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修学旅行の帰りのエモさたるや

就寝前の恋バナ
お土産街の散策
いまいち盛り上がらない寺社仏閣

「楽しかった  修学旅行〜」
「「「修学旅行〜」」」

という掛け声もあるあるに成るほど、
「修学旅行」という数日間の出来事は
多くの人の楽しい思い出となっているが、

修学旅行の醍醐味は帰りのバスにあると思っている。

ーー

決められた場所で決められた時間を過ごし、
乗り気でなかった人も何となく達成感を感じながら
非日常から日常へ、ゆったりと戻っていく時間には、
自分たちで計画した旅では味わえない何かがあると思う。

また、修学旅行が終われば
とうとう受験が本格化するという事実で、
バス内では哀愁の絆が築かれていく。

実際、私の中3修学旅行の帰りのバスでは、
なんか分からんけど全員が仲良くなって、
全員であいみょんのマリーゴールドを熱唱した。

渋滞で予定より帰宅が遅れ、
外が暗くなり始めていたのもあり、
みんなのテンションも高くなっていたのを覚えている。
帰りのバスにはそういう作用が働いている。

ーー

高校を卒業した私は、今後この「エモ」を
味わうことがないと思うとちょっと寂しい。

そもそもこれを
「エモ」と括っていいのか分からないくらい、
貴重で眩しいものであるようにも思う。

疲れきった体
眠った隣の席の友人
遠くの席から聞こえる話し声
西日が指す車窓

何ヶ月も前から心待ちにしていたイベントが終わる
寂しさを心に潜めたまま
知っている街にバスが帰っていくあの時間を忘れたくないなと思う。
また、この先、大学生、社会人になって出会う
そういう類の「エモ」を
一つ一つ噛み締めたいと思う。

ーー

〈追記〉
修学旅行の帰りが飛行機だった時は、
そんなことより離陸着陸が怖すぎて
切なさとか全くなかった。

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