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人の輪 朝日小屋・清水ゆかりさん/11days to 彼女たちの山

【11days to 彼女たちの山】
2023年3月14日に出版した『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』(柏澄子著、山と溪谷社刊)を紹介するシリーズです。
出版前に20日間かけてSNSなどで拙著に登場する女性たちを紹介したものを、ここに再録します

山小屋の章にはたくさんの女性に登場してもらいました。
冒頭は連載同様、北アルプス・朝日小屋管理人の清水ゆかりさん
北アルプスの最北端にある山小屋、朝日岳の懐に位置します。
山小屋にいるゆかりさんの写真がどうしても見つけられず、noteには、冬の間(山小屋から降りて下界にいる)ゆかりさんと山小屋の写真を載せます。

連載のインタビューのときからゆかりさんは重ねて、「平日女子のこと書いてよ」と言うのです。「平日女子スキー部」、部長はゆかりさんです。「どこの秘密結社かと思われますよー」って笑って返しました。結局記事や書籍には平日女子のことは書きませんでした。
ゆかりさんはスキーが大好きで、ものすごい向上心をもって毎年毎年上達しています。その仲間達が通称「平日女子」(「平日男子スキー部」もありますね!)。

平日女子スキー部で剱沢をベースに春スキー
このときは、剱澤小屋にお世話になりました。中央はご主人の佐伯新平さん。
ゆかりさんともよき友人、よき同業仲間。
山小屋で働く方々はシーズンオフにほかの山小屋に遊びに行くことも多いです

仕事を離れた(といっても同業者も多い)、気の置けない仲間の存在が、ゆかりさんを支えているのだと、言います。
小屋の主として、様々な決断をして窮地を乗り越えてきたのだと思うと、私たち仲間が支えになっているのだったらとても嬉しいです。けれどそれは、お互いさまです。

さて、ゆかりさんの記事には、辛い話を書かせてもらいました。お客様からいただいた手紙のくだりです。言う側(お客様)がどれだけ辛いか、私も知っています。言われる側の気持ちも想像しました。
手紙の内容はけっしてよいものではありませんでしたが、最後にはお客様とゆかりさんの心が通じ合います。このエピソードを聞いて、ゆかりさんはいいお客様に恵まれたんだなあと思いました。

白馬のゲレンデで滑った後に、仲間の経営する食堂へ
「おばんざい&かふぇ ごま」

そしてゆかりさんは、やっぱり山小屋の主らしい方でした。潔く覚悟があり、ご自身を律する方です。
人に助けられ、人を助け。人に支えられ、人を支え。人があってのゆかりさんの人生。私たちもどれだけ、ゆかりさんに支えてもらったことか。ゆかりさんは、輪の真ん中で、いつも笑っています。

もちろん、「恋の花咲く朝日小屋」のことも書きました。
朝日小屋の従業員やアルバイト、常連のお客様の間で、何組みものカップルができる物語です💓

じつは朝日小屋は、どこから登っても少し遠いです。麓・富山県朝日町の北又から登っても、新潟県側の蓮華温泉から五輪尾根を辿っても、白馬岳から北上しても、栂海新道から縦走しても、けっして近くありません。けれど、朝日小屋は、緑濃いとてもよい立地にあります。白馬岳が望め、夜になると日本海の漁火が見えます。静かなひろびろとした展望のあるとてもよいところです。
ぜひ、いちど訪れてみてください。

朝日小屋→ https://asahigoya.net/
 
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『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』(山と溪谷社、3/14発売)


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