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#04 食、農、コミュニティーから根をはっていきたい 河野美紗さん

どうもスミゾウです。
自分が是非会いたい人、話を聞きたい人へラブコールを送り、その内容を記事にしていく100本ノック中です。
参考:スミゾウnote始めます。

滋賀県出身の河野美紗さん(以下ミサさん)は飛騨に移住し3年目。コワーキングスペースco-ba hida takayamaのメンバーでもある彼女は、食・農をテーマにしたポップアップイベントEarth to Tableを2020年から開始しました。オランダにも5年住み、様々な経験をしてきた彼女が今どんな事を考え、何をしていきたいのかをインタビューしました。

●Earth to Table https://www.instagram.com/earth.to_table/

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食・農を入口にポジティブなコミュニティをつくっていきたい

「食、農、コミュニティーが私のテーマです。おいしい、楽しいには人が集まる。そこから気付きが生まれ、自立した人達のゆるやかなコミュニティをつくって行けたらと思っています。コミュニティーから生まれるポジティブな物は、とてもかけがえのないもの。人間って生まれた時から社会的な生き物ですもんね」

ミサさんは、元々英語を活用して国を超えた活動をしたいと、大学では国際関係学部へ進みました。卒論テーマ選定中に読んだ暉峻淑子さんの本「豊かさとは何か」から、物質的ではない豊かさとは、持続可能性とは何だろうと考え続けてきたと語ります。

本を読んだ直後、地元の滋賀で暉峻淑子さんの講演会があり熱い想いの手紙を渡したところ、何と返信があったそうです。その内容は今でもミサさんの指針にしているが、手紙自体はどこにあるかわからなくなってしまった、というお茶目なエピソードも。

もう1つの転機はオランダへ行った事。

「若かりし当時、恋におちた人と一緒になるべくオランダに行ったんです(笑)。そのまま5年住み続ける事になり、その間にオランダのアムステルダムで都市農園に関わるプロジェクトに参加し、そのコミュニティーにとても刺激を受けたんです」

ミサさんが参加していたのは、空地を畑にするプロジェクト。
オランダでは、1960年代に都市部での住宅不足が問題になりました。その課題解決の為、使われていない建物を利用し占拠する事(スクワット)が合法化されました。しかし、スクワット物件数の増加、住宅事情が改善したことや、スクワットされた建物の持ち主からの申し立てもあり、2010年に違法化されました。

ただ、その文化はオランダの中に根付いており、今でも使われていない土地や物件を畑や、レストラン、ライブスペースなど新たな場に生まれ変わらせている活動があります。ミサさんの関わったプロジェクトもその文化を受継いだ活動です。

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「深いところに主張はあれど、遊び心があって楽しいから人が集まってくる。そんな感じが好きでした。また、オランダは個人主義なので、みんなでやる事が当たり前だと思っていた日本人的な私とは違うなと。でも自分で考え、自分で決めるという事を大切いしているのは好きでした。合理的な考えの上での自由な空気感を感じていました」

●ミサさんが関わっていたオランダでのプロジェクト「Kaskantine」(カス・カンティーネ)=温室・レストラン という意味) http://www.kaskantine.nl/


飛騨に戻ってからのモヤモヤ感。その土地に根を張っていない感。

「そろそろ日本に戻ろうと思って帰ってきました。オランダ渡航前に飛騨で働いていた事で馴染みもあり、吸い寄せられるように戻ってきました。私は遊牧民気質なので、オランダも含め色々な場所ごとに居場所をつくっていけたらいいなと思っています」

2回目の飛騨にきての昨年は何かモヤモヤ感があった。その当時は分からなかったが、今振返ると飛騨で自分が根を生やしていない感、この土地としっかり繋がっていない感があったとミサさんは語ります。
その土地、その場所、その人との繋がりを大切にして、土地ごとで根をはっていくというのがミサさんの感覚だと感じます。


Earth to table 開始 ソヤ畦畑さんの助け・流れに乗って

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「Earth to table は、流れに身を任せていたらできてしまっていたという感じです。ソヤ畦畑の森本夫妻にはかなりサポートして頂きました。元々はソヤ畦畑の事業として飲食をスタートする予定でした。そのサポートが私。ただ、ソヤ畦畑のお2人とも農業の方で手一杯なので、それなら私がやってみたらという流れでした。ソヤ畦畑の農業に対する考えや姿勢にとても共感したこと、オランダで食に関わる仕事していたので、私にできる事とやりたい事が繋がった感覚です」

●ソヤ畦畑 https://www.instagram.com/soya.unehata/

Earth to tableは、不定期で開催される農と食をテーマにしたポップアップイベント。様々な場を借りて、料理を提供しています。食材はその週収穫したソヤ畦畑の野菜と、畦畑に自生する野草をミサさん自身が収穫。ソヤ畦畑が栽培していない、ニンニクのみ飛騨の自然農産を使用。ミサさんの想いやこだわりが詰まっています。毎回工夫を凝らした料理や、場の雰囲気で大人気です。
「実際Eart to tableでは、私がやりたいと思っていた、おいしい、楽しいから対話が生まれています。そこでの出会いから緩やかなコミュニティができつつあります。気づきや、前向きなものが少しづつ生まれていっている実感もあります。毎回そういった事がおこるのがとっても楽しいいんです」

●Earth to Table https://www.instagram.com/earth.to_table/

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自立、緩やかなコミュニティ、今自分がいる場で根を張っていきたい

「私は、自立した人が緩やかに繋がるコミュニティが好きです。そして世界中どこでも住めるけど、遊牧民的に今いる場所に根をはっていきたい。
長期的には、食・農の分野での教育で、自立した人=自分で考えて自分で選ぶ、思考を停めない人を増やしていくこともしていきたいんです。Earth to Tableは今年2年目。改善点、やりたい事があるので、まずはそれを着実にやっていきたいです」

自立した人が増えれば、他者の意見も拒絶することなく受止める事ができる。そして緩やかに繋がる事で、色々な対話が生まれポジティブな世の中になっていく。そんな未来をミサさんは目指しているんであろうことを感じました。


スミゾウへ

「緩やかに人を繋げる、流れの穏やかな川みたいなイメージを持ってます。上手く表現できないですが、そのスミゾウさんの周りにある、その感じを大切にしてほしいです。急に激流みたいにならないで欲しい感があります」

ある人からは思考が浅いとも言われますが、「緩さ軽さ」はスミゾウの強みでもあるんですね。実は深く考えているけど、外見は緩い感じ。そんな大人を目指します。ありがとう!


スミゾウ’Sアイ


食、農という自分の一番五感が喜ぶ分野から、社会課題や人の考え方という難しい部分へコミュニティを通してアプローチしていく姿勢にとても共感を持ちます。
co-ba飛騨高山という場も、自立した人達が集まるコミュニティーで、そこからよりポジティブな物を生んでいきたいという想いを持っています。ミサさんの様な人がメンバーでいてくれることはうれいしです。
旅人や海外経験のある人が持つ「あなたの普通は私の普通じゃない」という感覚。世界中、色々見てきた結果、自分の内面がわかってくる、自分の身近を大切にするという思考も感じました。今年のEarth to Tableも楽しみです。



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