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惹かれる不可逆性 《翠曜日》vol.3

惹かれる不可逆性


先日、現代美術を扱う授業のとあるディスカッションで

「純粋って、一度汚れたらもう二度とその状態には戻れないことなんですよね。…だから惹かれるんだと思うんです。」

と言った人がいて、ふーんなるほど…と考えさせられた。

彼女が集めているアート作品は「純粋」をテーマとしているらしく、子どもや宝石、さらには鹿(聖書に出てくるらしい。調べてみよう)といったモチーフの絵画が多くまとめられていた。


 
宝石と言えば、少し前に放送されていたテレビ番組で、鉱石学者を追う特集が組まれていた。

アメシストを追ってブラジルまで調査に来ていたのだが、そこには成人男性の身長などゆうに超える大きさのものまで存在していてびっくりした。

なによりびっくりしたのは、

アメシスト、なんと水から生まれたらしい!


…というのはちょっと不正確な表現で
実際は、
溶岩が冷えた時にできた空洞の中に熱水が溜まり、
それらが蒸発してミネラル分が結晶化することでできたものがアメシストなのだという。


余分なところが抜けていって浄化されて凝縮して


子供達がもつ純粋さのような無垢な感じとはまた別物の「純粋」だと感じたけれど、

時間をかけて生成された透明な輝きからがもつ、孤高の純粋さは、

傷つけてはならない「純粋」のイメージに重なるなぁ

と授業中に思い出した。

のを今思い出した。


子供の純粋さというのは、やっぱりどうしようもなく不可逆で、だからこそ価値あるものに昇華されてる感じがする。

戻ってこないもんな〜JKも。

ではアメシストは?

もとは水だったとはいえ、アメシストになったものを水に漬けてもすぐ溶けていくわけではない。

これも、確かに不可逆性。


「不可逆」

なんか難しそうないい回しだけど、

人間にとってかなり厄介で、魅力的な性質なのかもしれない。

人間というより、日本人なのかな??


無常観ってやつ

なんであろうと、移ろいには逆らえないからしょうがない。というような感覚




【無常観】世のすべてのものは、移り変わり、また生まれては消滅する運命を繰り返し、永遠に変わらないものはないということ。 人生は、はかなく虚むなしいものであるということ。




目の前にあるものは流れ、戻らないという不可逆なこの世の中に、

毎日文句を言いたくなるし

思い出したくもないような失敗は消えないし

時間が経てば薄れるし

でも“あの頃”はいつだって魅力的だし

おかげで今を大事にしようと思える



Umm
まとまりは無い話。








ここで思い出したように添えておきます
ちょっと前の。


じんせいは オーロラ色の 蜃気楼 
            青い傷浮かび 消え 浮かぶ







 


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