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#136変換の妙味

 著者の職場で、事務用にパソコンを使用しています。今回はパソコンについての話題です。

 著者は博物館施設に勤めていますが、学芸員としての仕事以外にも、受付や接客、施設内の喫茶の対応なども行っています。そのため食品衛生責任者の資格や防火管理責任者の資格なども持っており、それらに関する業務を担当しています。具体的には、喫茶の営業許可申請書の作成や火気使用申請書の作成などです。前者は喫茶営業を行うために、いわゆる保健所へ営業許可証を出してもらうために、メニューの作成やどのようにしてお客様へ提供するか、施設内のどこで営業するのか、などの書類を作成して提出します。後者は、イベントなどでろうそくなどの火気を使用する際に、文化財に影響がないということと、何かあった時の対策を講じているという書類を作成して提出します。
 このような幅広い業務を行っているため、事務用に使用しているパソコンでワープロソフトの変換に「手癖」がついてしまっています。例えば下記のような例があります。
 喫茶で抹茶を提供していることもあり、主菓子や干菓子を抹茶に併せて提供しており、メニュー表の作成や業者への菓子の発注をするという業務が発生し、日ごろからメールや電話、ファックスで各店へ注文を行っています。そのため、事務文書やキャプションなどを作成するためにパソコンのワープロソフトを使用した際に、「東」と変換したいのに真っ先に「干菓子」と変換されてしまうことがあります。住所などで「東区」と入力しないといけないところを「干菓子区」となっていたりするので、うっかりすると酷い変換ミスが生じます。
 また、施設内に茶室があるため、茶事に関するイベントを実施する際には、炉で炭を使用することやお香を焚くことなどもあります。このように火気を使用する場合には、文化財施設であるため、消防署へ火気使用申請を提出して、安全に使用出来るかの審査を受け、そのうえで火気の使用許可をもらいます。そのため、これら茶事、茶室に関わる単語として、「手前」と変換したいにもかかわらず「点前」と変換されたり、あるいは「風呂」と変換したいのに「風炉」と変換されたりするという変換ミスが良くあります。
 これらは著者の職場の特徴が出た「職場あるある」といえるかと思いますが、それぞれの仕事に関する同音異義語などはあるかと思いますので、それぞれの職場、それぞれの業界によって発生すると言えるでしょう。
 因みにですが、最近、著者と同じ苗字の旧ジャニーズ、現在のスタートエンターテイメントのタレントさんがおられます。そのため、事務書類や手紙などで記名のものを作成するときに、苗字を入力すると予測変換でそのタレントさんの名前が入力されてしまうことがあります。
 日本語の入力、変換プログラムのIMEには、使用頻度によってその変換の際に順位を付けていくという機能が付与されています。そのため、自分の職場のパソコンでは、その機械で最も入力されている使用頻度で出してくるため、著者の職場では「干菓子」や「風炉」、「点前」といった単語が変換順の上位に登場する訳です。しかし、世間的にはタレントさんの名前の方が高い頻度で変換されていると言えるのでしょうが、自分で触っている機械での使用頻度を凌駕するくらいの世間での使用頻度なのかと思うと、もう少し変換順位の変更について考慮して欲しいなぁ、と思ってしまいます。

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