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ロンドンからの乗継ぎドーハ国際空港で飛行機に置いていかれた話①|新婚旅行2015

7年前の6月に、新婚旅行に行った。 行き先はイギリスで、私たちはマンチェスターとロンドンに滞在した。夫は海外旅行が初めてで、休みが取れたのは5日間。それでもイギリスを選んだのは、彼が好きな音楽と洋服の文化が楽しめる場所だと思ったからだ。 おかげで弾丸だった5日間、トラブル多発の5日間であった。 あれからもう7年も経ってしまったが、備忘録として忘れたくないことを記しておきたい。


ロンドンから帰国する日、私たちはドーハ国際空港で羽田着便に乗り継ぐ予定だった。ドーハに着き、乗り継ぎゲートに向かう前に、トイレに寄って歯をみがいた。その時間10分にも満たなかったと思う。すっきりした後、乗り継ぎゲートまで歩きはじめたが、なんと空港の端から端まで移動せねばならず、二人で「なんか遠いね」と言いながら想像以上の道のりを歩いた。

搭乗ゲートに着いた時、なんだか嫌な予感がしたのを覚えている。ほかにいるはずの乗客が一人としていなかったからだ。そして、スタッフが何かフリップのようなものを掲げて呼びかけている。片言の英語で、どこから乗ればいいのか恐る恐る聞くと、もうこの便には乗れない、ゲートは閉まったと返ってきた。

私たちはトイレに寄ってから向かった、この飛行機に乗らないと困るから乗せて欲しい、と懇願するが無理だった。ボーディング・ブリッジと呼ばれる搭乗橋と飛行機は、私たちの目の前でまだ繋がっている。このゲートを開けてくれさえすれば乗れる状況なのに無理だった。

私たち以外にも、もう二組ほど間に合わなかった乗客がいて、しきりにスタッフに訴えている。英語が話せない私たちは、ただその様子を呆然と眺めていた。この飛行機を逃しても、私の仕事に影響は出なかったが問題は夫だ。ギリギリの日程でイギリスをねじ込んだので、何が何でも帰らなくてはいけなかった。

私は、ほかの乗り遅れの外国人と同様、もう一度これに乗れないと困ると強く訴える。その結果、その便に乗ることは叶わなかったが、次の飛行機に振り替えられ、新しいチケットと1回分の空港内レストランでの無料食事券が手渡された。次の飛行機は、24時間後だった。

ドーハの街にも繰り出せず、貴重なハネムーンの1日をこのドーハ空港で丸一日過ごすことになった。

後半につづく

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