏から初秋が盛んですが、その時期からはみ出して、晩秋までイベントが詰まっていました。 そして寒さが厳しくなるとイベントも下火となる……、かと思えば、この冬は各地でイルミネーションが盛んでした。都心など、隣接した区域で競うようにやっているところも。 都心も行きましたが、せっかくなら遠方のイルミネーションへ行ってみようということで、より寒さの厳しい北関東の地へ向かいました。 新宿から宇都宮線に乗って
定刻より5分から10分くらい遅れて、舞台が始まりました。 幕は開かず、袖に人が出てきます。まずは、「口上」でしょうか。 立ち上がって聴く人もいます。100年以上の歴史を持つ、郷土民芸。毎年この祭りのラストを飾っています。客席には年配の人も多く、これを観ることを、「ショウガを買う」ことと共に、慣習としているのではないでしょうか。もっと言えば「1年の区切り」として、無事を感謝して翌年を祈願する場にしているのかもしれません。 そして幕の前に演者が出て、 舞いま
昨年12月のこと。いい青空の中、ちょっと立ち止まったところに、和やかな眺めが。 東京は乾燥が続いて、ちょっと食べるにはむずかしそうな柿ですが、ほのぼのとさせる眺めです。 パッと見、柿が生っているのはこの木だけです。あとは、葉の落ちた枝が伸びる木ばかり。 でも、せっかくなので、見まわします。 すると、なにか生っているような感じが……。 黒っぽい、丸いものが。色からして、柿ではありません。 なんだろう? 近づいて行って、ジッと見ます。 なるほど! 柿
神保町にある、「東京古書会館」。古書店が在庫を搬入搬出し、古本市が行われる、7階建ての建物。 ほとんどの人は、上階に上がるときにエレベーターを利用する。しかしぼくは階段。ここの2階の踊り場にいる柴犬に会うのが楽しみだからだ。 柴犬といっても、古本溢れかえるビルなので、生きているそれではない。カレンダーの中の柴犬だ。 こんな感じ。2ヶ月ごとのカレンダーだからか、季節に合わせたショットなのだ。 昨年5月6月は、初夏風のさわやかな1枚。 7月8月は、夏真っ盛
メニューを見て、オーダーします。 と、簡単に書きましたが、結構悩んで注文しました。いろいろと頼みたいものが多く、考え込んでしまったからです。 もっとも、旅行で訪れたお店ではなく、自宅からすぐ行ける距離なので、また来ていろいろ頼めばいいだけのことなのですが。 まずは、コーヒー。単色で淡色。いい色のカップです。コーヒーの美味しさが、より引きたちます。 雨でちょっと肌寒く、温かいコーヒーがのどを通っている実感があり、沁みます。 そしてお料理が運ばれてきました
一般的な喫茶店は、靴のまま入店します。しかしこちらは、玄関で靴を脱ぎます。 個人宅に入っていくような気分。でも、玄関の左にはケーキのショーケース。店と個人宅の、中間といった感じです。 2階もあり、今は席が空いているとのことで、そちらを選択します。2階であれば、窓から庭を、より広く眺められます。 スリッパで階段を上がり、振り向いて、 写します。ミステリーの舞台のよう。 昼ちょっとすぎで、小さいとはいえ窓もあるのに、この暗さ。 窓側の席に座れま
門をくぐって敷地に入ると、 かわいい窯がありました。 そこから、緑に囲まれた小道をくねくねと歩きます。 広い敷地で、オブジェが立っています。 喫茶店の入り口に、近づいていきます。この日は小雨模様でしたが、天気のいい日は外でも寛げるようです。 そして入り口に。 入っていきます。しかし残念ながら満席。にぎやかな声が、中から聞こえてきます。 ちょっとの間、入り口前のベンチに座って待ちました。犬と一緒に。 洋館は広く、2階もあり、とても席数が
中央線でコーヒーや喫茶店を連想する駅は、たくさんあります。 むしろ、連想しない駅を挙げた方が、早いくらいです。豊田、西八王子、東小金井あたりでしょうか。他はすべて、連想すると言っていいかと思います。 それでも、特に強く喫茶店のイメージを持っている駅が、高円寺、吉祥寺、国立といったところ。 その中の一つ、国立の、ちょっと変わった喫茶店に行きました。 駅からのアクセスは、それほどよくありません。となりの西国分寺に向かって、10分ほど歩いたところ。
宮入が無事に済んで、人々の目は、宮司さんたちからちょうど反対側の舞台に移ります。 そこでは毎年、奉納歌舞伎が演じられます。 こちらが、舞台。 社務所の横です。 社務所には多くの人が出入りしていますが、宮入が終わったからか、なんとなくのんびりムードです。 顔見知り同士で、談笑しています。 こちらは知り合いもなく、社務所入り口の前のベンチに座りました。舞台の前のベンチはいっぱいで、ここは樹々に邪魔されて舞台を見にくいですが、その代わりにゆったり座れま
お神輿は階段を1段ずつ上がるので、進んでいるか、よく分かりません。ただ、気が付くと、神輿に乗って掛け声を出していた人の背中を見ていたのが、横顔を見られるようになり、神輿の後部まで見えてきます。じりじりとですが、確実に登っていっているのです。 階段登りのスタートは、ここでした。気の遠くなるような道のりです。 それが、今は目の前を通りすぎています。 担ぎ手の疲れもないようで、登っていくペースが落ちません。 こちらも少し、場所を移動します。しかし、とにかく混んで
お神輿が階段を上がっていく様子が、この祭りの大きな見どころです。 掛け声を発する人が、「さぁみんな!」といった感じで呼びかけ、 提灯を指揮棒のように、「そぉれ!!」と呼吸を合わせます。 グッとのめり込み、 「それっ」と上へ、 引き上げます。 「よし、やった!」と、担ぎ手を労い、 「さぁ、もう一段!」と鼓舞します。 この繰り返しで、一段、また一段と、上がっていきます。 この階段の一段目、鳥居のところでは、気の遠くなるような道のりに感じました
曇天のちょっと肌寒い日だったので、西国分寺でゆっくり休むことに。 選んだのは、カフェ「FLAっと」さん。西国分寺から国分寺方面に歩いてすぐのお店です。 人気のお店で、ほぼ席が埋まっていました。 ランチは、ワンプレート。やさしい味です。 まわりのお客さんも、こちらのランチを頼んでいました。 そして、コーヒーとケーキ。 華やかです! 以前は、このようなお店などありませんでした。ちょっと前の西国分寺を知る人は、西国分寺の変わりように、ちょっと驚くこ
姿見の池の周辺は緑地帯になっています。 かなりのアップダウンがあり、樹々も生い茂っているので、周囲の人工物が見えなくなります。中央線の沿線では、最も自然に包まれた地帯だと思います。 クルミがたくさん落ちていて、拾いました。 姿見の池には、水が流れ込んでいます。その流れ込みは、住宅地を通っていると思えない、きれいなもの。 府中街道のすぐそばなのに、澄んでいます。 西国分寺は、中央線で最も新しく開業した駅で、駅前に店も賑わいもありませんでした。駅ビルが