浮世:アフマド・スィルヒンディー『書簡集』

アフマド・スィルヒンディーがファリード・ブハーリー師に向けた手紙より、

この世は一見すると甘美で見栄えは良いが、その内実は人間を滅ぼす毒のようなものであり、役に立たない偽の硬貨のようなものだ。この世にすがっていでも益するものなどない。現世で受け入れられるような人は実は滅びへと向かっているのであり、現世に享楽するなど狂っている。現世は、金箔で覆われた泥、砂糖で固められた毒に似ている。真に知恵のある者はこのような欺瞞に満ちた財産になど惑わされたり、固執したりしない。イスラーム法学者は次のように言う。「もし知恵のある者に私の財産を残すならば、その知恵のある者とは節制に努める者である。なぜなら彼らは現世の益を望まず、知恵と叡智の完成に勤しんでいるからだ。」

アフマド・スィルヒンディー『書簡集』50番目の手紙より

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