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アマプラで『クリード 過去の逆襲』をみた

最近、アマプラで無料配信され始めたので見た。本当は映画館で見たかったんだけど、公開された23年5月は映画ラッシュでクリードは見にいけなかった。

ロッキーシリーズは社会人なりたての頃にBDで一気見し、クリード1,2はリアルタイムで追いかけた。前作『クリード 炎の宿敵』はロッキー色が濃く残っており、ある種のロッキーシリーズとしての完結作だったように思う。実際にめちゃくちゃ興奮した。

今作は割りとそんなロッキーシリーズから解放された印象。スタローンも登場しないし。(でも制作には関わってるのかな?)

とはいえ、しっかり『クリード』として面白い作品だった。特に主人公アドニスのかつての兄貴分デイムの体作りはすごかった。デイムは刑務所帰りなんだけど、人生の一発逆転を狙ってヘビー級に挑戦し、チャンピオンになってしまう。やや強引すぎるシンデレラストーリーにもデイムのフィジカルが説得力を持たせてくれた。まさに地下世界の王という貫禄。

ただ、作品全体としてのカタルシスは少なかったように思う。引退したアドニスがデイムに挑戦する構図は熱いんだけど、そもそもアドニスが現役退いた感があまりなく、「復活」「再起」のシーンと少しギャップがあった。

デイム自身も魅力はありつつも終始怪しい感じは漂っていたので、裏切りの落差がなく、むしろ後半の軽薄さはデイム自身が背負ってきた人生やアドニスが感じていた苦悩と比べると少しミスマッチだった気がする。

ただ、アドニスとデイムの試合はすごく見応えあった。後半の二人だけの精神世界で戦う演出は今までになかったし、現代的だなって思った。でもそれだけにアドニスがデイムをKOするときは何かの説得力がほしかった。アドニスが自身の罪を超克するイメージとか、デイムの弱さや悲しみを浄化させるとか、そういうのがあっても良かったと思う。

KOしたときにロッキーの例のテーマが流れるんだけど、そこも少し違和感あったかな。「あれ?脱ロッキーしたんじゃないの?」って思ってしまった。「くるぞくるぞ・・・!」と思いつつ「くるなくるな・・・」とも思っちゃったのは正直なところ。でもあれ以上のBGMもないもんな。

色々書いたけど、改めて面白い作品であったことは確かで、何よりもテンポがいい。ザ・エンターテインメント。「平穏を得ても過去の罪や因縁がまとわりつく」というテーマも普遍的でわかりやすかった。ラストの二人の会話で「俺のせいでもない、お前のせいでもない」的なのがあったけど、これは個人ではどうにもできない黒人社会の構造の話をしているのだろうか。自分にはこのあたりの知識がないから言及しないが、でもそんな風に聞こえた。

クリード4も制作は決まっているらしい。次回はアドニスの娘が中心になるのだろうか?それもいいし、『クリード』もドラコの息子やコンラン、チャベス、デイムと役者がそろってきた感じがあるから、カードの組み合わせでも楽しめそう。

それにしてもアドニスとデイムの少年時代を演じた役者の子たち、そっくりだったなぁ。




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