全て投げ出してもいいじゃないの? Used to be 諦めるのは easy

私の父は倖田來未という歌手のファン。

倖田來未の活動が今より活発だった時代は、父の車に乗ると必ず倖田來未の曲が流れていた。

私は「Black cherry」(アルバム名)から「Dejavu」あたりの曲が好き。

平気で10年以上前のアルバムの名前を挙げるな。

特に好きな曲は「人魚姫」と「TABOO」と「Moon Crying」です


最近の若者は多分、倖田來未をそもそも知らない気がする。

倖田來未がテレビに出ているかどうかは私は知らないのだが、最近の若者もテレビを観ていないと思うので多分関係ない。

私は1日の半分以上をインターネットに浸かって生きているが、倖田來未を認知する機会というものが存在しない。

もう世間にとっては倖田來未は「平成のアーティスト」なのだろう。

※倖田來未さんは現在でも第一線で活躍されています

結構前に倖田來未がカバーした、ラッツ&スターの「め組の人」がバズっていた(?)が、あの音源がリリースされたのも2010年だし、本人の曲じゃないし、何より悪質なことに倍速加工された音源が流行っていたが故に、倖田來未の歌声自体が認知されることには繋がらず、本人の知名度にはあまり貢献しなかった流行であったように思える。

TikTokが嫌いになった理由だ。


しかし、ここ数年で急に倖田來未をインターネットで認知するようになる。

それが「諦めるのは easy」というミームである。

このミーム、『顔が面白いから』というその一点だけでウケている。
すごい。

内容はとんでもなく昔のミュージックステーションで倖田來未が歌唱している最中のただのスクリーンショットである。

2005年にレコード大賞を獲得し、その後も第一線で活躍し続けたアーティストが、その一瞬の顔が面白かったというだけでミームになっているのである。

本人やファンからしたらとんでもない風評被害で、多分怒る人はちゃんと怒っていると思う。
怒っていい。

しかし、このミームによって倖田來未を目にする機会が増えたのは事実で、インターネットの人間にとっては倖田來未の顔は「諦めるのは easy」のあの顔なのである。

倖田來未は妙にネットミームに恵まれている節があり、10年弱前のアニメ界隈では「ゴーウィwwwwwwwwゴーウィwwwwwwwヒカリッヘーwwwwwww」がバカ流行りしていたし、昨年の仮面ライダーの主題歌は倖田來未と湘南乃風のコラボ楽曲だった。

ちなみに「ゴーウィwwwwwwwwゴーウィwwwwwwwヒカリッヘーwwwwwww」の『Go to the top』も、仮面ライダーギーツの主題歌の『Trast・Last』もとてもいい曲なので是非お聴きいただきたい。


倖田來未の素晴らしい点は楽曲だけでなく、ライブの演出に昔からこだわっている所にもある。

昔のライブしか観たことがないので今はどうなのかは全く知らないのだが、アルバムごとにコンセプトがあり、ライブはその世界観をモチーフとした演出がなされる。

その中で、巨大な水槽の中で長時間の潜水パフォーマンスを行ったり、命綱無しで宙吊りになったりと現在でも考えられないようなことをする。

確かにあのライブを見せられるとファンになってしまう。

そして歌がバリクソ上手い。かっこいい。


この世には星の数以上のミームが存在するが、それらを徒に消費するのではなく、ひとつ、足を踏み入れてはいかがだろうか。

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